さてさて、今回はメバリングロッドの選び方や考え方について。
チューブラーティップのメバリングロッドを使うメリットや、それに合わせるタックルについて。
ティップ素材が変わると釣りの感覚も変わり、適切に選ばないと釣りの快適性が低下することもあるので要注意。
私自身普段からソリッドティップのロッド・チューブラーティップのロッドの「両方」を使ってメバリングを楽しんでいるので、良かったら参考にどうぞ。
前置きはこれくらいにしておき、早速本題へと話を進めていこう。
チューブラーティップのメバリングロッドの構造的な特徴・メリット
まずはチューブラーティップ搭載のメバリングロッドについて、構造的な特徴について基本となる部分を紹介していこう。
曲げるための負荷・支点が変わる
メバリングロッドには、ソリッドティップとチューブラーティップがある。
両者の違いとしては、
- ソリッドティップ:穂先に中が詰まったムク素材が使用されている
- チューブラーティップ:一般的な中空構造
一般的にソリッドティップのメバリングロッドというのは穂先にしなやかさを出す為、細く削り込まれたムク素材が使われている事が多い。
チューブラーティップのメバリングロッドの場合は穂先まで内部が中空構造になっており、両者は弱い負荷を掛けた時の曲がり方が異なる。
実際に両者を見比べてみよう。
ソリッドティップを搭載したロッドを軽く曲げてみると、こんな感じになる。
チューブラーティップよりも弱い負荷で穂先が曲がるが、かなり先調子になる。
一方、チューブラーティップのロッドの場合はこんな感じ。
穂先を曲げるのに少し余計に力が必要になり、曲がりの支点もバット・ベリー側に寄る(全体的に弧を描く感じ)。
この違いがかなり大きく操作感を分けることになる。
簡単にまとめておくと、
- ソリッドティップ:弱い負荷で曲げることができ、先調子寄りになりやすい
- チューブラーティップ:反発力が強め、胴調子寄りになりやすい
こんな感じかな。
反響感度に優れる
ティップの構造により、感度の感じ方にも違いが生じる。
中空構造をしているチューブラーティップの特徴として、魚のアタリやルアーの波動を手元で「カツン」とか「ブルブル」といった感触で把握しやすい。
チューブラー構造のロッドは魚のアタリやルアーの波動を「衝撃としてとらえる」のが得意になる。
一方でソリッドティップのロッドは魚のアタリやルアーの操作感を「穂先に掛かってくる重さとしてとらえる」のが得意になる。
だから衝撃として感知するのは若干チューブラーティップのメバリングロッドよりも劣るが、穂先の微妙な曲がりの変化やまとわりつくような重さを感じ取りやすい。
「ソリッドティップ・チューブラーティップのメバリングロッドはどちらの方が感度が優れているのか?」
という質問を受けたことが何度かあるが、得意な感度の種類が違うんだよね。
だから明確に優劣は付けられず、最終的には個人個人の好みで分かれてくる。
チューブラーティップのメバリングロッドを使うデメリット
一方、チューブラーティップのメバリングロッドを使うデメリットはどこにあるのか?
引き抵抗が軽いルアーの操作感が分かりにくい
穂先の反発力が高めなチューブラーティップのロッドを使うと、軽いルアーの操作感が分かりにくい。
例えば、軽量なジグヘッドリグやシンキングペンシルなどを使うとなると、ルアーを引いても穂先が殆ど曲がらない。
特にラインに浮力のあるPEラインを使ったり、風が強めに吹いた時は「何をやっているのか分からない状態」になりやすく、状況次第では使いにくい。
ショートバイト・小メバルのアタリを弾きやすい
反発力が高いチューブラーティップのロッドを使った場合、10cm台の小型のメバルなどを狙う時のフッキングに影響が出る場合がある。
メバルのアタリはあるんだけどフッキングできない時や、一瞬フッキングしてすぐにバラしてしまうような時。
こういう時はアタリが出てから少しロッドを送り込むような形で魚の吸い込みを良くしたり、ちょっと工夫すると良いかな。
伸びが少ないPEラインを使っている時は、リーダーの長さを少し長めに確保したり、程よく伸びるリーダーに交換して微調整すると良い。
ある程度メバルが大きければ、そこまで大きく影響が出ることはほとんど無いけどね。
チューブラーティップのロッドがマッチするタックル(ルアー)
チューブラーティップのメバリングロッドが活躍しやすいタックルバランスについて、私なりの考え方を紹介しておこう。
引き抵抗があるプラグなどを使う時
引き抵抗がある程度大きいルアーを小刻みに操作する時、チューブラーティップのロッドはダイレクトな操作感があって使い易い。
特にバイブレーションやメタルジグを細かなロッドアクションで動かすのは、ソリッドティップよりも楽にできるね。
チューブラーティップのメバリングロッドは、どちらかといえばワームよりもプラグ・メタル系ルアーの扱いが得意かな。
一方で穂先が柔らかいソリッドティップのロッドでも使えないことは無いが、ロッドを操作した時に若干のもたれというか、反発の遅さがある。
メバリング以外にもメッキやカマスといった魚をプラグやジグで狙う時、チューブラーティップのロッドは使い易いね!
