さてさて、今回は渓流のトラウトルアーゲームのお話。
渓流ルアーでPEラインって使えるのか?
という事について、PEラインを使うメリットとデメリットを紹介していこうかなと。
結論から先に言ってしまえば、
PEラインは渓流のルアーゲームにも余裕で使えます。
というか、私の場合はメインでPEラインを使っているのが現状かな。
ナイロンラインも勿論扱い易さの面ではメリットがあるが、PEラインを上手に使えるようになると釣りの幅がより広がってくるはず。
この機会にトラウトゲームにPEラインを使う上で知っておきたい、ラインの特性について覚えておこう。
目次
渓流のトラウトルアーゲームにPEラインを使うメリット
まずはPEラインを使うとどんなメリットがあるのか?
基本的な部分を少し詳しく紹介していこう。
強度があり、やり取りに余裕が出る
ターゲットとなる渓流魚は、大体20~30cm位の事が多いと思う(もちろん釣り場にもよる)。
一般的なヤマメやイワナなどを狙った渓流のルアーゲームで使用するPEラインの号数だが、
基本的には0.3~0.4号前後になってくると思う。
この太さのPEラインの場合、大体6~8ポンド前後の強度になってくる事が多いかな。
そうなると、1号4ポンドのナイロンラインを使った時の1.5倍~2倍ほどの強度が理論上は引き出せることになるよね。
実際のフィールドでその強度差は非常に大きく、流れの中で尺クラスの魚を掛けてもPEラインならある程度余裕を持って対処できるのは大きなメリットだ。
4ポンドラインで魚を流れに乗せてしまうと、ドラグを出しつつの慎重なやりとりになってしまうことも多いからね。
ルアーのアクションにキレが出せる
ルアーでトラウトを狙うとなると、スプーンやスピナーといったトラディショナルなものも勿論使われる。
これらのルアーを扱う時であっても、もちろんPEラインを使う事は可能だ。
しかし、メリットがより大きくなるのはミノープラグを使ったトゥイッチングを主体とした釣りをする時かな。
渓流では流れに強いシンキングタイプ(水に沈むやつ)のミノーを使う事がかなり多いんだけど、
最近はヘビーシンキングといい、より素早く沈む比重の大きいものが好まれるようになってきている。
これらの重量のあるルアーにしっかりとアクションを伝えるには、伸びが少ないPEラインが非常に良くマッチする。
ナイロンラインは初期伸度(引っ張り始めた時の糸の伸び)が大きく、ロッドアクションを与えてもラインが伸びてしまってルアーに力がうまく伝わらない。
比重の軽いルアーの場合は軽い力でも動かしやすいんだけど、ヘビーシンキングミノーやリップの大きいプラグを使う時は切れのあるアクションを引き出しにくくなるんだよね。
重たいルアーを流れの中でしっかりアクションさせるのであれば、PEラインを使うと都合が良いってわけ。
PEラインを使用するデメリット
次に、渓流ルアーゲームにPEライン導入する際のデメリットについてだ。
ライン素材はそれぞれ特徴が違い、メリットだけのものは残念ながら今の所は存在しない。
PEラインを使う際にも当然弱点や苦手となる部分はあり、それを知ったうえで上手に使うのが釣果アップへ繋がっていくぞ。
ノットを組む必要がある
慣れてしまえば全く問題ないけど、初めのうちは細いPEラインにショックリーダーを接続するのは結構手間が掛かるもの。
強度を引き出すことと、ノット部のガイド抜けを重視するとやはりFGノットが望ましい訳で。
細いラインに編み込みを行うはちょっと難易度が高いので、家で練習しておく必要がある。
現場で切れてしまった際は電車結びでも最悪何とかなるが、どうせならクインテットノットなどを使った方が強度が出るのでおすすめ。
ただし、これらのノットは摩擦系のノットと違ってコブが大きくなりやすい。
トラウトロッドはガイドが小さいものも多く、コブがガイドに引っ掛かってキャストがスムーズにできなくなるリスクは高くなる。
ラインが弛むと力が伝わらない
これはPEラインを使う上で釣果を下げる原因になることがある。
PEラインはその素材の特性上、
ラインがピンと張った状態ならば伸びが少なく、力をダイレクトに伝える性質がある。
しかし、欠点としては細いヒモのような張りの弱い素材なので、テンションが弛むと力が伝わらなくなってしまう事だ。
これにより、陥ることが多い現象に次のようなものがある。
ルアーが動いているようで実は動いていない
渓流釣りを楽しむ際、基本は川の上流に向かってルアーをキャストするアップストリームの釣りになる。
ナイロンラインを使う時、多少ラインが弛んでいてもロッドアクションを与えればルアーは動いてくれる。
しかしPEラインがたるんだ状態になってしまうと、ルアーにロッドアクションが非常に伝わり難い。
だからしっかりとラインが張った状態を保つように注意しつつ釣りをしないと
自分ではルアーが動いているつもりであっても、実はルアーが殆ど動いていない
という事がある。特に初心者の方はこの状況に陥りやすいから、ラインの張り具合には気を付けて釣りをした方が良いね!
