さてさて、今回はショアスロー初心者講座ということで、必要な基礎知識をざっくりと網羅していきます。
ショアスローはショアジギングの中の釣り方の1つで、低活性な魚や速い動きの餌を食うのが苦手なターゲットを狙う時に効果的な釣り方。
メリットもあればデメリットもあるので、使い分けなどにも触れつつ解説。
ここで紹介する内容は全て管理人の実釣経験に基づいた解説になるので、参考になるものがあったらうれしく思う。
私の主な実績としては、
- 年間釣行数250~300前後
- ショアスローというジャンルが確立される前から底物狙いのショアジギングの経験あり
- 静岡中部のサーフでヒラメ・マゴチを月間100枚以上(メタルジグのみ使用)
こんな感じで、それなりの実績を残しています。
今回は必要な知識全体を紹介していくので、より詳しい解説があるものは各記事へのリンクを貼っておきます。
更に詳しく知りたい時の参考にしてみてね。
まるなか
ショアスローとは
普通のショアジギングとの違い
ショアスローは平たい形状のメタルジグを使用し、小刻みな誘いやスローなジャークでジグを操作し、ヒラヒラとした滞空時間の長いフォールアクションで食わせる釣り方になる。
一般的なショアジギングで使われるメタルジグと比較すると、「潮受け」が良くて少ない力でもアクションが立ち上がる特性がある。
こちらは典型的な青物狙いでよく使われるタイプのメタルジグ。スリムな形状をしていて、速い誘いや大きなジャークに対応するため、細長くて「潮抜け」が良い形状をしている。
魚種問わず色んな魚が狙える
ショアジギングというと、メタルジグをジャカジャカと速く動かしてストンと沈める釣り方をイメージするかもしれない。
一方でショアスローの場合は移動速度を抑え、フォールスピードもゆったりになるので遊泳力が低い底物と呼ばれる魚も狙いやすい。
なので青物以外にもマダイやヒラメ・マゴチ・オオニベ・ハタ・カサゴ・ソイなど、海底付近にジッとしている魚も狙って釣ることができる。
ショアスローのメリット
ショアスローを使うのが効果的な場面・メリットはどこにあるのだろうか?
活性が低い魚にバイトチャンスを与えることができる
普通のショアジギングは速い動きに反応する青物狙いには効果的だけど、日中の時間帯や潮の効き具合が悪くて活性が低い状態の魚狙いには向いていないことがある。
いくら青物といっても、活性が低い時は速いアクションでジグを通しても反応するだけで食い切らなかったりする。
こういう時にショアスローを試すことで、速い動きについて来れない状態の魚をバイトさせるチャンスが作れる。
操作が楽・疲れにくい
ショアスロー用のメタルジグは小さなロッドアクションにも反応が良い。
大きくビュンビュンロッドを煽ったり、リールを高速で巻かなくてもしっかり仕事をしてくれる。
なので初心者の方や体力がない方にも比較的楽にでき、疲れにくいのはメリット。
特に底物狙いの時はジグ操作がよりスローになるので、普通のショアジギングよりも手軽にできる。
ショアスローのデメリット
一方でショアスローにはデメリットも存在している。
状況によってはジグが必要以上に動きすぎる
1つめのデメリットとしては、潮が払い出している状況下や、少しジグを速くアクションさせたい時にジグがバタバタと暴れすぎる可能性がある。
潮受けが良くて少ない力でもヒラヒラとアクションするショアスロー用のジグだが、状況によってはジグが動きすぎてしまって魚が嫌うシチュエーションも存在している。
緩急をつけにくい
これもショアスロー用メタルジグの潮受けの良さが影響しており、特に青物を狙う時に当てはまりやすい。
カンパチなどの青物を狙う時は、スローなジグ操作と超高速アクションをコンビネーションさせるのが強い効果を発揮することがある。
こういう時にショアスロー専用のジグを使うと、速いアクションに対してジグが追従できず、アクションが破綻してしまうことがある。
状況によっては普通のショアジギング用メタルジグを使ったり、狙い方・誘い方に合わせたチョイスが重要ってことだね。
まるなか
ショアスローで釣れるターゲット
ショアスローで釣れるターゲットについて、代表的なものを紹介していこう。
青物
青物はショアスローでも格好のターゲットになり、時期や地域によって釣れる魚種には差がある。
- ブリ
- サバ
- カンパチ
- シイラ
- ヒラマサ
- サワラ
- カツオ(ソウダガツオ含む)
