こんにちは、まるなか(@marunakafish)です。
さてさて、今回はチニング講座をやっていきましょう。
今日のテーマは時々質問を受けることがある「ズル引き」のやり方について、私なりの基本となる考え方を紹介します。
最近はロッドアクションを与える釣り方も人気になってきていますが、なんだかんだでズル引きの方がチヌの反応が安定していることも多いですね。
特にルアーに反応が悪い・動くものを嫌う性格のチヌを狙う時は、ズル引きが一番頼りになったりしますからね。
今回の解説を参考に、今後釣行する時の参考にしてもらえたら嬉しく思います。
✔管理人の経験・実績
なお、私の経験やチニングにおける実績としては
- 年間釣行数250~300以上
- 3月の初の四国・九州遠征にて60cmオーバーをはじめ、クロダイ・キビレを多数キャッチ
- 地元静岡中部のチニングで2か月間以上ボウズ無し(釣行回数40回以上)
- メーカーからプロスタッフとしての勧誘あり
- 釣具店、メーカーにて私のタックルインプレッションや釣り方の掲載・利用
こんな感じで、基本的に毎日釣りをして生活している人間です。
ズル引きチニングにおける基礎知識
まずはズル引きでチヌを狙う時に知っておくと役立つ基本的な知識を紹介しておきます。
- 巻きスピード:ハンドル1回転に1~5秒くらいまでを使い分ける
- 適した底質:砂泥底~多少根があるくらいの場所に適している
- 投げる方向:食わない時は流れの上流側に投げる
- 合わせの駆け引き:即合わせは絶対にしない。粘る時は30秒くらいかけることもある
私の場合、ズル引きのチニングではこのような点をベースに考えています。
最初は中々難しいこともあるかもしれませんが、何匹かチヌが釣れれば自分の型ができてくると思います。
ズル引きの速度・スピード
基本となる考え方
狙うチヌの性格や時間によっても変わりますが、私がハイギアのスピニングリールを使ってズル引きをする時は、ハンドル1回転を速い時で1秒くらい、遅い時で4秒~5秒くらい掛けてかなりジックリ探るようにしています。
よくわからない時は、2秒で一回転くらいを基準に考えておけばいいかと思います。
速めのズル引きを使う時
基本的な使い分けですが、
- デイゲームのリアクションバイト狙い
- 小魚系のベイトフィッシュが逃げている様子が見える
- キビレ狙い
- バイブレーションなどでチヌが釣れている
このような時は、どちらかといえばズル引きスピードは速めにすることが多いですね。
私の地元のチヌはルアーで釣るのが難しい個体が多く、速めのアクションで探る機会は少なめなのが現状です。
スローなズル引きを使う時
一方で
- デイゲームでルアーを怖がる・警戒心が高いチヌを狙う
- チヌがカニや貝などを食っている
- クロダイ狙い
このような時は、どちらかといえばジックリ・巻き速度を落としたスローなズル引きをよく使います。
動くものを嫌うチヌやスレている個体は、ルアーに対する違和感だけでなく、水中のラインの光の反射や糸の擦れる音で逃げるんですよね。
こういう時は超デッドスローのズル引きを使ったり、ルアーをほとんど動かさないようにして探ることも多いです。
後はクロダイとキビレを狙う時でも違いがあり、キビレの方が割とアグレッシブな性格なので、クロダイ狙いよりも早めの誘いでテンポよく釣っていくことが多いです。
ズル引きに適した底質
砂泥底~多少の根回り向き
ズル引きの良さはチヌに警戒されにくくてルアーが自然な波動を出すことにありますが、障害物が沢山ある場所には向いていませんね。
ズルズル引いた時に引っ掛かりがあまりない場所で使いやすく、オープンエリア~多少コツコツとした感触があるものの、ワームが引っ掛かりすぎない場所での使用に適しています。
根回りを攻める時
ズル引きするとガツガツ引っ掛かってしまうような場所を探る時は、
- ボトムバンプ
- リフトフォール
- 中層スイミング
これらを使った方が攻めやすいですね。
軽くワームが障害物に引っ掛かる程度であれば、外す動作がチヌへの誘いになることもあります。
しかし。あまりに引っ掛かってしまうと釣りにくいですし、ロッドを煽った時の糸鳴りやラインの光の反射でチヌが嫌がって逃げることもありますからね。
特に流れが効いている状況下でズル引きをすると、ワーム・ラインが流されて根掛かりが増えやすいので要注意です。
キャストする方向
時々質問を受けるのが、潮や河川の流れに対してどうやってワームを投げるのかという事ですね。
上流側に向かって投げる場合
