PEラインの寿命・交換の時期の見分け方とは?劣化の基本パターンを解説!

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PEライン 劣化 交換 寿命

こんにちは、まるなか(@marunakafish)です。
さてさて、今回はPEライン基本について紹介していきましょう。

今日のテーマは「PEラインの寿命・交換のタイミング」について、普段毎日釣りをして生活している私の経験に基いた考え方を紹介します。

PEラインは劣化に強い特性を持っているライン素材ですが、過信してしまうとここぞという場面で高切れを起こしたりする可能性がある。
PEラインの種類やグレードによっても持ちの長さは変わってくるので、この辺りにも触れていきます。

なお、筆者の経験・実績としては

  • 年間釣行数250~300以上
  • 現在は毎日釣りをして生活している
  • 渓流~船釣りまで、ルアー・餌などジャンル問わずに経験あり
  • メーカーからプロスタッフとしての勧誘経験あり

こんな感じで、毎日フィールドに立ち続けてます。
PEラインに関してもお買い得なエントリークラスのものからハイエンドラインまで、メーカー問わずに色んなものを使い比べてきた経験アリ。

釣り初心者の方を中心に、PEラインの扱いについて基本を知る時の参考になったらうれしく思う。

まるなか

PEラインを使っていると厄介なものの1つが、ラインの寿命・交換タイミング。悔しい思いをしないように、基本となる考え方を覚えよう!

PEラインの寿命・劣化に関する基礎知識

まずはPEラインを使用する上で知っておくと役に立つ、寿命や劣化に関する基本的な知識を紹介していこう。

ラインの種類(編み数)による違い

PEラインには種類があり、編み数や素材に違いがある。
まずはPE素材100%ものをざっくりと分類すると、

  • 4本編み:4本の細い原糸からできている。コスパに優れたベーシックなライン
  • 8本編み:8本の細い原糸からできている。表面が滑らかで摩擦が小さい

他にも6本編みや12本編みなどのPEラインも存在するが、基本的には4本編みと8本編みに分けることが出来る。

4本編みと8本編みのPEラインは寿命・劣化の速度やその分かりやすさに違いがあるから要注意。

PEライン 種類 劣化

8本編みのPEラインの方が原糸の1本1本が細く、繊細に作られている。

なので軽く障害物に触れたり、指先の皮がささくれた状態で使用を繰り返しただけでも原糸がダメージを受けやすい。
また、原糸が痛んでいるかを目視で確認するのが難しい傾向があるように思える。

編み数が多いPEラインを使用する時は、目視や手触りだけではラインがダメージを受けているように見えなくても、実はかなり劣化が進んでいることがあるから気を付けよう。

特に1号以下などの細いPEラインを使用する時は更に注意が必要で、細い号数ほど原糸1本1本が細くなり、ちょっとしたラインのダメージなどによって強度低下が予想以上に進むことがある。

まるなか

編み数が多いPEラインはシルキーで使用感に優れているけど、劣化のタイミングを見極めるのが難しくなりやすいよ

ハイブリッドPE(高比重PEラインなど)

PEラインは特に記載が無ければ、PE素材が100%で作られている。
一方でアイテムによっては高比重なPEラインなども存在している。

これらのアイテムはPE素材にポリエステルやフロロカーボン素材などをハイブリッドさせて作られているものが多い。

現在の技術ではPE素材100%のものの方が劣化が起こりにくく、寿命が長いものが多い。
ハイブリッド系のPEラインは使用を開始するとすぐに毛羽立ちが起こったり、突然高切れなどを起こす可能性が高い印象がある。

アーマードFシリーズ

アーマードF

DUELから発売されているPEラインのシリーズに「アーマードF」というものがある。
これらのアイテムは他社のPEラインとは違いがあり、原糸を編み込むのではなく表面にコーティングを施すことでPE原糸を束ねている。

アーマードシリーズはグレードがいくつかあるが、基本的には一般的なPEラインよりも劣化はやや速くなる。

しかし、これらの特徴として「原子が傷になる前のコーティングが劣化した時点でライン表面が毛羽立ち始める」というものがある。
つまり、コーティングにダメージを受けた段階での劣化が分かりやすく、うまく使えば原糸が痛む前の状態でラインを交換することが出来るともいえる。

アーマードシリーズは。一般的なPEラインよりも劣化しやすいが、目視によってラインへのダメージを判断しやすいメリットがあるってわけだ。

PEラインが劣化する流れ

次に、PEラインが徐々に劣化してダメージを受けていく基本となる流れを紹介していこう。

基本的には

  1. ラインの塗料・コーティングが落ちる
  2. ライン自体のコシやハリが無くなってくる
  3. 原糸が劣化する(微妙な触り心地の変化などアリ)
  4. 毛羽立ちなど、劣化が目で見えるようになる

このような流れになる。

傷んだラインをカットしたり、巻き替えるのは早いのに越したことはないが、コストとの兼ね合いを考えると「3」の状態でダメージを受けたラインを取り除くのがベストだろう。
私なりの見極め方については後で紹介します。