このような青物が一般的だが、狙い方によっては大型のアジなども狙うことができる。
ただし先ほども紹介したように、青物を狙う時は速いジグ操作や大人しいアクションに反応が良いこともある。
なのでショアスロー用ジグだけで狙うのはおすすめしない。
平たいショアスロー用ジグとともに、青物狙い向けの一般的なメタルジグの両方を使い分けた方が絶対に良い。
中層回遊魚・上物
ショアスローという釣り方は遊泳力が低いターゲットにも有効で、
- タチウオ
- マダイ
- シーバス
このような中層を回遊する魚を狙うのも得意。
青物よりもショアスローが万能に効きやすく、スローなジグ操作との相性もいいターゲットが多い。
底物(フラットフィッシュ・ロックフィッシュなど)
海底付近に生息している底物をメタルジグで狙う場合は、基本的にショアスローだけで時期・時間を問わずに対応できる。
- ヒラメ
- マゴチ
- ニベ
- カサゴ・ソイ
- ハタ
これらのターゲットはゆったりとしたアクションのジグに好反応を見せ、ショアスローが効果的。
底物を狙う時はワームを使うことも多いが、メタルジグの方が手っ取り早く探ることができ、深場攻略も簡単にできる。
▼【より詳しい解説記事】ショアジギングで釣れる魚を解説!
ショアジギングで釣れる魚・ターゲットを基本的な習性と合わせて解説!【青物・根魚など】
時期・シーズン
ショアスロー自体は1年中楽しむことができるが、時期によって釣れる魚は少しずつ変わってくる。
春
春のショアスローは初心者入門にはあまり向いておらず、難易度は少し高い傾向がある。
主なターゲットとしては
- 大型青物
- マダイ
- タチウオ
- ヒラメ
- カサゴ・ソイ
これらが代表的だが、数釣りというより一発大物を狙うのに適しているシーズンだ。
夏
夏のショアスローは初心者入門にも適しており、大型の魚を狙うというよりは数釣りがメインになりやすい。
- ブリ・カンパチなどの幼魚(30cm~40cm前後)
- サバ
- ソウダガツオ
- シイラ
- タチウオ
- マゴチ
- ハタ
これらのターゲットが狙いやすく、青物釣りがシーズンインを迎える。
活性が落ちた青物をショアスローで狙うのも良いし、意外と楽しいのが堤防などから狙うハタゲーム。
ハタは夏場を中心に接岸しやすく、港の中にも案外潜んでいる。
手軽な場所で釣れるのは20cm~30cm位までの小型が多いが、ショアスロー入門にはうってつけだったりする。
私の出身地である静岡の場合、夏のハタゲームが一番ショアジギングで簡単に釣れる癒しの釣りかな!
秋
秋は水温の低下とともに釣れる魚のサイズが徐々にアップしやすい。
夏と並んでショアスローには最適な時期。
夏と比較すると若干釣果を上げる難易度は高くなるが、魚種はそれなりに豊富。
- ブリ・カンパチなどの幼魚(40cm~)
- サバ
- ソウダガツオ
- タチウオ
- ヒラメ・マゴチ
地域によってはヒラマサなども釣れるが、夏よりも1周り大きい青物がメインターゲットかな。
その他サーフではヒラメやマゴチが狙えたり、気候的にも穏やかで楽しいシーズン。
冬
冬は春と同じく、ショアスローに限らずショアジギング自体の難易度が高くなりやすい。
狙うターゲットとしては、
- ブリ・サワラなどの大型青物
- ヒラメ
- タチウオ
- カサゴ・ソイ
こんな感じで、日本海側など地域によってはオフシーズンになる場所も多い。
初心者の方の入門には向いておらず、一発大物を求めて修行になることも良くある。
▼【より詳しい解説記事j】ショアジギングの時期・シーズンを紹介
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まるなか
時間帯
ショアスローに適した時間帯について、私の考え方を紹介していこう。
底物狙いの場合は1日中ショアスローでOK
ヒラメやハタなどの底物を狙う時は、時間問わず1日中ショアスローが効果を発揮する。
そもそも速いジグのアクションに反応しにくいターゲットなので、底物を狙う時はショアスローのみで問題ない。
ただし、メタルジグを使うことにこだわらないのであれば、底物を夜に狙う時はワームを使った方が釣れやすいこと多い。
朝・夕マズメ
青物狙いでショアスローを使う場合は、朝・夕マズメの時間帯はサブ的な使い方をするのがおすすめだ。
マズメの時間帯の青物は餌を積極的に探すために回遊性が高く、速いジグ操作に反応が良いことも多い。
