こんにちは、まるなか(@marunakafish)です。
さてさて、今回はヒラメロッドを紹介していきましょう。
シマノのヒラメロッド、21ネッサXRのS104Mの使用感を詳しくインプレッションしていきます。
シマノのネッサシリーズは元祖ヒラメロッドで、シーバスロッド・オールラウンド系ロッドよりもバットパワーを強化、やや先調子寄りの設計になっているのが特徴ですね。
今回は各社色んなグレードのタックルを使い比べながら毎日釣りをしている私の経験を基に、公平な視点で特性を紹介します。
タックルインプレッションについては、
- 全て実費を払って購入する
- 公平な視点で使用感の良し悪しをチェック
- 触っただけ、投げただけではなく実際に魚を釣り上げる
これらを全てクリアすることにこだわって作成しています。
※今回は「S104M」の使用感について詳しく紹介します。
ネッサXRの番手選びについての考え方・目安についての解説は【ネッサXRの特徴・番手選びの目安解説】を参考にどうぞ。
✔管理人の経験・実績
なお、私の釣りの経験・主な実績としては
- 年間釣行数250~300以上。基本的に毎日フィールドに立ち続けています
- ヒラメ・マゴチを月間100枚以上・半年で300枚以上(全てショアからの釣果)
- カンパチ狙いのショアジギングで2か月弱ボウズ無し
- プロスタッフとしてメーカーから勧誘経験あり
- 釣具店・メーカーにて私のタックルインプレや釣り方解説の利用あり
こんな感じで基本的に毎日実釣を繰り返している釣り好きです。
困った時や知りたいことがある時の役に立ったら幸いです。
シマノ21ネッサXRの特徴・チェックポイント!
まずはネッサXRに関し、私なりのチェックポイントを紹介しておきます。
カーボンモノコックグリップ採用
モデルチェンジ前のネッサCi4+では一般的なセパレートグリップを採用していましたが、XRになってカーボン製のグリップに変わりました。
上位機種においてはグリップが折れるなどの不具合が生じていましたが、そのあたりがどうなっているのかは気になるところですが、使用感としては上々ですね(当然対策などはされていると思いますが)。
使用を開始してロッドに伝わる情報がワンランククリアになっているのがすぐにわかり、振り抜き感なども良好です。
スパイラルXコア
旧モデルのネッサCi4+ではスパイラルXを採用していましたが、XRにはスパラルX「コア」という技術に変わっています。
私自身スパイラルXコアを採用しているロッドも使っていますが、私なりの印象としては、
- 負荷が掛かってない時はピンとしていて全くブレが無い
- 負荷を掛けると思いのほかスムーズに曲がり込む
- ピンとしているが、曲げ込んでも折れるような弱さ・脆さを感じない
このような印象がありますね。
簡単に言ってしまえば、無駄にブレないけどしっかり曲がり、それでいて折れにくいというような特性のロッドが作りやすいように感じています。
同じくスパイラルXコアを搭載しているロッドにルナミスがあります。
90Lというライトなモデルでメーター弱のシイラなどもキャッチしていますが、特にロッドが折れたりする怖さはありません。
経験さえ積んで道具の扱いを覚えれば、割を苦労せずに大型魚もキャッチ可能です。
今回購入したネッサXRも、ピンとしたブレない・反発力がしっかりあるブランクスですが、スムーズに曲がり込む特性のロッドになっていますね!
まるなか
ガイドはステンレスフレームにダウングレード
ブランクス周りは進化しているネッサXRですが、ガイドについてはトップ~バットまでガンメタカラーのステンレスフレームSiC-Sガイドになっています。
モデルチェンジ前はティップ部はチタンフレームだったので、ここは残念ながらグレードダウンしていますね。
おそらく、価格を上げない為にこうなったんだと思います。
しかし、実際に使ってみると使用感は思いのほか良好で、ガイド素材のグレード変更によるデメリットよりも進化したブランクスによるメリットの方が大きい印象です。
ネッサXRを「サクッと」インプレッション!