フッキングした直後にバレる
これも原因は同じなんだけど、トラウトの口って意外と硬いし釣り場には流れもある。
PEラインを使う際、魚がルアーにバイトして来た瞬間に合わせをしっかり入れるのはもちろんだが、
魚が掛かった後もどんどんリールを巻き込み、テンションを掛けていかないと1瞬でフックが外れやすい。
PEラインはテンションが少しでも抜けるとアウトな部分があるので、フッキング後にリールを巻くのを止める癖がある方は気を付けよう。
そうしないとバラシを連発する原因になったりするからね。
トラウトの硬い口にしっかりとフックを貫通させるため、ヒットした後はリールをグリグリ巻いて強めにテンションを掛ける事!
PEラインは伸びが少なくて強いけど、テンションが抜けると弱点が出やすくなるラインなのさ。
ルアーのレンジが浮きやすい
上流に向かって真っすぐキャストして釣っていく釣り方ならまだ多少マシなんだけど、PEラインを使って流れを横切らせるような釣りをする時は要注意。
PEラインは比重が軽く、いくつかの原糸を編み込んで作られているものが多い(1部は違うものもある)。
だから水の流れによってラインが流されやすく、ルアーが引っ張られて浮きやすくなる傾向がある。
ヘビーウエイトのルアーを使ったとしても、ラインが流されてしまうと川底付近の魚を狙っていくのは結構難しいもの。
特にラインが弛んでしまうと余計に水の抵抗を受けるので、穂先からルアーまでのラインの出方に気を使って釣りをしよう。
ちなみにショックリーダーの長さを変えたりしてラインの比重を調整すると、ルアーの泳ぐ伸度を多少は調節できる。
ショックリーダーが短ければPEラインの浮力の影響を受けやすくなるし、リーダーを長めにすればルアーが流れの影響を受けても沈みやすくなる。
リーダーとのノット部分にクモの巣が絡む
これは渓流でPEラインを使う上で頻発する、意外と厄介な現象。
渓流ってさ、木とか草とかいっぱい生えてるじゃないですか。
当然昆虫はいっぱい潜んでいるわけなんだけど、PEラインとショックリーダーのノットの部分にクモの巣がどんどん絡みついていくんだよね。
ちょっとしたことなんだけど、小規模な河川や源流で釣りをすると避けては通れない事だったりする。
これが起こると結構釣りにストレスが溜まりやすくなり、特にアンダーハンドで軽くキャストしたりする時、クモの巣のせいでラインが全然出なくなる。
実際にやってみるとわかるけど、個人的にはこれが一番PEラインを扱う上でめんどくさい事だったりする。
PEラインを使うとラインブレイクが起こりやすい?
