こんにちは、まるなか(@marunakafish)です。
さてさて、今回はヒラスズキ講座をやっていきましょう。
今日のテーマは、ヒラスズキをヒットさせてもバラしてしまう時の対策方法や、フッキングのコツを紹介していきます。
時々この手の質問を受ける機会があるので、私なりのちょっとしたテクニックなどを紹介していきます。
ヒラスズキはかなりバラしやすいターゲットであることは間違いなく、正直言ってフックアウトをゼロにすることは不可能ですね。
それでも、ある程度はテクニックやタックルバランスなどでカバーできるので、今回の解説を参考にしてもらえたら嬉しく思います。
✔管理人の経験・実績
私の経験・実績としては
- 釣りのために仕事を辞めて移住、現在は魚釣りで生計を立てています
- 渓流釣りやタナゴ釣り~ヒラマサ釣りまで、色んな釣りができます
- 年間釣行数300以上(現在はほぼ365日釣行)
- メーカーからプロスタッフとしての勧誘あり
- メーカーの商品開発時に私のタックルインプレッションを活用
こんな感じでほぼ毎日釣行を重ねて釣りを中心に生活していて、実釣実績も残しています。
釣果実績については釣行記やTwitterを見てもらえれば、ほぼ毎日様々な魚を釣っていることが分かると思います(一番更新頻度が高いのはTwitter)。
ヒラスズキがバレる原因
まずはバラシの原因について、代表的なものを紹介していきます。
フッキング位置が悪い
バラシの原因の1つめですが、よくあるのがフッキング位置が悪いこと。
- 口先や皮一枚のところでフッキングしていて、ルアー・フックがブラブラしているのが見える
- リアフックだけが掛かっている
このような状況になると、ヒラスズキはバラしやすくなりますね。
これらはルアーの操作方法などである程度調整できるので、慣れてくると良い位置に掛かる可能性が高くなってきます。
こんな感じでフロントフックがガッチリ掛かってしまえば、バラシの可能性は非常に低くなります。
やり取りによる口切れ
ヒラスズキゲームは荒れている状況下で釣りをすることが多く、他の釣りと比較して波の影響を非常に強く受けます。
特にウネリが発生している時の水押しの強さは想像以上で、小型のヒラスズキであっても、波に揉まれるとかなり強い力で引きずられます。
この時の負荷にヒラスズキの口(皮)が耐えきれなくなり、口切れを起こしてフックアウトしますね。
フックが貫通していない
フックが貫通していない状態でのバラシは意外と多く、バラした後にフックを確認した時、フックが伸びているような時はたいていフックはしっかり貫通していません。
特に、大型のヒラスズキは肉が厚くなるため、フトコロが深い・大きめのフックでないと掛かりが中途半端になりやすいです。
フックはしっかりと貫通してしまえば、想像以上に強い負荷を掛けても伸びにくいです。
フックの劣化
ヒラスズキゲームは、サーフのヒラメ釣りなどと並んでフックの損傷が非常に激しい釣りになります。
気付かないうちに針先が甘くなっていたり、微妙に曲がってしまって居ることは非常に良くありますね。
ですので、針先の状態は常にチェックしておく習慣を身に着け、予備のフックも必ず用意しておきます。
なお、針先の硬度はメーカーによって違いがあり、オーナーのようなしなやかなフックは針先が曲がったりしやすいので要注意。
針先の耐久性で言えば、素材が硬いがまかつ製が優秀かな。
バラシを防ぐタックル選び
次はバラシを防ぐタックルバランスについて、紹介していきます。
3フックのルアーを使う
ヒラスズキゲームで主体となるミノーですが、2フックのものと3フックのものがあります。
これは使用感にかなりの影響を与えるので、初心者の方は適当に選ばない方が良いです。
それぞれの特徴としては
- 2フック:大型の強いフックを装備でき、4kgや5kg、それ以上のヒラスズキにも対応しやすい
- 3フック:フックを魚体に絡めるようにフッキングできる。フッキング率・バラシ難さに優れるが、大型がヒットするとフックが伸びやすい
こんな感じですね。
小型のヒラスズキが多い状況下では、大型フックを装備した2フックのミノーだとアタリが出てもフッキングが悪くなることがありますね。
一方、釣れるサイズが大きくなると、3フックのミノーだとやり取りを慎重にしないとフックが簡単に伸びたり・破壊されてバラすリスクが高くなります。