なのでショアスローを主体に使うと手返しが悪かったり、スローな動きのジグを逆に見切ってしまうことがある。
私の場合、活性が高い可能性が高いマズメの時間帯は普通のジグをメインに使い、それでダメならショアスローにスイッチすることが多い。
日中
日中は青物の活性はいったん落ち着くことが多く、丁寧に誘えるショアスローが効果的な時間帯。
特に潮があまり動いていなかったり、ベイトフィッシュの気配がない時はショアスローをメインに組み立てるのもおすすめだ。
活性が低くて深い場所でジッとしている青物を狙うに適しており、ショアスローの効果を発揮しやすい時間帯だね。
夜
夜はショアスローが意外と効果を発揮する時間帯。
回遊魚で狙いやすいターゲットとしては、
- ブリ
- サバ
- サワラ
- タチウオ
これらのターゲットは回遊さえあれば夜間でも反応が良い。
夜の回遊魚は回遊性が低く、動きがスローなのでショアスローとも相性が良いぞ。
私の場合はこんな感じで、回遊魚を狙う場合はマズメの時間帯以外にショアスローを使うことが多い。
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ショアスローの基本タックル
ショアスローは狙うターゲットの大きさや釣り場によってタックルバランスが変わってくる。
初心者の方にも使いやすい、ベーシックなタックルバランスを紹介しておこう。
オールラウンド
1つめが、40cm~60cm位(1kg~2kg・3kgくらいまで)の中型青物を狙ったり、ヒラメ・マゴチ・タチウオ・シーバスなど、中くらいの魚を何でも狙いたい時のタックルバランス。
- ロッド:10フィート前後のシーバスロッドM~MHパワー(40gクラスのジグがフルキャストできるもの)
- リール:シマノ・ダイワLT4000番~5000番
- PEライン:1.2号(1号~1.5号)200m
- リーダー:6号(5号~8号)1m~1ヒロ
- メタルジグ:30g~40g
このようなタックルバランスを基本に考えておけば、比較的オールラウンドに使えるショアスロータックルが完成する。
中型のターゲットであれば魚種問わず対応しやすく、漁港や防波堤などの身近なフィールドであれば汎用性が高い。
スーパーライト
次に紹介するのはライトなタックルになり、30cm前後の小型の青物や小型のハタ等を狙うのに適したセッティング。
スーパーライトショアジギングとも呼ばれ、漁港やサーフなどの開けたフィールドで手軽に遊ぶのに向いている。
- ロッド:9フィート前後のスーパーライトショアジギング専用ロッド・またはシーバスロッドL~MLクラス(20gクラスのジグがフルキャストできるもの)
- リール:シマノ:ダイワLT3000番
- PEライン:0.8号(0.6号~0.8号)200m
- リーダー:3号(2号~3.5号)1m~1ヒロ
- メタルジグ:15g~20g
タックルバランスはこんな感じで、お手軽に小型のターゲットの引きを楽しみたい方におすすめ。
主に水温が高い夏~秋口に向いているタックルになる。
リール選び
ショアスローに使うリール選びについて、ポイントを紹介していこう。
ギア比
リールのギア比(巻取りの速さ)は超重要で、ジグ操作の快適性に大きく影響する。
好みもあるが、私がショアスローで使うのは巻取りが速いハイギアリールになる。
ショアスローでは、短い距離でジグにクイックな操作を与えるのが重要になる。
この時、巻取りが遅い低いギア比のリールを使ってしまうと、ジグにキレのあるアクションを与えにくい。
なので少ないハンドル操作でラインをしっかり巻き取れるハイギアリールを使用し、ロッドアクションと同時にリールのハンドルを巻き、ジグに短い距離でキレのある動きを出すように意識している。
ハンドルノブの形状
短い距離でクイックにジグを操作するには、ハンドルが滑ってしまったり・握りにくいと釣りがしにくい。
私の場合は丸形のパワーハンドルを使用し、ハンドルをしっかり握り込んでアクション出来るようにしている。
ラウンド型のパワーハンドルはハイギア特有の巻き重り感を緩和する効果もあるので、使ったことがない方は試してみてほしい。
▼【より詳しい解説記事】ショアスロー用リール選びを解説
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ロッド選び
次はロッド選びについて紹介していこう
専用ロッドは必要なのか?
