さて、今回はセンターバランスのメタルジグの特徴に続き
リアバランス、フロントバランスのジグについて。
リアバランスは後方重心の形状をしたものになり、比較的釣具店でも良く見かけるタイプのアイテムになる。一方でフロントバランスを採用しているものは数こそ少ないが、使い方によってはかなり効果を発揮する種類のメタルジグになる。
この機会にジグの重心について基本を覚え、適切なメタルジグをチョイスできるようにしよう!
リアバランス・フロントバランスのメタルジグ?
メタルジグにはアクションやフォールの姿勢を決める重要な要素である、ウエイトバランス。つまり重心がどの位置にあるのかという事が、かなり重要なチェックポイントになるのだ。
どのアイテムを選ぶのか決める際は適当な見た目で判断するのではなく
「どんな形状だからどんな特性があるのか?」
しっかり考えてルアーセレクトが出来るようになると、釣りの幅が広がるはずだね(*^^*)
まずはリアバランスとフロントバランスのジグ。その見分け方を見ていこう。
リアバランスのメタルジグ
リアバランスのメタルジグは、その名の通り重心がルアーの後方に位置しているもの!
このメタルジグの様に、テールの部分が太くなって厚みが出ているのが外見的な特徴。最近はセンターバランスのジグの方がラインナップは多い傾向があるが、状況によってはリアバランスのジグが必要になる場面も絶対ある!
フロントバランスのメタルジグ
あまりラインナップは多くないが、リア重心とは逆にジグの中心から若干前方に掛けて重心が有るもの。これがフロントバランスと呼ばれるメタルジグ。
ラインナップとしては、スキルジグや激投ジグレベル等があるかな。メタルジグの特性上、フロントバランスのアイテムは使い難いことが有るので出番としては少なめだ。
どちらのアイテムも見分け方の基本はシンプル。
「ジグを選ぶときは、重心がどの位置にあるのか?」
これに注目するのはとても大切だから覚えておこう!
リアバランスとフロントバランス その特徴と使い方
ここからが本題!それぞれ違った特徴を持つメタルジグだが、どのような違いがあるのか?
少し詳しく見ていくことにしよう。
特徴の基本
まずは簡単にそれぞれの特徴をまとめておくぞ。
- 後方重心で飛距離が伸びる!
- フォールスピードは速め
- 滑走距離は短め
- リトリーブでは安定したウォブリングが中心
リアバランスの特徴はこんな感じかな。続いては、ちょっとマイナーなフロントバランスについて。
- 飛距離は安定しにくい
- 滞空時間が長いフォール
- アクションのレスポンスが良く、ジグが良く動く
- テンションを抜くとフックが絡みやすい
それぞれの特徴は簡単にまとめるとこんな感じ!
リアバランスのジグの使い方
まずはリアバランスのジグは、どのような状況下で使うと良いか?
もちろんフィールドの特性や狙う対象魚によっても変わってくるから、一概には言えない。これは「あくまでも基本」として覚えておこう!
飛距離が欲しい場面・強風時
おそらく、ショアからの釣りでリア重心のメタルジグをチョイスするシチュエーションとして最も多いのが
飛距離がとにかくほしい時!
青物等は、基本的に沖合からベイトフィッシュを求めて岸近くに接岸してくる。だから場合によっては飛距離の出ないルアーでは魚の前まで届かないという事もある。
また、強風が吹いている時も同様。センターバランスやフロントバランスのメタルジグは、無風~追い風の条件下では良く飛ぶものも多い。
しかし横風や向かい風になると、ジグの飛行姿勢が乱れてグルグル回ったりしてしまって
全然飛ばねぇ・・・・・。
という事になったり。
リア重心のメタルジグはそういった悪条件にも強く、多少飛行姿勢が乱れても勝手に修正してくれる。
キャスティングに慣れていないという方にも、まずは適当に投げても飛びやすいリアバランスのジグはおすすめだね(*^^*)
素早いフォールと潮抜けの良さを活かす
後方に重心があるメタルジグは、ルアーが着水すると基本的には「尻下がり」の姿勢で沈下していく。
これはセンターバランスやフロントバランスのジグに比べると、フォールスピードが速くなるので魚に対してのアピール力では劣る。
しかし、潮の流れが早い時などはフォールスピードの速いジグの方が使いやすい事も多い。水の抵抗を受けすぎるジグだと抵抗が大きくなりすぎてしまい、使い難かったりするからだね。
場合によっては受ける水圧が強くなりすぎてしまい、ジグがグルグル回ってしまうこともある。
このような時は、リアに重心があるもの使うと潮抜けが良くてアクションも乱れず、快適に釣りができるね(*^^*)
また着底の把握が容易なものも多く、自分のルアーがどの位の位置を泳いでいるのか?といった事も把握しやすくなる。
フォール時のシルエットを小さく、点で見せる
センターバランスやフロントバランスのジグは、ボディを水平方向に向けた
「水平フォール」
で海底に落ちていくものが多い。これによってジグをより大きく見せるとともにスローフォールを可能にし、魚に食わせるタイミングを与えるってわけだ。
しかし、ベイトフィッシュが小さい時や活性が上がりきらないような時。場合によっては、水平フォールよりも尻下がりでのフォール姿勢の方が魚がよく釣れることもある。
素早い沈下と魚が見上げた時の「点」で見える小さなジグのシルエット。これにバイトが集中することもあるからね!