ジグヘッド+ワームを使う時は
ジグヘッド+ワームをチューブラーティップのロッドで扱いたい時。
私の場合、ワームを使う時はソリッドティップのロッドを使うことの方が多いが、チューブラーティップでもタックルバランス次第でそれなりに快適に使うことは可能。
目安としては、
- PEライン(0.2~0.4号くらい)を使う時:ジグヘッドの重さの目安は1.8g、2g以上
- エステル・フロロカーボンラインを使う時:ジグヘッドの重さは1.2g、1.5g以上
だいたいこんな感じで考えている。
PEラインを使用する場合はラインの浮力により、軽いジグヘッドを使うと「よりフワフワとした感覚」になりやすいので気を付けたい。
だからジグヘッドの重さの目安としては1g台後半~2g程度あった方が快適に扱いやすく、1g前後のジグヘッドを使うと操作感が分かりにくくて扱い難い印象。
PEラインは伸びが少なくて高感度と言われるが、ラインが少しでも弛むと極端に感度が悪くなりやすいから要注意。
一方、比重が高めで伸びが少ないなエステルライン・フロロカーボンラインの場合はもう少し軽めでもイケるかな。
初心者のメバリングロッドはソリッドとチューブラーのどちらが良いか?
これからメバリングに挑戦した初心者の方や、1本のロッドでオールラウンドに使いたい方は「ソリッドとチューブラーのどちら」を選ぶべきか?
ソリッドティップが無難なチョイス
一般的な港湾部を中心としたメバリングに挑戦するのであれば、まずおすすめなのはチューブラーではなく「ソリッドティップ」のメバリングロッド。
メバリングの基本はジグヘッド+ワームになり、港の中などのメバリングではバイブレーションやジグが主力になることは少ない。
実際に私のメバリングでも中心になるのは
- ジグヘッド+ワーム
- シンキングペンシル
- リップ付きのシャロー系ミノー
- トップウォータープラグ
これらのルアーになることが多く、あえて反発力が高いチューブラーティップのロッドを最初に購入する必要はないかと。
まずはソリッドティップのロッドでルアーの操作感などを意識して釣りをやってみて、感覚が磨かれてきたらチューブラーティップのロッドを使えば十分だと考えている。
特に必要が無ければ、そのままソリッドティップのメバリングロッドを使い続ければ全く問題はないしね。
下手に使わなければソリッドティップは折れない
ソリッドティップのロッドは穂先が細く、繊細な作りになっている。
特に普段の釣行で折れることを気にして使うほどでもないが、気を付けたいのは不注意なミスによる折れ。
ソリッドティップのロッドは魚の引きなどで折れることは殆どないが、
- リールの巻きすぎによる仕掛け(ルアー)の穂先への巻き込み
- 魚を抜き上げた時など、竿の立て過ぎ
これらのように、穂先に集中的に変な負荷が掛かる扱い方をしてしまうと、チューブラーティップよりも繊細なソリッドティップの方が簡単に折れてしまう可能性がある。
チューブラーティップのロッドの特徴や使用するメリットについてはこんな感じで、釣りのスタイルや好みによってソリッドティップと選び分けると良い。