上流側にルアーをキャストすることで、流れを利用してワームを必要以上に動かさず、ナチュラルに誘いやすくなります。
上流側に投げるメリットとしては、
- 底取りが容易
- ラインが引っ張られない
- ボトムをナチュラルに転がせる
このようなものがあります。
特に水深が深い場所や流れが速い場所を攻める時は、上流側にキャストした方が釣りやすくなりますね。
下流側に向かって投げる場合
一方で下流側に向かってルアーをキャストする場合ですが、
- ルアーの存在感をチヌにしっかりアピールしたい
- フォール中にチヌのバイトが集中する
このような時は、下流側に向かってワームを投げたりします。
下流側に向かってワームをキャストすると、1点で止めておくだけでもワームが流れによってある程度アクションしてくれたり、波動をしっかり出せるメリットがありますね。
また、ズル引き以外にリフトフォールで誘う時にルアーが持ち上がりやすく、フォールの滞空時間を長めに稼げるのもメリットです。
状況によっては、ワームがフォールする最中にチヌのバイトが集中することもありますからね。
まるなか
アタリと合わせ
ズル引きでアタリが出た時の合わせのタイミングや駆け引きについて、私なりの基本的な考え方を紹介しておきます。
アタリが出る前のアクションを続ける
ワームを使ったチニングでは合わせのタイミングがかなり難しかったりしますが、基本的にはアタリが出る前の誘い方を続けるのがチヌに違和感を与えにくく、追い食いを誘いやすいです。
ですので、ズル引きをしていてアタリが出たからといってワームを止めたりすると、チヌが食うのをやめてしまうことが良くあります。
チヌの口にワームがしっかり入ってから合わせを入れる
チヌの活性が高い時は引っ手繰るようなアタリでワームを一気に飲み込んでしまうこともあります。
しかし、多くの場合は
- チヌがワームに興味を持つ
- ワームの1部に噛みつく
- 何度か噛みついたり吐き出したりをする
- しっかりワームを咥え込む
こんな感じのパターンになることが多いです。
チヌがワームに噛みついたり吐き出したりを繰り返している時は、石にルアーが当ったような「ガツガツ」という硬い感触が使わってくることが多いです。
このタイミングで合わせを入れてもワームが齧られるだけで、なかなかフッキングに持ち込めなかったりします。
この時はジックリ合わせを入れるタイミングまで我慢してワームを操作し続け、穂先に「ズズズッ」という重さが入った時点でしっかり・強めに合わせを入れます。
状況によってはアタリが出始めてから30秒やそれ以上の駆け引きがあることもあり、長い駆け引きの後でフッキングに持ち込めた時はメチャクチャ気持ちが良いですね!
まるなか
ズル引きとステイ
ひたすらズル引きを入れる必要はない
以前はチヌはワームを動かし続けた方が良く釣れるなどと言われることもありましたが、実際にやってみると、ズル引きとステイを組みわせても全く問題はありません。
私の場合は着水からピックアップまでワームを動かし続けるという事はほとんどなく、ステイを入れることがほとんどです。
目安としては、だいたいリールのハンドルを1回転~3回転くらいにつきステイを混ぜることが多いですね。
ステイの長さ・カウント
ステイの時間ですが、これは状況によってかなり違いがあります。
基本的には2~3カウントほどを確保することが多いですが、「ここはチヌが絶対いるだろうな」というようなピンスポットを通す時は、10カウントほどのロングステイを使ったりします。
四国への釣りの旅でキャッチした3.4kg、62~63cmほどの巨チヌ。
ロングステイでジックリ誘って食わせました。
警戒心が高いチヌほどステイが重要になったりしますね。
リアクションバイト狙い
見えているチヌで実験をしたんですが、チヌはワームに興味を持ってもバイトせず、ワームの後方でジッとワームを見ていることがあるんですよね。
こういう時はステイで一旦ワームを海底に隠し、その後の動き出してチヌの捕食スイッチが入って急に食ってくるという光景も見ています。
ですので、ステイを入れることでひたすらのズル引きでは食い切らないチヌに対し、バイトチャンスを与えることも可能だと考えています。
このようなリアクションバイトを狙う時や、遊泳力のある小魚系のベイトフィッシュを追っている時は、単なるステイとズル引きを繰り返すだけではなく、
- ズル引き
- 一旦ステイ
- 速めのズル引きや中層巻き上げ
このように、ステイからの速度を上げた誘いでチヌが「ガツン」と食ってくることもあり、釣れない時の1手として使ってみるのもおすすめですよ!