一部のメーカーからはショアスロー専用ロッドが発売されているが、個人的に必要性は全く感じていない。
そもそもショアスローはショアジギングの1つの攻め方であり、専用ロッドが無くても全く問題なく魚は釣れるし不便を感じることも無い。
反発力があるロッドを選ぼう
リール項目でも紹介したが、ショアスローでは短い距離でジグをしっかり動かすのがポイントになる。
リールのギア比とともに重要なのが、ロッドの反発力だ。
ロッドが柔らかいと、釣り人の与えたアクションをロッドが吸収してしまう。
これによってキビキビと自在にジグを操作するのが難しくなるので気を付けよう。
ロッドはしっかりとした張りのあるロッドを選び、フニャフニャしている柔らかいものは避けたい。
やや先調子寄りのものを選んでおくと、ロッド操作が簡単にできるぞ。
▼【より詳しい解説記事】ショアスロー用ロッド選びを解説
ショアスロー用ロッドの種類・選び方を解説。実釣経験を基に要点を基礎から紹介!
ラインシステム
PEライン+リーダーを使う
ショアスローに限らず、ショアジギングでは伸びが少ないPEライン+リーダーを使ったラインシステムを使う。
メタルジグは遠投性に優れているが、伸びやすいナイロンラインなどを使うとジグを自在に操作するのが非常に難しくなる。
ラインの巻き量
ショアスローに使われるメタルジグの重さは、だいたい30g~40gクラスが中心になる。
ある程度道具の扱いに慣れてくると、飛距離は100m前後になるのも珍しくはない。
フルキャストしてもラインの残量には余力を持たせるため、目安としては200mほどラインを巻き取っておくのがおすすめ。
巻替え頻度が高い方は150m巻きでもOKだが、万が一の高切れなどを考慮すると200m巻きが望ましい。
ノット
PEラインとリーダー、リーダーとメタルジグの結束には専用のノット(結び方)が必要になる。
PEラインとリーダーの結束には、
- FGノット:オールラウンドに使えるが、編み込みが必要
- SCノット:簡単にできるが、細いラインを使うとすっぽ抜けやすい
- PRノット:専用の工具が必要だが、覚えれば最強・完璧なノットが組める
これらのノットが私のおすすめ。
私の場合はPRノットとFGノットを使っているが、正直言ってPRノットを覚えてしまえば他のノットは覚える必要は無い。
PRノットはボビンと呼ばれる専用のアイテムが必要だが、0.2号などの極細PEライン~マグロ狙いなどに使う太い号数のラインまで同じ要領で組むことができる。
強度的にも一番高くて安定しており、しっかり組めるようになれば完全なノットが仕上がる。
一方でリーダーとメタルジグの結束は色んな結び方があるが、私の場合は「ダブルクリンチノット」を使用している。
だいたい6号・8号くらいまでのリーダーの結束なら、この結び方で十分対応できる。
▼【より詳しい解説記事】ショアスロー用ライン選びを解説
ショアスロー用ライン選びと私が使うおすすめアイテムを基礎から解説!【PEライン・リーダー】
メタルジグ選び
次はショアスローに使うメタルジグ選びについて、基礎知識を紹介していこう。
普通のジグとショアスロー専用ジグの違い
一般的なショアジギング用メタルジグとショアスロー専用モデルの違いだが、簡単に言えば
- 小刻みなジャーク・スローなアクションでもジグがキッチリ動く
- 滞空時間の長い水平フォールで食わせの間を与えやすい
ショアスロー専用モデルのジグは、これらの特性に重点を置いて作られているものが多い。
なのでショアスロー用のメタルジグは、ショートボディで潮をしっかり受けるように平たい形状をしているものが多い。
専用ジグが必須なのか?
時々これは聞かれる質問なんだけど、ショアスローをやるからといって必ずしも「ショアスロー用のメタルジグ」を使う必要は無い。
そもそも私がこの手の釣りを始めた時は、ショアスローという言葉もなかったし、専用ジグも発売されていなかったからね。
ジグの形状を見て使い方がイメージできるようになったら、専用ジグを使う必要は無い。
ただし最初のうちはどれを選んだらいいのか分からないと思うので、その時は専用アイテムを選ぶのが無難かな!