知らない人も結構いるから、覚えておくと役立つかも。
安定した「巻き」のアクションで食わせる
リアバランスのジグを使う時、これはショアからでもオフショアからでも同じだが
ジグをシャクるのではなく、リールを巻いてアクションさせた時。リアバランスのジグは「安定したウォブリング」をするものが多い。
センターバランスのジグなどは、ロールが入ったり不規則なイレギュラーアクションになるものが多いのだ。
もちろんそれが釣れる時もあるが、一定の速度の安定したアクションの方が食うという事も結構ある。
船からのジギングなんかだとこれは結構多い印象。ショアからだとサワラなどを狙う際、下手に動かすと食わないことも多いし。
サワラを狙う時なんかはリア重心のジグの高速ただ巻きが良く効いたりするぞ。
センターバランス的な特性を持ち合わせたジグも存在
リア重心のメタルジグの泣き所である
食わせの「間」の短さ。
これを解消する為、最近発売されるアイテムの中には
フォール直後は水平姿勢を保ち、しばらくすると尻下がりでフォールするというものも出てきている。
これはゼスタのランウェイターボというジグですが、一昔前に多かった
ずんぐりしていてフォールが早いリア重心のメタルジグではなく、エッジがシャープで切れのいいアクションと食わせの「間」を出すことを可能にしている。
それでいてリアバランス特有の飛距離の良さは健在。ジグをシャクると、水平姿勢を保ってしばらくフォール。その後尻下がりになって落ちていくといった感じ。
これならリアバランスでありながらもスローな誘いにも対応でき、回遊魚のみならず根魚やヒラメなどにも対応できるってわけだね(*^^*)
結構使いやすいジグなので、個人的にはかなりおすすめかな!
フロントバランスのメタルジグの使い方
続いてはジグの頭に近い位置に重心が有る、フロントバランスのメタルジグについて。
ジグにレスポンス良くアクションを与えたい時
ルアーの前方に重心があるフロントバランスのメタルジグの最大の特徴は
ロッドやリールのアクションに対するレスポンス、反応の良さ!
少しのアクションを与えただけでもジグの頭の向きが変わり、水中でルアーの存在を強くアピールすることができる。
このフロントバランスのジグは、カツオなどの視力が良くてルアーを見切ってくることが多いターゲットを狙う時などに出番が多いかな。
また、低活性でスイッチが入っていない状態の青物や底物を狙う際にも効果的になることが有る。
滞空時間が長く、バイトの「間」を与えやすい
レスポンス良く動く特徴とリンクして部分もあるが、このフロント重心のタイプは
ルアーにアクションを与え、滑走状態に入ってからフォールに入るまでの「間」が誰にでも作りやすい特性がある。
ショアジギングでもオフショアのジギングでも、魚が最もバイトしてくることが多いのは
ジグにアクションを与えてからフォールに入るまで!
これはジグが弱ったベイトフィッシュを演出するからともいわれるが、リア重心のものは対照的ですぐにフォール姿勢になるものもあるね。
アクションを与えた際、ロッドからジグの重さが消えた時。ここでジグは水中で滑走状態に入り、バイトチャンスを作っている。
注意:ラインテンションを抜きすぎない
フロントバランスのメタルジグを扱う場合、ジグがフォールする際にラインテンションを抜きすぎない方が良い。
フロント重心のジグは水中で良く動くものが多い。ラインテンションを緩めすぎると、フックがリーダーを拾いやすくなってしまうからだ。
多少テンションを掛けても水平に近い姿勢でフォールするのがフロントバランスの特徴でもあるから、フックがラインを拾いやすいと感じた時はラインに少しテンションを掛けて釣りをするように工夫してみよう。
今回はこの辺で。
それでは、また明日会いましょう!