1.ラインの色やコーティングが落ちる

PEラインの多くは表面に塗料が塗布されており、滑りや耐摩耗性を確保するためのコーティングが施されている。

そこから使用を開始すると、徐々にPEラインは色落ちが始まり、コーティングがダメージを受けて劣化が始まる。

この段階では、根ズレをしたりしなければPEラインの原糸はコーティングに守られているので、強度的な劣化はそれほど目立たない。
この間は新品に近い強さを維持することができ、寿命まではまだ時間がある。

ライン 色落ち

これは新品状態のPEライン。これを使い込んでいくと・・・・・

ライン 色落ち

安価なものは特に劣化が速く、数時間ほど使用しただけでもこのように色落ちが進み、ライン表面から徐々に劣化が始まる。

2.ラインのコシ・ハリが無くなってくる

PEラインはライントラブルの発生を防ぐため、コシ・ハリを持たせた加工を施してあるものも多い。

アイテムによってラインの硬さには差があるが、使用する中で徐々にラインが柔らかくなってくるのがわかるはずだ。

安いPEラインの場合は数時間程度の使用でフニャフニャになるものもあるし、高耐久なハイグレードなPEラインの場合は、15時間~20時間ほどラインを全くカットせずに使っても、ある程度のコシやハリが残るものもある。

3.原糸が劣化する

ライン表面のコーティングが無くなり、ラインがフニャフニャになったPEラインは徐々に原糸が劣化してくる。

この見極めは難しいところだが、私の感覚で表現すると

  • 表面がカサカサする・潮抜きしても潮が残っているような質感
  • 色落ちとともに、ラインが何となく白っぽくなる

このような状態になるPEラインが多いと感じる。

目視では劣化が分からないものも多いが、一瞬に負荷を掛けてみるとラインが「プツッ」と切れてしまうことが意外と多いから気を付ける。
PEラインは一瞬の衝撃に弱い特性があるので、強度の劣化を知りたい時は弛んだ状態から一気にテンションを掛けて引っ張ってみると良い。

なお、コーティングが剥がれていても原糸へのダメージがほとんどないラインの場合は触り心地がサラサラとしており、カサカサ感とは少し違いがある(慣れてくると何となくわかるようになる)。

4.毛羽立ちが発生

PEライン 毛羽立ち

ここから更に劣化していくと、PEラインを目視した時に細かな毛羽立ちが見えるようになる。
このラインはわざと分かりやすいようにライン表面にダメージを与えてあるが、実際はもう少し分かりにくいことがほとんど。

この状態になってしまうと強度は既に弱くなっているのは間違いなく、ラインは寿命を迎えていることになる。

餌釣りのように必要な負荷に対して明らかに太いPEラインを使っているのであれば、表面に毛羽立ちが見つかった時点でラインをカットしたり、交換するのも良いだろう。

しかし、基本的には毛羽立ちが出た時点でラインをカットするのは既に遅いものだと考えておいた方が良い。

まるなか

時々「毛羽立ちが見つかったらラインをカットする」的な意見を見るけど、その段階では既にPEラインは劣化して弱くなってしまっている。ラインを信頼して使いたいのであれば、毛羽立つ前にカットしたり巻き替えないと意味がないよ!

ラインの価格・グレードと耐久性

PEラインは安いものと高いものの価格差が非常に大きいが、どこが違うのだろうか?
ありとあらゆるアイテムを使い比べてきた、私なりの印象を紹介していこう。

新品時の強度は変わらない

PEライン グレード 違い

PEラインの価格は、劣化していない状態での引張強度にはさほど影響はない。

むしろ安価なPEラインの方が同じ号数でも優れた引張強度を計測することもあり、価格と単純な強さは関係ないと考えている。

なので「安いラインを使っていても大物が釣れた」というのは特に珍しいことではなく、ラインが痛んでいない状況ならば強度的な違いは見られないことがほとんど。

耐久力・信頼性に違い

一方で劣化の早さやラインが擦れた時の残存強度に関しては、PEラインの価格による差が関係することがかなり多い。

安価なPEラインは初期の強度は大差なくても、コーティングの劣化やハリ・コシが失われるのが早いものが目立つ。
高級なPEラインは使用を重ねても初期の使用感が長く継続しやすく、万が一多少ラインが擦れても持ちこたえてくれたり、「ここぞという時の信頼性」にはやはり優れている。

最近は国産のPEラインでも安いものが沢山ラインナップされているけれど、やはり高級なPEラインには敵わない。

ジグマンウルトラX8

私がショア・オフショアの釣り問わず、負荷を掛ける釣りやラインに信頼性を求める時に最も多用しているのがよつあみのジグマンウルトラX8(インプレッションはこちら)。
価格は高級だが、初期の使用感の持続性や擦れに対する強度は安価なPEラインとは明らかに違いがある。

まるなか

PEラインの値段は単純な引張強度ではなく、耐久性・持ちに違いがあるよ!