まるなか
ズル引きに適したロッド選び
穂先の種類
ズル引きに使うロッド選びですが、ソリッドとチューブラーティップに分かれます。
どちらにもメリット・デメリットがありますが、私の場合はソリッドティップのロッドを好んで使用しています。
ソリッドティップのロッドの方がしなやかで穂先を曲げ込んで使うことができ、
- 穂先にワームの重さを感じ取りやすい
- ワームがボトムに当たった時に弾きにくい
- チヌがワームを食った時に程よい食い込み・遊びがある
このような点にメリットを感じています。
最後は好みになりますが、個人的にはソリッドティップのロッドの方が好きですね!
ロッドの反発力・調子
ひたすらズル引きとステイを繰り返すだけであれば、ロッドの調子は全体的にしなやかなものでも問題ありません。
しかし、最近はロッドアクションと組み合わせて使うことも多いので、バット~ベリーに掛けてはしなやかすぎず、ある程度の反発力があるもの方が使いやすいと思います。
また、チヌの口にワームフックを確実に貫通させるためにも、シャキッとしているロッドの方がパワーロスが少ないですからね。
このようにカンヌキにフックをしっかり貫通させることができれば、多少やりとりが雑になってもフックアウトすることはありません。
使用するロッドの種類としては、ボトムゲーム用のチニングロッドや硬めのメバリング・アジングロッドがおすすめですが、短めのエギングロッドなども流用可能です。
できれば7フィート台中盤~後半くらいまでの長さに抑えておいた方が軽くて使いやすく、繊細さにも優れていますね。
正直って高級なタックルを使用しても釣れる魚の数は大差なく、私自身普段ハイエンドタックルも使用しますが、チニングでは1万円台のロッドやリールをメインに使っているくらいです。
予算に応じて選べばチヌは十分釣れるはずですよ!
▼チニングロッドの選び方や、チニング以外に使える汎用性のあるロッドの詳しい解説については【チニングロッドの選び方・汎用性のあるおすすめアイテム徹底解説】を参考にどうぞ。
その他覚えておくと役立つ知識
ボトムバンプやリフトフォールとの組み合わせ
シンプルなズル引きに対し、最近はロッドアクションを与えてワームを積極的に動かす方法も人気があります。
これらは明確に使い分ける必要は全くなく、1キャスト内で組み合わせて使うのも非常に効果的です。
実際に私もステイの前後でズル引きとロッドアクションによる誘いを組み合わせて使うことがかなり多く、アクションを変化させたときにチヌのバイトが集中することも良くありますからね!
ミスバイト・フッキングミスした時
ズル引きのチニングはチヌに対して違和感を与えにくく、アタリがあってもミスしてしまった時のカバーのしやすさもメリットの1つです。
合わせを入れられなかったり、合わせを入れた時に針先がチヌに当たらず、綺麗にすっぽ抜けた時はすぐに同じ場所に投げ返すことで再び食わせられる可能性もかなり高いですね。
特に夜のナイトゲームの場合は、フッキングミスしても再び食い直してくることが多いように感じています。
チヌは単独行動の場合もありますが、数匹でスクールを作っていることも多く、違和感さえ与えなければ複数回のチャンスがあることも多いですよ!
ラインの存在を消す
スレたチヌはラインが落ちてきただけで一気に警戒モードに入ることもあります。
このような時はズル引きが効果を発揮しやすいですが、水中のラインをコントロールするのも釣果をかなり左右します。
根掛かりが少ない場所であれば、高比重なフロロカーボンリーダーがしっかり沈むまで待ち、その後ワームを動かすのもおすすめなテクニックです。
チヌに限らず、魚は自分の目線よりも下にラインが入ると、ラインの存在感を察知するのが難しくなるのか、ラインを怖がらなくなることが多いです。
ラインを海底に這わせることで釣り糸の存在感を消し、警戒心が高いチヌにワームをバイトさせることが可能になります。
ズル引きはラインが浮き上がりにくい特性があるので、ラインを見て嫌がる個体を探る時にかなり相性が良い誘い方ですね!
まるなか
▼アクションのパターンや組み合わせのコツについて詳しく知りたい方は【チニングのアクションの基本パターンと使い分け解説】を参考にどうぞ。
まとめ!
今回はチニングにおけるズル引きに関する基本的な考え方を紹介しました。
ズル引きは最もシンプルですが、慣れてくると潮や川の流れを利用したドリフト的な使い方ができるようになったり、経験を積むと非常に強い武器になります。
シンプルなアクションこそスレたチヌを狙う時にも使いやすく、食い渋った状況下で力を発揮してくれますからね。
今回の解説を参考に、自分なりのスタイルを作り上げる時の役に立ててもらえたら嬉しく思います。
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