さてさて、今回はトリプルエイトノットの結び方と結び目の強度について!
ちょっと前にトリプルエイトノットの強度を知りたいという質問が有ったので、この機会に実際にその強さを測定してみたぞ。
ルアーではアジングなど、餌釣りではキス釣りやハゼ釣り、磯釣りなど・・・。
トリプルエイトノットは比較的細いラインを使った糸同士の結束に使われることが多い結び方になるんじゃないかな。
今回の実験では、結び方や締め込みの際にちょっと気を付けないと強度低下が目立つ事も判明した。そのあたりも一緒に紹介していこう。
トリプルエイトノットの結び方の手順
まずはトリプルエイトノットはどんな風に結ぶのか?その手順を簡単に紹介していこう。
- 結びたい糸同士を合わせ、輪を作る
- 指を使って3回ひねる
- 輪の中にラインを通し、締め込む
ザックリ言えばこの流れがトリプルエイトノットの結びの手順になる。もう少し詳しく、ちょっとした注意点なども踏まえて見ていく事にしよう。
ラインを重ね、3回ひねりを加えよう
今回はピンク色の糸に対し、黄色い糸をトリプルエイトノットを使って接続してみよう。
まずはこのように2本のラインを重ね、輪を作ろう。この時、2本のラインが酷くよじれていたりするとよろしくない。
次に、ラインが重なっている部分を指でつまみ、もう片方の手を使って3回ひねりを加えていく。
こんな風に3回ひねりを加えればいいんだけど、ここで注意点。
3回ひねった部分が綺麗に収まるよう、程よくテンションを掛けつつ作業するように!
このひねった部分が変に重なり合ってしまったりすると、結び目の強度が低下する(詳しい結果は後程・・・)。なお、輪の部分はこのノットの特性上多少のヨレが発生してしまうと思われる。
接続する糸の本線&接続される糸のヒゲを輪に通す
このような状態になったら、出来た輪の中に「接続する糸の本線+接続される糸のヒゲ」を合わせて通していく。
こんな風にラインを通したら、摩擦が生じないようにラインを湿らせてから締め込んでいこう。
締め込んでいく際もトリプルエイトノットは注意が必要!
それぞれの糸の本線とヒゲ。合わせて4か所をバランスよく、形が崩れないように締め込んでいくように!そうしないと、結び目の1か所に力が集中してしまう形になって強度が低下するぞ。
このような形で締め込みが完了したら、力が加わっても形が変形しないように少し強めの力でキュッキュッと増し締めを行った方が良い。
ノットの結束が完了した時点で結び目が丸っこいダンゴになっていると、ノットの強度が低下している可能性大!ひねりを加えた部分が変な形になっていないか注意しよう。
これでトリプルエイトノットの結びは完了!
トリプルエイトノットの強度を測定!
次に、実際にこのノットを使って強度を測定してみた。今回はフロロカーボンハリス1.2号(シーガーグランドマックスFX)を使用。
まずはノットを作らない直線強度から測定してみた。
今回はパッケージから出したばかりのラインを卸したんだけど、3.1kgという結果に。
先日は購入してから2年くらい経過した同じラインを使ってエイトノットの強度測定を行ったんだけど、その時は3kg弱という結果だった。劣化に強いフロロカーボンハリスであっても、ゆっくりとラインの強度は落ちていくっぽいね。
次に、このライン同士をトリプルエイトノットで結束し、同じように力を掛けて強度を測定。
3回の計測を行った結果
- 約2.3kg
- 約2.4kg
- 約2.45kg
という結果になったぞ。
3回の平均値をとると約2.38kg。結束強度は約77%という数値になった。
これはシンプルなエイトノット(8の字結び)の結束強度よりも優れた数値になっていて、トリプルエイトノットの方が多少手間はかかるが強度の面では優れているらしい。
トリプルエイトノットの強度が落ちる失敗パターンと注意点!
次に、トリプルエイトノットを結ぶ際に注意しておきたい点を紹介。今回の測定では3か所ほど気になる点を発見したぞ。
強度低下が起きるパターンは今回見つけた限りではこんな感じ。
- ひねりを加えた際の形崩れ
- 締め込む際の4か所の締め込みバランスが悪い
- 締め込み不足
どのパターンでも強度の低下が測定されたんだけど、低い値でラインが切れた時のノットの形状に共通点が見られた。
ノットが切れた時の形状を見てみると、こんな風にノットの形が丸い団子状に変形していた。本来のエイトノットはもう少し横長になるのが正解のはず。
このような形になってしまうと明らかに強度が低下し、結束強度は約61%~67%という数値になったから気を付けよう!
下手すると2割くらい結束強度が低下してしまようだね。
結びを作った際、既に形が崩れている1のパターンの場合はイメージがつきやすいかもしれない。
しかし注意が必要なのは2と3のパターンによる強度低下。この場合は見た目的には綺麗にトリプルエイトノットが出来ていても、力を込めていくうちにノットの形が変形していくのだ。
気になる方は、実際に結んでみると良いかもしれない。簡単にノットが切れてしまうという方はノットの形状が変形していないかな?
締め込みはしっかりバランスよく、かつ若干強めに締め込もう!
トリプルエイトノットを組む際、
- 接続される糸の本線
- 接続する糸のヒゲ
- 接続する糸の本線
- 接続される糸のヒゲ
この4か所をバランスよく締め込む必要があるから気を付けよう。ここで締め込みムラがあると、力を込めていったときに先程紹介したような団子状のノットに変形してラインブレイクしてしまう。
また、締め込む際も力が少し強く加わってもノットが変形しないよう、しっかりと締め込みを行いたい。
そうすればこのノットの強度を十分引き出し、ラインが持っている強さをより発揮しやすくなるはず!
トリプルエイトノットの結び方・強度実測まとめ!
トリプルエイトノットの結び方や強度、ノットを組む際の注意点は大体こんな感じかな。
最後に、今回分かったことをまとめておこう。
- トリプルエイトノットの強度は70%中盤~後半程度は引き出せる(フロロカーボンラインの場合)
- ひねりを加えた部分の形状が乱れないように注意!
- 締め込みは均一に、かつ力が加わっても変形しない強さでしっかりと!
それでは、今回はこの辺で。
また明日会いましょう!
[…] ▼トリプルエイトノットの結び方は【トリプルエイトノットの結び方・結束強度測定】を参考にどうぞ。 […]
[…] エステルラインとリーダー:トリプルエイトノット or 3.5ノット […]
[…] トリプルエイトノット […]
[…] また、簡単なノットでも思いのほか安定して強度が出せているので、私のおすすめはクインテットノットやトリプルエイトノットですね。 […]