こんにちは、まるなか(@marunakafish)です。
さてさて、今回は時々話題になるシマノの22ステラ(インフィニティループ・密巻き)のライントラブルについて、私なりの現状と対策方法について紹介していきます。
22ステラのライントラブルについては、時々質問や相談を受け続けているのが現状ですね。
結論を言ってしまうと、「使い方・釣り方次第では」リールのメリットを削って対策しないとどうしようもないというのが私の意見ですね。
リールの調整などで対応できる部分もあるので、購入検討中の方や、すでに使用中でライントラブルに悩んでいる方は参考にしてもらえたら嬉しく思います。
✔管理人の経験・実績
私の経験・実績としては
- 釣りのために仕事を辞めて移住、現在は魚釣りで生計を立てています
- 渓流釣りやタナゴ釣り~ヒラマサ釣りまで、色んな釣りができます
- 年間釣行数300以上(現在はほぼ365日釣行)
- メーカーからプロスタッフとしての勧誘あり
- メーカーの商品開発時に私のタックルインプレッションを活用
こんな感じでほぼ毎日釣行を重ねて釣りを中心に生活していて、実釣実績も残しています。
釣果実績については釣行記やTwitterを見てもらえれば、ほぼ毎日様々な魚を釣っていることが分かると思います(一番更新頻度が高いのはTwitter)。
シマノ22ステラのライントラブルの現状・原因
インフィニティループ・密巻きによるトラブル増加のリスク
この記事を書いているのは2023年の6月ですが、現状としては22ステラと23ヴァンキッシュの2機種にインフィニティループという機能が搭載されています。
これはリールのオシュレーション(スプール上下運動)のスピードを落とし、スプールに対してラインが密に・角度が浅く巻かれるものになります。
この超密巻き機能が搭載されているリールとそうでないリールを投げ比べてみると、キャスト中のラインの抵抗感が非常に小さくなり、「フワーッ」と飛ばせるのが大きな特徴です。
そのフィーリングの違いは、投げ比べれば分かるくらいの差はあります。
しかし、この密巻き機能が仇となり、ラインが放出される際に一般的なリールよりも「余計に」ラインが出てしまう原因になります。
ラインがクロスして巻かれている状態と比較すると、一気にラインが塊となって出てしまうんですね。
なお、2000年頃のシマノ製リールには上級機種を中心に密巻き機能が搭載されていました。
しかし、当時はダイワ製リールと比較するとライントラブルが多い傾向があり、何年か経つと密巻きは消えたんですね。
その後、時代が進んでAR-Cスプールが搭載されたり、道具の進化でライントラブルのリスクが減ってきた中で密巻きが復活しました。
私は22ステラを3台、23ヴァンキッシュを1台所有して使い込んできましたが、使い方によってはライントラブルをゼロにすることはできませんでした。
私の使い方とライントラブルの関係としては
- 一般的なライトゲームやサーフキャスティング・エギングなど:特にトラブルは無い
- 渓流トラウト・強風下のアジング:ライントラブルが稀に発生する
- 磯のヒラスズキ:風速10m~15m程度の強い向かい風・横風の状況下でミノーをドリフトさせると、ほぼ毎釣行トラブルが発生する
このような状態でした。
糸フケが出ない状態をキープできる釣りに使うのであれば、22ステラや23ヴァンキッシュでもライントラブル増加のリスクは感じていません。
しかし、渓流や過酷な状況下のヒラスズキゲームでルアーをドリフトさせたりすると、こちらがいくら注意して使おうともライントラブルは防げませんでした(メーカー推奨の状態での使用)。
特に酷かったのは磯のヒラスズキゲームで、ヒラスズキゲームはその釣りの特性上、向かい風や横風の中での釣行がメインになります。
私の場合、かなり条件が悪い時は風速15mを超すような、まっすぐ立っているのがやっとくらいの状況での釣行もあります(もちろん安全面には配慮)。
更に、私の場合はリールをグリグリ巻いてルアーを泳がせて釣るのではなく、サラシの中のピンスポットへ風や流れを利用してミノーを流し込む釣り方がメイン。
このような条件・釣り方をするとなると、現実的にラインスラッグを出さずに釣りをするのなんて無理なんですよね。
ヒラスズキゲームをそれなりにやり込んでいる方は、よくわかると思います。
このような使い方をすると、22ステラを使ってしまうと、どう頑張ってもトラブルが発生しました。
22ステラ、向い風10〜15mの中でミノーをドリフトさせると、どう頑張ってもライントラブル出ますね・・・。
— まるなか (@marunakafish) January 10, 2023
そもそもこういう使い方を想定していないリールなのか、自分の使い方が悪いのか😓
ツインパワーかセルテートに変えようかなぁ pic.twitter.com/PMjJCG6Az5
他のリールで同じような使い方をしてもトラブルは皆無
以前22ステラのライントラブルについてTwitterでつぶやいたことがあるんですが、その時は
- リールの基本的な扱い方ができていない(フェザリングやラインコントロールなど)
- ステラでトラブルになる人はどのリールを使ってもトラブルになる。リールのせいではない
このような意見をいくつか頂きました。
しかし、私の場合は現状で1年中ほぼ毎日のように釣りをしている経験や慣れ・それなりの技術などもありますし、そもそも22ステラ以外のリールを使うとトラブル自体起こらないんですね。
実際に磯のヒラスズキゲームに使うメインリールは既に22ステラは止め、ダイワの23ソルティガに変えています。
私が使っているソルティガは
こんな感じで、スプールエッジギリギリまでラインを巻き取って使用。
これまでに風速15mを超すような爆風の状況下でミノーをドリフトさせたりしていますが、ライントラブルやその予兆さえありません。