どちらも一長一短なので、2フック・3フックのミノーの両方を用意して状況によって使い分けるようにします。
フックの強度
フックの強度についてですが、一般的なシーバス用のプラグはPEライン1.2号前後のものを基準にしたフックが搭載されているものが目立ちます(オーナーのST4番やがまかつのMHクラス)。
だいたい2kgくらい(50cm台そこそこ)までのヒラスズキであれば、シーバス用プラグに標準装備のフックでも問題ないことが多いです。
しかし、3kgや4kg・それ以上の型のヒラスズキを狙うのであれば、フックはワンランク強いものに交換するのが基本になります。
ですので、磯のヒラスズキゲームで中型以上の個体をしっかり狙うのであれば、オーナー製のフックなら5番。
がまかつ製の場合はHクラスを基準に選びます。
フックサイズはだいたい#4~#2クラスが使いやすく、#5や#6は慎重にやり取りをしないと、いくら太軸のフックといっても変形しやすいですね。
フックの形状
フックの形状も重要になってきて、しっかり貫通せずにフックが伸びてしまうような時は、針先がやや内側を向いたものがおすすめです。
針先がアイの方向を向いているものの方が貫通力が高くてパワーロスが少なく、フッキングを入れた時にしっかりとフックを刺しやすいですからね。
ルアーの比重
ルアーの比重は魚がバイトしてきた時の吸い込みやすさに影響を与えます。
極端に比重が大きいものは、ヒラスズキがバイトしてきた時に口の中に吸い込まれにくくなります。
また、水面付近を狙うトッププラグやシャローランナーの場合は、比重が軽すぎても魚に弾かれやすくなることがあるので要注意。
私の場合、フローティングのプラグを使う時は、フックを太軸にしたり・サイズを上げたり・ボディにウェイトシールを貼って浮力をわざと抑えて使うことも多いです。
高浮力のものは、スローフローティング~サスペンド気味にして使うと潮なじみが良くなり、フッキングが安定することもあります。
ロッド
ヒラスズキゲームにおいてはロッド選びもかなり重要になってきます。
短めのロッドや、全体がパキパキとした高弾性のロッドはヒラスズキの引きを吸収しにくく、バラシの原因になりやすいですね。
特に海が荒れている時は、ロッドの曲がりによる衝撃吸収性能や追従性による差が出やすいので要注意。
ヒラスズキゲームに使用するロッドはだいたい11フィート前後を目安に、穂先~ベリーに掛けてがスムーズに曲がり込む特性のものを選ぶようにします。
ライン(リーダー)
リーダー選びも実は重要で、バラシが目立つという方はフロロカーボンリーダーではなく、初期伸度の高いナイロンリーダーを使うと良いです。
ナイロンリーダーの方が衝撃吸収性に優れているので、魚やタックルには優しくなります。
しかし、比重が軽いのでラインが浮き上がりやすくなり、状況によっては潮なじみの悪さが少し目立つことがあります。
バラシを防ぐテクニック・フッキングのコツ
ルアーを泳がせすぎない
ヒラスズキはタチウオやヒラメのような噛みつき系のバイトではなく、餌を周囲の水ごと吸い込むように捕食するタイプの魚になります。
ここで重要なのが、ルアーを泳がせすぎないことになりますね。
ヒラスズキゲームでは、適当にサラシに向かってルアーをキャストし、ただ巻きで広範囲を探るような釣り方をする方が非常に多い印象を受けます。
しかし、このような巻きの釣りはラインがある程度張った状態が基本になり、魚がバイトしてきた時にラインテンションが邪魔になってフッキングが悪くなることがあります。
また、フッキングしてもリアフックだけが口の中に入ったり、バラしやすいパターンになりやすいんですね。
一方、私の場合はサラシの中の潮の流れを読み、ミノーを流し込んで食わせるような誘い方がメイン。
場合によってはリールを巻くことはせず、潮や風の流れを使ってルアーを泳がせるんですね。
このような誘い方をすると、ヒラスズキがバイトしてきた時に違和感なくルアーが吸い込まれやすくなり、フロントフックが口の横のカンヌキ部分にフックアップする確率が高くなります。
カンヌキ部分にガッチリをフッキングした場合、カエシ付きのフックであれば、たとえテンションを抜いても外れるようなことはほとんどありません。
掛かりの位置が悪くてバラしてしまうような時は、ルアーの操作方法がその時の状況にマッチしていないこともあるわけです。
フッキング後のテンション管理
