こんにちは、まるなか(@marunakafish)です。
さてさて、今回は恒例のショアジギング講座をやっていきましょう。
今日のテーマは「ショアジギングでラインが絡む・ライントラブルの原因と対策」について。
最近はロッドやリールの進化がかなり進んでおり、以前と比較すれば快適に釣りができるようになったのは間違いない。
しかし、初心者の方を中心に道具の扱いに慣れていない方は実釣中にラインが絡んでしまったり、ライントラブルが発生することはよくある。
今回はライントラブルの発生を防ぐためのチェックポイントを主な原因とともに合わせて紹介していく。
実際に私はショアジギング以外にも様々なジャンルの釣りを毎日のように楽しんでいるが、ライントラブルは1年を通じても0から1・2回程度かなぁ。
正しくタックルを扱うことができれば、ライン絡みで釣りが満足にできないということは脱することができるはずだ。
まずはここで紹介することを順にチェックしていき、トラブルなく釣行できるようになってもらえたら嬉しく思う。
ショアジギングでラインが絡む・ライントラブルの主な原因
ライン絡みといっても絡む場所が違ったり、原因は複数考えられる。
まずは考えられる主な原因について順に紹介していこう。
リール付近でラインが絡むパターン
おそらく一番発生すると厄介なのが、リール付近でラインが絡むこと(バックラッシュなどと呼ばれる)。
ショアジギングではPEラインが非常に良く使用されるが、リール付近でラインがグチャグチャになるとラインを切る必要が出てくることも多い。
この場合、原因として挙げられる主なものは
- 糸巻き量が多すぎる
- ラインの巻き形状が不適切
- PEラインが硬いもの・張りが強いものを使用している
- 巻かれたラインのテンションが弱すぎる
- 風などによるもの
基本的にはこれらがライン絡みの原因になることが多いと感じる。
ガイドにラインが絡まる
次に厄介なのが、ロッドのトップガイドや次のガイド付近にPEラインが絡むパターン。
これは意外と発生頻度は高く、釣りにある程度慣れている方でも発生しやすいちょっとしたライントラブル。
発生しても絡まったラインをほどけば復帰できるが、多発すると非常にめんどくさい。
ガイドへのライン絡みが発生する主な原因としては、
- 使用しているPEラインが柔らかすぎる
- キャストする時にロッドの振り抜き速度にムラがある
- ガイドセッティングと使用者の癖が合っていない
このようなものが挙げられるかな。
ラインに結びコブができるパターン
発生頻度は低めになるが、時々あるのがキャストを続けていると気づかないうちにラインに結び目ができているパターン。
この場合は大幅にラインをカットする必要はないことが多く、ダメージ的には小さめで済むことが多い。
主な原因としては、
- 糸巻き量の多すぎ
- 巻き形状が不適切
- 糸ヨレの蓄積(ラインローラーの回転不良)
これらが影響することが多いかな。
ライン絡みが発生する原因をざっくり紹介していくとこんな具合になり、これらをバランスよく修正していくことでライントラブルはかなり減らすことが可能だ。
リール周りの対策
まずはライン絡みを防ぐためのリール周りの対策方法について、順に紹介していこう。
適性な糸巻き量
リールには適正な糸巻き量があり、メーカーによって多少異なっている。
シマノ製のAR-Cスプール(スプールエッジが大きい)リールの場合は、適正量としてはこれくらい。
このくらいの糸巻き量でジャスト~ほんのわずかに余裕があるくらいになる。
シマノ製のAR-Cスプールの場合は、スプールエッジの付け根ギリギリまで巻くのがベーシックな糸巻き量だ。
一方でダイワ製のリールの場合はどうか?
