こんにちは、まるなか(@marunakafish)です。
さてさて、今回は恒例となっているショアジギング講座をやっていきましょう。
今回のテーマは「ショアジギングで飛距離を伸ばす・飛ばないを克服するための基本とコツ」について。
ショアジギングの飛距離に関する質問は時々来るんだけど、普段私が実釣時に意識している事を解説。
ルアーの飛びというのは筋力的なものに左右される部分はどうしてもあるけど、基本さえキッチリ覚えておけば「周囲よりもメタルジグが明らかに飛ばない」ということは無くなるはず。
むしろ力よりも重要なのは、タックルが持っている能力をしっかり引き出すこと。
使用しているタックルの性能を引き出し、可能な限りストレスなくロングキャストするためのコツを知るための参考になったらうれしい。
※今回は飛距離を伸ばすためのテクニックについて紹介していくが、飛距離が伸びやすいメタルジグの解説記事が「飛距離が欲しい場面におすすめなメタルジグを紹介」にあるのでよろしければ参考にどうぞ。
ショアジギングで目安となる平均飛距離とは?
まずはショアジギングで目安にしたい平均飛距離について、簡単に紹介しておこう。
30gのメタルジグで100m前後
ショアジギングは狙うターゲットの大きさだったり、釣場のシチュエーションによってメタルジグの重さは変わってくる。
当然ジグは重たい方が飛距離を伸ばすのに有利に働くことが多くなるが、使用するタックルバランスによって平均飛距離は変わってくる。
ショアジギングで一般的となるライトショアジギング~ショアジギングではだいたい30gや40g以上のアイテムが使われる機会が多い。
この場合、1つの目安としては100m前後の飛距離を目標に遠投ができるようになってほしい。
釣りに慣れている方ならもっと飛距離は伸ばせるが、例えば30gのメタルジグを使って70mなどの飛距離では少し物足りない。
実際に私が30gのジグを8割程度の力でキャストすると、だいたい90m後半~110mほどの飛距離になることが多い(ジグの形状や釣り場のコンディションによって当然変化する)。
飛距離を伸ばすロッドセレクト
まずはショアジギングにおける飛距離を伸ばすためのタックル選びから紹介していくが、ロッドの解説から順に進めていこう。
ロッドの長さ
ロッドの長さは飛距離に大きく影響を与える。
当然長い方が遠心力が強く働き、メタルジグをリリースした時の初速が速くなるメリットがある。
しかし、ロッドが長くなりすぎるとスイングスピードが遅くなり、必要以上に長いロッドは逆に飛距離低下の原因になることがある。
飛距離をある程度重要視する時のロッドの長さの例としては、
- スーパーライトショアジギング:9フィート超~9フィート後半
- ライトショアジギング:10フィート中盤~11フィートクラス
- ショアジギング:10フィート~10フィート後半
私の場合はこれくらいのロッドの長さを目安に、タックルセレクトを行っている。
注意点としては、重たいジグを使うショアジギングの場合は下手にロングロッドを使ってしまうとタックルの重量によって扱いが難しくなりやすい。
なのでヘビータックルの場合は長すぎないロッドを選ぶのも1つの手段になり、だいたい30g~40g前後のジグを扱うライトショアジギングの方が長めのロッドの使い勝手は良い。
ロッドの硬さ・パワー
ロッドの硬さ・パワーというものもショアジギングでは飛距離に大きく影響する。
簡単に紹介すると、
- 柔らかいロッド:弱い力でも安定して飛ばしやすい。一方で重たいジグや、スイングスピードが速い方には不向き
- 高反発なロッド:重たいジグや、スイングスピードを上げた時に飛距離が良く伸びる。ただしロッドを曲げ込めない方には使いにくい
こんな感じで、ロッドは柔らかすぎても・硬すぎても使いにくい。
重要なのは使用するメタルジグの重量に対し、ロッドの反発力にある程度の余裕があるものを選ぶこと。
例えば、40gのメタルジグを遠投したいならばMAX40gのロッドでは少し反発力が足りない。
この場合は50g程度までが適合ウェイトのロッドを選ぶことで、ロッドが持っている反発力をしっかり活かしたキャスティングが可能になる。
ロッドのグレード・価格
ロッドの価格はピンからキリまであり、価格によって使用感はかなり異なる。
高級なロッドほど「軽量でパリッとした張りが強い」傾向があり、安価なロッドは重たくてベニャベニャしがちだ。
当然高価なものの方が同じ適合ウェイトのものであっても振り抜きが良く、シャープなキャスティングが楽にできる。
なので楽に飛距離を伸ばしたいのであれば、あまりにも安すぎるロッドはおすすめしない。
特に風が強い時など、悪条件下のショアジギングではロッドの価格差による使いやすさに大きな違いが生じやすいと感じる。