すでにソルティガを導入して磯へ25釣行以上・ヒラスズキも100本以上釣ったと思いますが、逆にライントラブルを発生させるのが難しいくらいなので、今後も何かの不具合が無い限りトラブルは起きないでしょう。
こんな感じで、22ステラ(インフィニティループ)によるライントラブルのリスクが「使い方によっては」高くなるというのは、間違いないと思います。
他の方々の現状
釣具店の店員さんやそれなりに手練れの方々の知り合いも居るので、22ステラについて色々聞いてみました。
すると、やはり・・・
- いくら注意して使ってもライントラブルが無くならない
- 22ステラを売却し、イグジストやセルテートに買い替えたり、あえて18ステラを買い直した
このような意見がポツポツありましたね。
22ステラが使い物にならず、すぐに売却した方も案外居たようです。
なお、彼らは釣りに関する技術は普通に高く、メディアなどに出ているメーカー関係の方とも全く遜色ないくらいに魚は釣りますし、経験を持っている方達。
22ステラは、使い方によっては人間側の技術不足でなくても、どうしてもトラブルが発生してしまうリールなんでしょうね。
ですので、22ステラなどのインフィニティループ搭載のリールを購入する時は、自分の使い方・釣り方をしっかり考えた上で検討することをおすすめしています。
22ステラ・密巻きリールのライントラブル対策
これまでにライントラブルの相談を受けるので、色々と22ステラの調整をしながらライントラブルの発生リスクの軽減について実験してきました。
なお、
- フェザリングをする
- ラインローラーにラインがしっかり乗った状態で巻取りをする
当然ながら、これらのような基本的なリールの扱いができることは前提になります。
これらができていなければ、ライントラブルが発生してしまうことは使い手側の問題にもなりますからね。
逆テーパー化
一番シンプル・かつ効果的に感じているのが、ワッシャー調整による逆テーパー化になります。
基本的なリールの使い方ができている方で、その釣り方の特性上どうしてもトラブルになってしまうという場合は、逆テーパー化でライントラブルはかなり軽減できると感じています。
実際に私は逆テーパー化して糸フケを出す釣り方を色々試してみましたが、完全にゼロとは言えないものの、トラブルはほとんど起きないレベルまで減らせています。
もともとシマノのAR-Cスプールはダイワのスプールと違い、平行巻きでトラブルが防げるというのが個人的には大きな魅力でした。
しかし、偏りなくスプールにラインが巻きとれる状態から薄いワッシャーを1枚外した位の調整でラインを巻くようにします。
実際に逆テーパー化した状態はこんな感じ。
画像だと分かりにくいですが、赤線が平行な状態。
ワッシャーを1枚減らして逆テーパー化したため、スプール上部にラインが微妙に多く巻かれた状態になっていますね。
こうすることで、ラインが放出されたときにテーパー形状がブレーキになり、ラインが一気に「ドバッ」と出るあの現象はかなり軽減できます。
この対策だけでトラブルが一気になくなるという方もそれなりに居るはずです。
一見すると「こんなちょっとで変わるの?」と思うかもしれませんが、効果は見た目以上にあります。
しかし、この逆テーパー化にはデメリットもあり
- 規定量ちょうどのラインが全て巻き取れなくなる(糸巻き量が減る)
- キャスト後半やラインが減ってくると放出抵抗が一気に大きくなって飛距離が落ちる、フィーリングが悪化する
これらが欠点ですね。
特にシマノのAR-Cスプールはスプールエッジが大きい為、逆テーパー化+ラインが減った状態になってしまうと、インフィニティループ特有の抜けるようなキャストフィーリングが無くなります。
シマノ製リールが好きな方には非常に効果的な対策ですが、私のように特に好きなメーカーなどが無い方には、あえて22ステラを使う意味が薄くなるとも言えます。
この逆テーパー化というのは、2000年前後の密巻き機能搭載のシマノ製リールを快適に使うための定番チューンの1つで、実際に当時の私も使っていました。
20年も経って、また同じようなことをしてやっと気持ちよく使えるようになるというのは、ちょっと複雑な気持ちにもなります。
当時はもっと急角度でテーパーを付けていたので、若干進歩したのかな(笑)
ラインを減らす
テーパーを付けず、平行巻きのままラインを少し減らして使用するというのも、スピニングリールを使う上では効果的な対策になりますね。
しかし、過酷な状況下で糸フケを使う釣りで使用した場合、思った以上に効果は出ませんでした。
確かに、スプールエッジの角度が変わるギリギリまでラインを巻いた状態よりもトラブルの頻度は低下しましたが、テーパーを付けるほどの効果は無く、相変わらず時々ラインがバックラッシュして絡みましたね。
ですので、優先度としては逆テーパー化が1番、それでもダメな時に若干ラインを減らすくらいで良いと思います。
まとめ!
今回はシマノの22ステラをはじめとするインフィニティループ・密巻き機能搭載リールのライントラブルについて紹介しました。
- 糸フケが出ない釣りで使うのであれば、基本的な扱いができているならトラブルのリスクはそれほど高くない
- 特に磯のヒラスズキゲームなど、過酷な状況下、かつラインスラッグを使う釣りの場合はいくら注意してもトラブルは防げなかった(私の場合)
- トラブルを減らすには微妙な逆テーパー化が効果的
- 逆テーパー化はインフィニティループのメリットを減らすことにもなるので、特にリールにこだわりが無ければ他社のリールを使うのも選択肢の1つ
要点をまとめるとこんな感じですね。
私の場合はそこまでして22ステラにこだわりなどは無いので、磯ヒラスズキ用のリールはソルティガに変えてしまいました。
一方でシマノのリール・ステラが好きという方も居ますから、今回の解説を参考にしてもらえたら嬉しく思います。
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