重心バランス
メタルジグには重心バランスが設定されている。
簡単に言うと、ジグの前方・中央・後方のどの部分が厚くなっているかを見ると分かりやすい。
- ジグの頭付近に重心がある:フロントバランス
- ジグの中央付近に重心がある:センターバランス
- ジグの後方に重心がある:リアバランス
大きく分けるとこのように分類できる。
ショアスローに使うメタルジグはセンターバランスが中心になるが、アイテムによっては多少違いがある。
重心バランスによる違いは
- センターバランス:水平フォールでアクションの強さは平均
- リアバランス:飛距離が伸びるが、フォールが少し早め。ジャーク後の滑走は小さく、巻きで使うと波動が強い
- フロントバランス:飛距離が落ちやすいが、ジャーク後の滑走がワイド。巻きで使うとアクションはおとなしい
簡単に分類すると、このような特性を持っている。
ショアスロー用のメタルジグの場合は、完全なリアバランスのジグというのは見られず、やや後方寄りの重心設定のものが目立つ。
最初のうちはセンターバランスのジグを中心に揃え、速いピッチのジャーで探りたい時はやや後方寄りのジグを使ってみると良い。
一方で滞空時間をさらに長くしたり、青物狙いで速巻きも混ぜたい時は、フロント寄りの重心設定のジグを使ってみるのもおすすめだ。
メタルジグの重さ
ショアスローに使うメタルジグの重さだが、基本的にはスーパーライトショアジギング・ライトショアジギングと同じくらいのものを使えば問題ない。
中型の青物やヒラメ・タチウオなどを何でも狙うなら30g・40gクラスのアイテムが使いやすい。
30cm前後の小型の青物だったり、20cm~30cm前後のカサゴやソイ・ハタなどを狙うなら15g~20gクラスのジグを選んでみよう。
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フックセッティング
基本はジグの前後にフックを付ける
ショアスローの場合は、一般的なショアジギングよりも激しくアクションを与える必要は無い。
なのでフックがリーダーに絡むことは比較的少なく、慣れてしまえばフックが絡むことは殆どない。
また、特に底物系のターゲットは餌を食うのが苦手なものが多い。
なのでミスバイトが発生したり、掛かり場所が悪くてフックアウトする可能性が意外と高くなったり。
これらを考慮し、ショアスローの場合はジグの前後にフックを付けるのが基本スタイル。
海底を探る機会も多いので、根掛かりを回避するためにリアにはトリプルフックは使わないことが多い。
シングル・またはダブルフックを使うことで、根掛かりのリスクを軽減できる。
状況に合わせて調整しよう
例えば、根掛かりのリスクがほとんどないサーフでヒラメなどを狙うのであれば、リアはフッキング重視でトリプルフックを使うのもおすすめ。
一方で根掛かりやすい場所を攻めるのであれば、リアフックは外してしまってもOK。
この辺りは狙うポイントの特性や魚の活性などに応じて調整すればOKで、固定観念を持つ必要はまったくない。
▼【より詳しい解説記事】ショアスローに使うメタルジグのフック選び
ショアスローにおけるメタルジグのフック選びとは?特性別に使い分けを解説!
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ショアスローのポイント選び
ショアスローは色んなポイントで遊ぶことができるが、根掛かりのリスクが高い場所での釣りはあまりおすすめしない。
磯などで釣りを場合は根掛かりでジグを沢山無くす可能性が高いので、まずは開けた場所で挑戦すると良い。
※メーカーの動画などは根掛かりのシーンは全てカットしてあることが多いので要注意。
堤防
堤防周りは回遊魚を中心にショアスローの釣りが楽しみやすい。
特に水深が深くて潮通しが良い場所は日中でも青物が溜まりやすく、ショアスローが効果を発揮しやすい。
夏場は堤防周りのちょっとした駆け上がりや石周りにハタが着くことも多く、狙ってみると良い。
小型のハタは根掛かりしない程度のちょっとした海底の変化にも着くので、ショアスローの練習には最適。
サーフ
特に外洋に面したサーフは潮通しが良く、色んな魚が狙える。
時期によって青物が回遊したり、ヒラメやマゴチなどの底物の好ポイントであることも多い。
ショアスローを楽しむのであれば、水深が浅い遠浅のサーフよりも急深サーフの方が釣りやすくておすすめ。
ショアスローは誘いとフォールを組み合わせて釣っていくが、サーフィンをするような波気立つ浅いサーフではフォールが使いにくい。