ショアジギング用ロッドを購入するのであれば、私としては実売価格で1万円台中盤~後半以上のものを選んでほしいかなぁ。
リールの番手選び
リールの番手(スプールの径)は飛距離にかなり大きく影響を与える。
程よく大きいリールを選ぶ
ショアジギングでは100m以上ラインが放出されることもある。
小さいリールを選んでしまうと、ラインが放出されていった時にスプール径が極端に小さくなりやすい。
そうなるとラインがパラパラっと出ていくときにスプールエッジ(リールの糸が巻かれたヘリの部分)にラインが強く当たってしまって飛距離が落ちる。
だから小さいよりは、ある程度大きいリールを選ぶのがおすすめだ(大きすぎても良くないが)。
番手の目安
実際に私が使用する番手の目安について、簡単に紹介しておこう。
私の場合は
- スーパーライトショアジギング:シマノ3000番・ダイワLT3000番
- ライトショアジギング:シマノ4000番~C5000番・ダイワLT4000C~5000C
- ショアジギング:シマノ5000番~・ダイワ3500番~(メインはシマノ6000番~ダイワ4000番~)
こんな感じで選んでいる(ダイワはLT規格とLT以外で同じ数字であっても大きさが異なるので要注意)。
飛距離が伸びやすいラインセレクト
ショアジギングではメインラインにPEラインが使用される。
PEラインはいくつか種類があり、アイテムによってスムーズさが違うので飛距離も変化する。
8本編み以上のPEラインを選ぶ
PEラインは大きく分けると、4本編み・8本編み・12本編みなどが主流になる。
編み数によってライン表面のツルツル具合に影響を与え、本数が多いものの方がスムーズで飛距離は伸びやすい。
ただし編み数が増えるほどに原糸1本あたりが細くなり、使用していく中での毛羽立ちが速くなるなど劣化に対して繊細になる。
私の場合、ショアジギングで使用しているラインは今のところ全て8本編みになり、ラインのスムーズさと強度・耐久性などのバランスは一番優れていると感じる。
今まで安価な4本編みのPEラインを使っていたという方は、8本編みのPEラインを使ってみると良い。
PEラインの価格と飛距離の関係
PEラインは最近価格破壊が進んできており、以前は高級だった8本編み以上のラインも安く買える。
価格の差についてだが、新品状態の時は安価なものでも表面はツルッとしているものが多い。
しかし、使用していく中での耐久性は価格による差があり、やはり高級なラインほど「ツルッ・サラッ」とした質感が長く続いてよく飛ぶ。
安価なPEラインは比較的早い時期にライン表面がカサカサになったり、細かく毛羽立ちやすい。
この辺りは予算に応じたPEラインセレクトをしよう。
初心者~中級者の方で、どれを選んだらいいのか分からない方におすすめなのがスーパージグマンX8。
オーソドックスな8本編みだが、スムーズさ・強度・耐久性のバランスが良くて誰にでも使いやすい。
一方でこだわり派の方におすすめなのがコレ。
ジグマンウルトラX8はハイエンドライン。
非常に細くて絶妙なコシがあり・飛距離や耐久力はトップクラスに優れている。
コストを考えないのであれば、私だったらジグマンウルトラX8を使う。
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遠投に有利なメタルジグ選び
メタルジグによっても飛び具合は異なってくる。
遠投性を確保する時の選び方のポイントについて、紹介しておこう。
重さはロッドの上限ウェイトに対して余裕を持たせる
最初の方でも触れたが、ロッドのパワーに合わせた重さ選びが非常に重要になる。
なのでロッドに表記されている上限ウェイトのジグを選ぶのではなく、多少余裕がある重さを選ぶようにしよう。
そうしないとロッドがジグの重さで曲がりすぎてしまい、気持ちよく振り抜くことができなくなって飛距離が落ちる。
センターバランス・リアバランスのジグを選ぶ
メタルジグには重心バランスというものがあり、
- センターバランス:飛びとフォールアクションのバランスが良い
- フロントバランス:飛距離よりもジャーク・フォール時のアクション重視
- リアバランス:飛距離に優れ、ただ巻きすると大きく動く
簡単に紹介するとこのような特性を持つ。
メタルジグに飛距離を強く求めるならリアバランスのメタルジグがおすすめだが、フォールアクションなどのバランスを取るならセンターバランスも捨てがたい。
なので実際のショアジギングではセンターバランスのジグを中心に、風が強い時や飛距離に特化したいシチュエーションの為にリアバランスのジグも少し用意しておく。
最近は若干リアバランス寄りの設計になっているセンターバランスのアクションと、リアバランスの飛距離をうまく組み合わせたようなアイテムも存在しているぞ。