ダイワ製のスピニングリールにはABS(ロングキャストABS)が採用されており、シマノほどスプールエッジが大きくない。
この場合はスプールエッジの付け根までキッチリラインを巻いてしまうと「ラインが巻きすぎ」になるので気を付けたい。
私が使用しているダイワ製リールの糸巻き量はこれくらいで、正直言うとこの糸巻き量だと「ジャスト~若干多め」くらいの設定。
タックルの扱いに慣れている方なら問題なく扱えるが、ライントラブルが怖い方はもう少し減らし気味でも問題ない。
糸巻き量とライントラブル
リールの糸巻き量はライントラブルの発生とかなり密接な関係がある。
基本的には
- 糸巻き量が多め:ライン放出がスムーズになるがラインが余計に出てトラブルの原因になりやすい
- 糸巻き量が少なめ:飛距離は落ちるが、ライントラブルは減りやすい
このように影響を与える。
船や磯で大型の魚ををキャスティングで狙ったりする時はライントラブルの抑制をまず重視し、あえて少なめにラインを巻いて使用する方も存在する。
糸巻き形状
ラインの糸巻き量はそれほど多くないのに、ラインがドバっと出てライントラブルが発生する・・・・。
こういう時はリールのスプールに巻かれたラインの形状が偏ったり・極端になっていないかチェックしよう。
基本的に、シマノ製リールを使用する場合は
スプールの先端側と付け根側でラインの偏りが無く、平行にラインを巻くようにする。
一方でダイワ製のリールの場合は注意が必要になり、わかりやすく紹介すると
線で示したように、スプール先端側にラインが若干寄るような形「逆テーパー」形状になるように設定する。
実際はここまで極端にやる必要はないが。
逆テーパーの形になると、ラインが放出されたときに先端側に巻かれたラインがブレーキの役割を果たし、余計なラインが出にくくなるメリットがある。
リールのテーパー調整
いくら高級なリールを使用したとしても、合わせるラインの素材や号数によってはスプールに巻き付けたラインが偏る現象は発生する。
ここでテーパー(ラインの偏り具合)を調整するわけだが、基本的にはスプールを外した時にスプールシャフト軸についているワッシャーの枚数を変えることになる。
調整用のワッシャーは黒や白の薄いプラスチック素材で作られていることが多く、厚みが何種類か存在していることもある。
- スプール先端にラインが寄るようにしたい→ワッシャーの枚数を減らす
- スプールの付け根側にラインが寄るようにしたい→ワッシャーの枚数を増やす
基本的にはこんな感じで、ワッシャーの増減によってスプールの位置を微調整することになる。
エントリー機種の場合は調整用ワッシャーが入っていないこともあるが、この場合はリールの下巻きを手で巻き、下巻きで好みの形状を作って対応する。
適切な糸巻きテンション
リールにラインを巻く時は、しっかりとテンションを掛けてラインを巻き取ることは必須。
特にPEラインはしっかりテンションを掛けないとライン絡みの原因になりやすいから要注意。
今まで器具を使っていなかったという方は、ラインを巻取り・回収するためのグッズの使用を強くおすすめする。
私も普段からラインを巻く時は100%使用しているが、このような器具を使うと圧倒的に楽に・確実なライン巻きが可能になる。
これによってテンションの調整も自由自在になり、無駄なトラブルは防ぐことができる。
一度購入すればかなり使うことができるので、決して高い買い物ではない。
なお、PEラインを巻く時は「爪先でスプールを抑えた時にフカフカしない」くらいのテンションでラインを巻くようにする。
ナイロンやフロロカーボンラインよりも、強めにテンションを掛けるくらいでラインを巻けば問題ない。
ラインローラーの回転性能
ラインローラーの回転性能は主に「ラインのヨレ」に影響を与える。
ヨレたラインは直線状態になりにくく、キャスト時のエアノット(結びコブ)の原因になったりする。
ラインローラーの回転チェック方法としては、ラインにわずかなテンションを掛けてリールに糸を巻いた時、ラインローラーがスムーズに回っているのか確認する。
爪を当ててラインローラーを回す方法だと、多少回転が悪くても見落とす可能性があるから気を付けよう。
異音があったり、回転が重たい時は注油や分解・ベアリングの交換をして対応する必要がある。
ライン絡み・トラブルを抑えるPEラインの選び方
ショアジギングではほぼ100%PEラインが使用される。
PEラインはアイテムによって扱いやすさ・特性に差がある。
ラインの硬さ(ハリ・コシ)
PEラインはナイロンやフロロカーボンラインと比較すると、ヒモのそうな感じで柔らかくて直進性が低い。
これがライントラブルの原因になることもあり、それを防ぐために表面処理が施されている。
分かりやすく言うと、PEラインはしなやかで柔らかいものとパリッとした硬いものに分かれており、
- 柔らかいPEライン:ラインがドバっと出にくいが、ガイド絡みが発生しやすい
- 硬いPEライン:ラインを多く巻くとトラブルになりやすいが、ガイド絡みは起こりにくい
簡単に言うとこのような特性がある。
リール付近でラインが多く出過ぎてラインが絡む(バックラッシュ)を防ぐには、柔らかくてスプールへのなじみが良いPEラインを使うが有効になる。
一方でトップガイドにラインが絡まってしまう方の場合は硬くてパリッとしたラインを使用することで、ラインの直進性を上げてトラブルを回避すると良い。
例えば、比較的しなやかで無難なPEラインの代表格がよつあみのスーパージグマンX8。
一方で若干ハリ・コシが程よく有っておすすめなのが、中級クラスのよつあみアップグレードX8。
私はこれまで各社様々なラインを使い比べてきているが、PEラインは国産を。よくわからなければ「よつあみ製のライン」を選んでおけば失敗することはない。
▼詳しいインプレッションはこちら
よつあみ G-soulスーパージグマンX8 を実釣インプレッション!