ネッサXRの使用感を詳しく解説していく前に、私なりの印象を簡単にまとめておきましょう。
- 飛距離・トラブルレス性:スパッとブレないブランクスで良好。振り抜き感も軽い
- 重量感:ステンレスガイドに変更になっているが、バランスが良いので重さは気にならない
- 感度・反発力:カリッとしたドライな感触でハッキリ伝わる。優秀!
- パワー:ベリーを中心に「スッ」と曲がるが、バットでガッツリタメが効くロッド。ヒラメ・マゴチには十分
- 適合ルアー:20g~30g程度のルアーがメインの方には104Mで十分。40gのジグも使うことはできる
- シチュエーション:ヒラメロッドとしてはオールラウンド~ややライトな位置づけ。その他ライトショアジギングにも使うことは可能
簡単にインプレッションするとこんな感じですね。
主に30gクラスまでのルアーを使ったヒラメゲームがメインの方で、35g・40gクラスのルアーはあまり使わないのであれば、ドンピシャで使いやすい印象ですね。
飛距離
軽快な振り抜き感
ネッサXRはバットが太くて一見すると重たいような感じがするかもしれません。
しかし、実際にルアーをキャストしてみるとそんなことは無く、見た目の割にロッドの振り抜きは軽快ですね。
スパッと気持ちよくルアーをキャストすることができます。
ガイド素材がステンレスフレームになってしまいましたが、チタンフレーム搭載の似たような価格帯のロッドと比較しても、振り抜き感で明確に劣るような感じはしません。
投げ心地に関しては思った以上に良く、いい方向に裏切られました。
「ガツッ」とバットが止まるキャストフィーリング
ネッサシリーズはもともとバットの反発力が強めな印象がありましたが、ネッサXRもバットは強めになっています。
ロッドを曲げていくと、ベリーから先は思った以上に素直に曲がり込むんですが、そこから負荷を掛けてルアーを押し出そうとすると、バットの反発力が割と強く・ハッキリ出てくる印象です。
正直言ってこのフィーリングは好みが分かれそうな感じで、ジワジワと反発力が出てくるロッドが好き方には、少し違和感があるかもしれませんね。
ある程度負荷を掛けたところで、一気に反発してくるような感触があります。
個人的にはもっとロッド全体が高反発なガチンコロッドでも使えますが、万人受けするところでバランスを取っている印象ですね。
ネッサXRのライバル機種にダイワのオーバーゼアAIRがあります。
オーバーゼアAIRの方が使用感としてはややマイルドで、ネッサの方が個性的で攻めた使用感に感じます。
21gのジグヘッドで60m後半の飛距離
バットの反発力がしっかり確保されているので、このバットパワーを使えばかなり飛距離は伸びる印象ですね。
ブレなくスパッと振り抜けるので、飛距離は十分伸びます。
実際に私がキャストしてみると、20gクラスのジグヘッド+ワームで60m台中盤~後半くらい、風速2m~3mくらいの弱い向かい風程度であれば60mほどの飛距離はキープしていますね。
30gクラスのメタルジグなら、安定して105m前後は飛ばせています(ラインのマーキングにて測定。いずれも7割~8割くらいの力でキャスト)。
ルアーの飛ばしやすさ・キャストフィーリングについては、下位グレードのロッドとは明らかに違いがあります。
まるなか
感度・反発力
ドライな感触で情報がはっきり伝わる
ネッサXRの感度ですが、これも使用を開始してすぐに良さが分かりました。
一般的な汎用高強度樹脂素材のリールシート+通常のグリップを採用したロッドと比較すると、その違いは明らかですね。
ネッサXRは「スパイラルXコア」+「Ci4+素材リールシート」+「カーボンモノコックグリップ」により、ルアーの操作感や着底感・魚のバイトを察知する点においてダイレクトな感度があります。
ロッドに伝わる情報がドライな感じで、曇りが無くてはっきり分かりますね。