渓流でPEラインを使った場合、岩にスレた時などにラインブレイクがすぐに起こるんじゃないかと不安に思う方もいるだろう。
実際に私もそう思ったが、
実際に使ってみると多少根ズレしたところでラインは切れない
というのが私なりの見解だ。
もちろん、スレに強いPEラインを使っているというのもあるが。
30cm程度までがアベレージになる渓流魚を釣っていてPEラインがスレても、あっけなくブレイクしたことは今まで1度もない。
必要以上に細いものを使わなければ、思ったよりも切れないもの。根ズレに対する弱さをそこまでネガティブに考える必要はないぞ。
渓流のトラウトルアーにおすすめなPEライン
最後に、実際に私が使っているPEラインを紹介しておこう。
高比重でルアーの操作が楽だし、根ズレにも強い。だから渓流では使い勝手が良いぞ♪
デュエル アーマードF+Pro
渓流用PEラインとしておすすめなのがコレ。
私はピンクの方が好きなのでアーマードF+Proのアジ・メバル用を使っているが、オレンジ色のトラウトモデルもラインナップされている(好みで選べばOK)。
渓流ルアーに適した特性を持ち合わせており、高比重なPEラインで使い勝手は良好。
ちなみにアーマードFにはグレードの低い「アーマードF」と「アーマードF+」もあるが、これらはコーティングの耐久性が低かったりで使い物にならない。
購入するならハイエンドモデルの「アーマードF+Pro」を絶対におすすめする。
直線強度も高く、多少スレても簡単には切れない強さを持っている。
太さに関しては、渓流でイワナやヤマメなどを狙うなら0.3~0.4号程で良いだろう。初めてPEラインを使ってトラウトを狙うなら、余力を持たせて0.4号の方が良いかな。
アーマードF+Proを使う理由
なぜ数あるPEラインの中でもこのアイテムを使っているのか?
簡単に理由を紹介しておこう。
高比重で風や水の抵抗が少ない
アーマードF+Proは一般的なPEラインよりも比重が大きく、水への馴染みが良いんだよね♪
これによってPEラインを使う際のデメリットである「流れにラインが流される」という事を軽減できる。
加えてこのラインは編み込んであるラインではなく、表面が滑らかでナイロンやフロロカーボンラインと同じ感覚で使用できる。
編み目が無いPEラインだから高比重な特性と組み合わさり、より水や風の影響を受けにくいってわけ。
それによってラインがピンと張った状態を作り出しやすく、よりダイレクトにルアーを操作しやすいのも良いね!
PEラインの中でも、よりダイレクトな操作感で風や流れに強い。他のアイテムとは1味違った使い心地が良い感じ♪
根ズレしても切れにくい
アーマードFシリーズは通常のPEラインに比べたら根ズレに強い印象がある。
だから木の枝にラインを引っかけたり、魚をヒットさせて多少岩に擦れたりしても予想以上に切れない。というか、あっさりと切れたことが無い。
PEラインの弱さを上手くカバーしてくれているので、石がゴロゴロしている渓流域でも使い易いね。
もちろん、毛羽立ちを見つけたらカットしてノットを組みなおすのは当たり前だけど。
劣化が目視しやすい
アーマードFシリーズは、使っていくうちに段々表面に毛羽立ちが出てくる。
それがF+Proだと遅めなんだけど、それでも劣化は避けられない。
ここで多少毛羽立ちが出てもラインが切れないのが良い所なんだけど、普通のPEラインの場合は毛羽立ちが目に見えにくいんだよね。
その点このラインは毛羽立ちが目に見えて分かるので、早めにノットを組みなおすことで無駄なライントラブルが未然に防げる。
私の場合、大体1日釣ったらラインが限界を迎える感じかな。
その時は先端部の何メートルかをカットし、弱くなった部分を外して使っていくだけ。
キャストに慣れておらず、ラインが傷みやすい使い方をすると半日くらいでラインをある程度カットし、ノットを組みなおした方が良いかな。
150m巻きを購入すれば1シーズンは余裕で持つと思うので、別に高い買い物ではないはず。
このラインはメバリングやハゼ釣り等、色んな釣りで使い勝手が良いので私のお気に入りだ。
渓流トラウトにPEラインをバシバシ使え!
大体こんな感じで、PEラインは渓流のトラウトゲームに余裕で使えるラインなんだよね。
比重の軽さなどから来る流れの影響を受けやすい事、テンションが緩んだ際にルアーが動かなくなったり魚がバレやすくなるのがデメリットになってくる。
その辺りは経験次第てある程度カバーできる部分でもあるので、気になる方はとりあえず試しに使ってみたら良いと思う。
PEライン特有の強度やダイレクトな操作感は気持ちが良く、狙ってルアーを動かして魚を掛けていく楽しさを味わえるからね。
それでは、今回はこの辺で。また明日会いましょう!