よつあみ エックスブレイド アップグレードX8ペンタグラムを徹底インプレ!【ハイバランス型PE】
PEラインはコーティングをして使用!
PEラインは、購入直後はある程度ハリがあって表面も滑らかにできている。
しかし、使用するうちにコーティングが剥がれてラインが劣化していく。
そうなるとハリ・コシがほとんどなくなってしまってライントラブルが発生したり、表面が細かく毛羽立って強度が低下しやすい。
これらの劣化を防ぐために、PEラインを使用する時はコーティング剤を使用して無駄なライントラブル・劣化を防ぐのがかなり重要になる。
このようなフッ素系のラインコート剤を私は普段から使用しているが、すぐに無くなるので量の多いお徳用を買った方が絶対に良い。
PEラインが劣化してきてから使用しても悪くはないが、より効果を発揮させるなら新品の状態から使用した方が絶対にラインが長持ちする。
ロッド選び
使用するロッドによってガイド絡みの有無は大きく影響を受ける。
ガイドの間隔に注目する
ロッドのガイドセッティングは各社様々だが、穂先にラインが絡む原因の1つになるのがガイドの間隔だ。
投げ方の癖や使用するラインの質などによって一概には言えないが、ガイドにラインが絡みやすいという方は「ガイドの間隔が狭いロッド」を使用した方が無駄なトラブルは防ぎやすい印象がある。
また、最近は傾斜が付いていてラインが絡みにくいガイドが一般的だが、安価なエントリーモデルの場合はガイドの形状が影響している場合もある。
投げ方
ガイドにラインが絡む原因としては、簡単に言ってしまえば
- ライン放出にムラがある
- 余計にラインが出すぎている
これらに影響するものが大きい。
ショアジギングではある程度重たいメタルジグを使うが、キャスト時の振り抜き速度にムラがあったり、振り抜きを急加速させるとラインが絡みやすくなることがある。
ライン絡みが気になる時は、若干タラシを長めに確保してゆったりとした動作で投げたり、ライン放出がスムーズに・できる限り一定になるように意識する。
ロッドの使い手の相性
ロッドの穂先周辺にPEラインが絡むのは使い手との相性もある。
人によっては全くライントラブルが発生しないショアジギングロッドでも、他の人が使うとラインが絡んだり・・・・。
これは投げる時の癖とガイドセッティング、ロッドの調子などが影響しており、私も以前自分に合わないロッドを使った時は10投に1回くらいの確率でラインが絡んだ思い出がある。
使用するラインや投げ方を修正しても治らない時は、最終手段としてロッドを変えることも選択肢に入れたい。
ショアジギング実釣時の対策
これ以外にも実釣時にライントラブルを防ぐためのコツはいくつかあるので、覚えておくと役立つものを紹介しておこう。
フェザリングをする
スピニングリールはルアーが着水するまで特に何をしなくても問題なくキャストは可能だ。
しかし、風が強い時やライントラブルの発生を抑えるためには、フェザリングといって指をスプールに当てて余計なラインを出さないようにすると良い。
人によってはリールシートを握った手を使ってスプールを抑える方もいれば、ロッドを持つ手と反対側の手を使って行う方もいる。
慣れてしまえばどちらでも問題なくできるが、私の場合はどちらかとロッドを持つ手の反対側の手を使ってフェザリングすることの方が多いかな。
フェザリングはキャスト中にラインが弛んだ時や、着水が近くなってきた時に着水前の段階で行うと効果的。
しかし、風がかなり強い状況下のショアジギングではキャスト直後から着水までずっと行うこともある。
また、ルアーが失速してきたら強めにブレーキを掛け、半ば強制的に着水させるのもラインテンションを保つためには効果的なテクニックになる。
リールを巻く前のライン状態の確認
横風や向かい風が強い時のショアジギングでは、注意しないとラインが変な状態で巻取りを開始してしまうことがある。
よく見られるのが
こんな風に、スプールエッジ側にラインがはみ出しているまま巻き取ってしまったり、
逆にスプールの付け根側にラインを巻き込んでしまうもの。
このような状態のままリールを回してしまうと、ラインがぴょん吉状態になったり、ラインが絡んでリールが回せなくなったり、次のキャストでバックラッシュしたり・・・・。
これらを防ぐには先ほど紹介したフェザリングを確実に行うほか、ベールを戻した後にリールを巻き始める際に「ラインをつまんでピンと張ってから巻く」癖をつけるのもかなり効果がある。
釣りにくい悪条件下の時こそ、できるだけラインテンションを保ったまま実釣することを意識しよう。
ショアジギングにおけるライン絡み・ライントラブルはこれらの点をチェックして改善していけば、かなりの確率で減らすことができるはずだ。
今まで気にしてなかったことがあれば順番に見直してみてね。
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