ヒラスズキがバイトしてきた時、やってしまいがちなのがフッキング後にロッドをタメてしまうこと。
これをやってしまう方は他の釣りでもかなり多い印象ですが、あまりやらない方が良いですね。
実際、フッキング動作だけではフッキングが完成していることはかなり少なく、フックは貫通していない状態のことが非常に多いんですね。
特にヒラスズキゲームでは風や波の影響により、テンションが抜けやすいので注意しないとダメです。
フッキングを入れた後はそのままリールをグリグリ巻き、魚が反転するか、ロッドがしっかり曲がり込むまではテンションを強く掛けていくのがおすすめですね。
障害物が険しいポイントなら、そのままハイテンションでやり取りを。
開けた場所であれば、その後は魚の引きを味わったり、うまくいなしながらキャッチします。
エラ洗いへの対応
マルスズキと違い、ヒラスズキは5kg・6kg(80~90cmクラス)などの大型の個体でもガンガンエラ洗いしてくる個体が多いです。
エラ洗いはフックアウトの可能性がかなり高くなりますが、特にヒラスズキのエラ洗いはパワーが非常に強いので要注意。
エラ洗いをさせないためには、エラ洗いの気配を感じたら若干ラインテンションを緩めて飛ばさないようにしたり、逆にテンションを強く掛け、水面を滑らせるように寄せてくるかの判断になります(ヒラスズキにエラ洗いをさせる間を与えない)。
一番ダメなのは、中途半端にテンションを掛けてエラ洗いされてバラすパターンですね。
なお、テンションを抜いてエラ洗いを防ぐ方法は、フックが確実に貫通していることが重要なので、それ以前のやり取りでしっかりとテンションを掛けている必要があります。
フックが甘く掛かっているだけの状態でテンションを抜いたら、エラ洗い関係なくフックアウトしますからね。
掛かり具合や周囲の状況把握
ヒラスズキゲームは、ヒットさせた魚のランディング率がどうしても低くなる釣りです。
少しでもランディング率をUPさせるには、ルアーをキャストする前に状況を把握しておくところから。
- セットの波の間隔や波の大きさ
- 障害物の位置・険しさ
- 流れの強さ
- ランディング場所の有無
これらをしっかりとイメージしてから実際にルアーをキャストしていかないと、魚を掛けても取り込み不可能になる可能性があります。
また、ヒラスズキがヒットした時は
- フッキングしている位置・掛かり具合
- セットの波が来るタイミング
- ヒットした場所からランディングポイントまでの距離・寄せるのに掛かる時間
これらを把握しながらやり取りをします。
特に厄介なのが、やり取りをしている最中のセットの波ですね。
大きめのうねりにヒラスズキが揉まれてしまうと、バラしたりラインブレイクしやすくなります。
セットの波が沖から近づいてきているのが見えた時は、あえてリールを巻くのを止めて沖でうねりをやり過ごし、波が収まってから少し強めのファイトで一気に寄せ、ランディングに持ち込むことも良くあります。
ランディング寸前でセットの波を受けてしまうのはラインブレイクのリスクも高いですし、場合によっては危険を伴うので注意しないとダメですね。
強めのやり取りでかわせる程度のセットの波・うねりなのか?
それとも、うまくやり過ごさないとかわせないくらいの強さがあるのか?
この判断はかなり重要であり、タックルの破損や事故などにも関わってくる問題です。
まとめ!
今回はヒラスズキのバラシ対策について紹介しました。
要点としては
- 強度重視なら2フック。フッキング重視なら3フックのミノーを使う
- 針先は常にピンピンの状態で
- ヒラスズキに吸い込まれやすい、水に近い比重のルアーを使う
- ルアーを引いて泳がせるのではなく、ヒラスズキの前に流し込めるようになると、フロントフックが良い位置に掛かりやすい
- 衝撃吸収性が高いロッドやラインを使う
- ルアーをキャストする前・ヒット時は状況を確認し、できるだけ波の影響などを受けないようにランディングまで持ち込む
こんな感じですね。
正直言って、かなり大型のヒラスズキがヒットしたり、過酷な状況下ではランディング率を100%にするのは現実的に不可能だと思います。
しかし、ある程度はテクニックや慣れなどでカバーできるものなので、今回の解説を参考にして色々試してもらえたら嬉しく思います。
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