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ショアスローのアクション・誘い方
ショアスローにおける基本のアクション・誘い方のパターンを紹介しておこう。
基本的には
- ワンピッチジャーク:ロッド操作1回につきリールのハンドルを1回転
- ただ巻き:リールを巻いてジグをヒラヒラとスイミング
- 1/2ピッチジャーク:ロッド操作1回につきリールのハンドルを半回転
これらの誘いを覚えれば十分で、最初のうちはワンピッチジャークとただ巻きだけでも十分。
ここにフォールをうまく混ぜることで、魚にバイトチャンスを与えていくことになる。
誘いとフォール
ショアスローに限らず、ショアジギングでは誘い(ジャークや巻き)とフォールをセットで使うことを基本に考えよう。
人によって誘い方は多少異なるが、私の場合は
- 青物・回遊魚狙い:ロッド操作を5回~7回位につきフォールを入れる
- 底物狙い:ロッド操作2回~5回くらいにつきフォールを入れる(着底させる)
こんな感じで、遊泳力が低い底物を狙う時はフォールを小刻みに入れて対応することが多い(フォールの度、ジグを着底させる)。
特にカサゴやマゴチなどを狙う時は、海底からジグが離れてしまうとアタリが極端に減りやすいから気を付けよう。
一方で活性が高いヒラメやハタを狙う時は、多少ジグが海底から離れてもバイトしてきやすい傾向がある。
ワンピッチジャーク
ショアジギングでは最も基本となるジャークの方法で、ショアスローの際はこれさえ覚えておけばだいたい何とかなるといっても過言ではない。
基本的にはロッドをチョンチョンと操作するが、ショアスローの場合は穂先を50cm~70・80cmくらい動かすのが基本。
なのでビュンビュンと大きくロッドを煽る必要はまったくなく、ジグが海中で「ピラッピラッ」とアクションすればOK。
このロッドを動かすタイミングに合わせ、リールのハンドルを「グリンッ」と巻くことでジグのアクションにキレが出る。
ジグをジャークする際は、アクションを与えた後に穂先からジグの重さが消えるタイミングが一瞬でも作れていればOK。
ショアスローの場合、だいたい1秒間に1回~2回くらいの小刻みなジャークを与えることが多く、速いピッチで誘う時はロッド操作を小さめにすると良い。
これを数回連続で行い、フォールを入れて食わせのタイミングを作っていく。
底物狙いの場合はこんな感じで、ジグを海底に着底させたら小刻みにジグを動かし、再び着底させよう。
青物狙いの場合は、ジグをカウントダウンで中層~海底まで沈め、浮き上がった分をフォールさせて沈めなおすイメージで釣っていけばOK。
青物狙いの場合も、活性が低い時は海底付近に潜んでいることも多い。
アタリが無い時は浅い場所~中層ばかり探るのはNG。
ただ巻き
ショアスローの基本はワンピッチジャークなるが、青物や回遊魚・底物の中でも比較的遊泳力が高いヒラメやハタなどを狙う時はただ巻きも効果的。
ショアスロー用のジグは潮受けが良いので、ただ巻きでゆっくり巻いてもヒラヒラとワイドにアクションするものが多い。
基本としてはジグがヒラヒラと動くゆっくりめな速度で巻くことになるが、カンパチなどの青物は動きの緩急が重要になることも多い。
そういう時はジグがグルグルと回らないギリギリの速度で巻いたり、状況によってはショアスロー用のジグから青物狙い用のスリムなジグに交換するのも有効なローテーション。
ただ巻きの場合も、ある程度探りを入れたらフォールを途中に入れよう。
また、ジャークの後にそのまま巻きにスイッチしたりするのも効果的な誘いになる。
1/2ピッチジャーク
これは応用編になるが、ハンドルの巻き数を1/2回転に落とすことで、より小刻みに・狭い範囲でジグをヒラヒラとアクションさせることが可能になる。
初心者の方には少し難しいかもしれないので、ジグの操作に慣れてきてから1/2ピッチジャークは練習すればOK。
1/2ピッチジャークは単体で使うよりも、そのままワンピッチジャークにつなげたりしてジグの動きに変化を出すのに向いているアクション方法。
主に底物狙いで使う機会が多く、低活性時やジグが浮き上がりやすい深場狙いでも海底付近をネチネチ探りやすい。
ショアスローに必要な基本的な知識はだいたいこれくらい覚えておけば大丈夫かな!
青物狙い以外にも根魚など、色んな魚が狙えるので身近なフィールドで挑戦してみてね。
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