フロントバランスのジグはショアジギング初心者というより、ジグを自在に操作して使いたい中級者以上の方におすすめだ。
メタルジグの素材(鉛・タングステン・亜鉛)
メタルジグは一般的には鉛素材のアイテムが多い。
しかし一部にはタングステン素材や亜鉛素材が使われているものもある。
素材ごとの特徴を紹介すると、
- 鉛:一般的な素材でオーソドックス
- タングステン:鉛よりも高比重だが高価
- 亜鉛:比重が軽い
こんな感じで、飛距離を求めるなら鉛素材かタングステン素材のジグを選ぶようにする。
タングステン素材の方が高比重な為コンパクトに設計することができるが、最大飛距離に関しては鉛製ジグの方が優れているものもあると感じる。
しかし、風が吹いた時の安定した飛距離についてはタングステン素材の方が優れており、悪条件下では非常に使い勝手が良いので使い分けも有効になるね。
フックセッティング
フックセッティングは飛距離に影響しないと考えている方も多いが、実際にはフックの空気抵抗で飛びに影響を与える。
使用するフックの種類によっては5%前後飛距離が変化することもあり、侮ってはいけない。
フックはシンプル・シングルフック使う
最近のメタルジグは初心者向けのアイテムを中心に、フロントにアシストフック・リアにトリプルフックが装着されているものも結構多い。
実はこのフックセッティングだと飛距離低下が発生しやすく、特にトリプルフックは空気抵抗が大きい。
なので特に青物を狙う時など、トリプルフックが邪魔になる場合はアシストフックオンリーで使用すると飛距離は明らかに伸びる。
トリプルフックよりはシングルフックの方が空気抵抗が小さいので、フックの種類を変えるだけでも効果はある。
ショアジギングで飛距離を求めるならフロントにシングルのアシストフックがベストだが、無理ならダブルのアシストフックを使用するなど、フックの数や使用するフックの種類に気を使ってみよう。
特にキャスト時のリリース直後に飛行姿勢がブレやすいという方は、フックの抵抗を減らすことによって飛行姿勢が安定することも良くある。
またティンセルや魚皮つきのフックも抵抗になりやすいので、飛びを重視するなら余計なパーツが付いていないものを使用する。
飛距離を伸ばすキャスティングのコツ
最後に、実際にメタルジグをキャストする時の遠投のコツについて簡単にポイントを紹介しておこう。
タラシの長さ
ルアーをキャストする時はタラシをある程度取るが、ある程度タラシが長い方が遠心力を使うことができてロッドを楽に曲げることができる。
ただし長くなりすぎるとキャストするタイミングや力の入れ方がシビアになるので、やたらとタラシを長くするのはNGだ。
私の場合はロッドのバットガイド(ラインを通すリングの一番根本側)付近までタラシを取ってキャストするようにしている。
個人的にはこれくらいの長さが短すぎず長すぎずで、キャストが楽に・スムーズできる。
慣れていない方はもう少し短めのタラシからジグをキャストしてみて、練習を積む中で少しずつ長めに挑戦してみると良い。
注意:ペンデュラムキャストは下手にやらない方が良い
タラシをある程度確保してルアーを投げる時、キャスティング方法の1つにペンデュラムキャストというものがある。
これはルアーを後方に振り子のように振ってからキャストする方法だが、下手にやるとルアーの飛行姿勢が乱れて逆に飛距離が落ちる原因になる。
なのでキャスティングが苦手な方は、
- タラシを取ったら静かにロッドを振りかぶる
- 後方をチェックしつつ、ルアーが体の後ろ側で静止したことを確認する
- オーバーヘッドキャストでジグをキャストする
こんな感じで、一旦振りかぶったジグの動きが止まってからキャスティング動作に入るようにする。
その方がジグがブレる可能性が減り、飛行姿勢が綺麗に決まりやすいだろう。
その後慣れてきたらペンデュラムキャストに挑戦すれば良いが、人によってはペンデュラムキャストをしない方がスムーズに投げられるという方もいる。
特に若干サイド気味に投げたりする癖のある方は、ペンデュラムキャストによってルアーが回転しやすくなる可能性があるからね。
引き手を意識しよう
ロッドを持つ利き手のスイングスピードは当然飛距離に大きく影響するが、もう片方の手もかなり重要。
ルアーをキャストする時は、利き手と反対側の手はグリップエンド付近を持つことになる(ダブルハンドでキャストする場合)。
この時、ロッドを振り抜くと同時に利き手と反対側の手を胸に強く引き付けることにより、振り抜くスピードを向上させることができる。
ついつい利き手の筋力にだけ頼っていたという方は、もう片方の手もうまく使うように意識してキャスティングしてみよう。
まるなか
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