PEラインの劣化とコーティングスプレー

PEラインを使用する時に「コーティング用のスプレーを使った方が良いのか?」という質問を受けるので、私の考え方や使い方を紹介しておこう。

PEラインスプレーとラインの耐久性

ラインのコーティングスプレーを使用することで、表面のコーティング劣化を防ぎ、原糸の摩擦を軽減する効果が期待できる。

これによってPEラインの劣化を遅らせる効果があると感じているが、コーティングスプレーは釣り用のものや潤滑用のシリコンスプレーなど、種類がある。

シリコンスプレーは安いのがメリットだが、実釣時における効果の持続性に関しては釣り用のフッ素コートスプレーの方が優れている。
私の場合、PEラインには「釣り用のフッ素コートスプレー」を使うようにしている。

新品の状態から使う

PEラインにコーティング用のスプレーを使用する時は、ある程度使用して劣化し始めたPEラインに使うよりも、新品の状態から使うのがポイントだと感じている。

PEライン スプレー 効果

コーティングスプレーはPEラインそのものに使用されている塗料・コーティングが残った状態で使用した方が劣化を遅らせる効果が高い印象だ。
表面のコーティングが劣化してからでも効果が無いことはないが、やはり後付けのスプレーコーティングは落ちるのも早く、原糸をプロテクトする耐久性に劣る。

どうせならPEラインが新しい状態からコーティング剤を使用することで、より劣化を遅くしてラインを長持ちさせることが出来る。

PEラインコーティング剤はケチらず、たっぷり吹きかけることで内部までしっかり浸透させて使うのがコツ。
容量が小さいものはすぐに無くなってしまうので、大きいものを買った方が絶対に使いやすい。

PEラインのカット・交換時期と使用時間

半日~1日の使用でノットは組みなおす

PEラインをカットしたり、交換する時間については一概にいうことはできないが、私の場合は開けた場所での使用でも半日~長くても1日使用したら先端の1ヒロ~3ヒロ前後をカットし、ノットは組みなおすようにしている。

特にノットの周辺はラインが劣化して弱くなりやすいので、特に目立傷などが無くても定期的にノットを結びなおすことが多い。

ラインが全体的に劣化してきた時は

PEラインは、新しい状態では先端付近をチョコチョコとカットしていけば問題なく使用できることがほとんど。

しかし、キャストや仕掛け投入を繰り返していくと、先端から離れた場所も徐々に劣化してくる。

私の感覚的には20時間前後経過すると徐々に先端から離れた場所も弱くなってくるものが多く、30時間~40時間ほど使用すると、使い方によっては変な場所で高切れなどを起こす可能性が高くなると感じている。
この劣化速度は釣り場のシチュエーションや、使用するラインのグレードによっても大きく変わるが。

PEライン コシ ハリ 劣化

最初の方で紹介したように、ラインが全体的にコシが無くなったり、何となく触り心地がカサカサしてきたような時はラインを大目にカットして様子を見てみる。

私の場合、ラインが全体的に劣化している可能性が高そうな時は5m~10mほどラインをカットして様子をみる。
それでも劣化がある程度進んでいるようならまた同じくらいラインをカットしていく。

そして新品の状態に近い所が出てきたら、その場所を先端にしてノットを組んだり、仕掛けを接続して利用する。
もしくは、ラインが多めに巻かれているなら上下をひっくり返して使うのもおすすめ。

ここでラインが足りなくなりそうなら新しく巻き替える。

なお、少しでもPEラインの劣化具合に不安がある時は、ケチらずにどんどんカットする癖をつけた方が良い。
一度でも変な切れ方を味わってしまうと、自分が使っているラインを信頼して使うことが出来なくなり、負荷を掛けたやり取りや仕掛けを力いっぱいキャストすることが不可能になる。

そうなってしまうと釣果にも悪影響が出るので、そんな思いをするくらいなら少し多めにラインをカットした方が絶対に良い。

まるなか

PEラインを触ってみて、「ちょっとツルツル感が無くなってカサカサしているな」と感じた時は要注意!毛羽立ちは見えなくても原糸に細かな傷が入っており、劣化が進んできている合図のことが多い。その時は多めにラインをカットして対応しよう!

劣化が分かりにくいラインを使う時は要注意!

最初の方で紹介したように、PEラインは種類によって劣化が分かりにくいものがある。
また、号数が細いほど原糸も細くなるので、より劣化が発見しにくくなる。

特に1号前後以下のPEラインは劣化が見た目や手触りでも分かりにくいことが多く、特に8本編みの0.2号や0.3号などの極細PEを使う時は注意が必要になる。

PEライン 劣化が分かりにくい

これらのアイテムは一見すると全然傷んでいないように見えても、瞬間的な負荷を掛けると簡単に切れてしまうくらいに劣化が進んでいることがある。
8本編みの細号数のラインを使う時は、毛羽立ちが見つかった時点でのラインカットや交換では明らかに遅すぎる。

なので半日や1日の使用である程度ラインをカットする習慣をつけ、触り心地にツルツル感が無くなってきたら保険の意味も込めてノットを組みなおすようにしよう。

まるなか

PEラインを使う時は、コーティングが剥がれてラインのコシ・ハリが無くなってきたら黄色信号。触った時にカサカサ感が出てきた時は、原糸に細かい傷が入っている可能性が高いよ!

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