横風が強いラフなコンディション下での釣りであっても、ルアーに触ったのが「フグなのか・イワシなのか・本命なのか?」といった違いも楽に分かります。
風・波があるラフコンディション下で小型の魚がアタッてきても、しっかり分かります。
この情報量によって、今まで釣れなかった魚が釣れるようになるとは思いませんが、分かりやすく手元に情報が伝わるのはメリットですね。
強風下でのフォール中の微妙なバイトでも手元に違和感として感じ取り、自分でしっかり掛けていく釣りができますね。
独特な調子・テーパー
ネッサXRの調子テーパーですが、太いバットから分かるように、シーバスロッド・オールラウンド系ロッドと比較すると先調子寄りの設計になっています。
しかし、単なる先調子のロッドとは少し違っていて、
- ティップ:先端付近はやや硬めで張りがある
- ベリー~ティップ:ややしなやか
- バット:強い
私が使用した感触ではこのような印象があります。
穂先の部分が思ったよりも反発力が高くなっていて、軽く負荷を掛けた時に一般的なロッドよりも曲がりの支点がバット側に寄りますね。
穂先を曲げるとこんな感じで、反発力が高いので大きく曲がります。
この穂先側が曲がりにくいテーパーは思いのほか使用感が良く、ロッドにしっかりと重さを乗せてルアーを操作することができ、それでいてロッドが入りすぎないので操作感にキレが出ます。
穂先側が入りすぎてしまうと、強風下や深場狙い・抵抗が強いルアーを操作する時の操作性が悪くなるんですよね。
ネッサXR104Mで抵抗が少ないピンテールワームのジグヘッドリグなども使っていますが、操作感も良好で使い勝手は良いですね!
シャキッとしていてブレないブランクス
負荷を掛けるとスムーズにベリー~ティップが曲がり込みますが、無駄なブレやビヨンビヨンしたような感触はなく、シャキッとしています。
ハイエンドロッドと比較するとピーキーな感じは無く、パリパリ感は強すぎない使用感になっていますね。
ここは新たに採用されたスパイラルXコアの特徴が出ているように思います。
まるなか
ロッドのパワー
小型魚でもしっかり曲がる
私が購入したのはS104Mなので、熱砂シリーズの中ではややライトなモデルになっています。
実際に魚を掛けてみると、思った以上にベリーを中心にロッドが曲がって仕事をしてくれますね。
40cm台前半ほどの小型のマゴチや30cm中盤のサバなど、小型の魚を掛けてもロッドはしっかり曲がってくれます。
ガチンコの反発力で正面から魚の引きを受け止めるというわけではなく、負荷に応じてスムーズにロッドが曲がって魚の引きを上手に吸収してくれます。
ですので多少強引なやり取りをしても口切れなどが起こりにくいですし、魚との駆け引きがしっかり楽しめます。
バットパワーはしっかり強い
バットにある程度負荷が入るまではスムーズに曲がっていきますが、バットに負荷が入ると反発力がしっかり出てきますね。
テトラ際で良型マゴチとドラグを締めたやり取りなどもしましたが、ヒラメ・マゴチ程度ならロッドが負けるような印象はありません。
ただしロッドのレングスが10.4フィートなので、魚のコントロール性についてはロングロッドよりもやや劣る感じはします。
もともとシマノ製のロッドは曲がってからの粘り・折れにくさにおいてはかなり優れているので、一般的なサーフのヒラメ・マゴチ釣りにおいては十分な強さはあるでしょう。
3kg程度の青物であっても、バットの反発力を利用したやり取りでしっかりキャッチできていますね!
まるなか
適合ルアーなど
30g程度までのルアーを扱うオールラウンダー
私が購入したネッサXRS104Mですが、使用するルアーが30gまでが大半という方にはちょうど使いきりやすい使用感になっていますね。
私の場合、サーフのヒラメ釣りで使うのは21gまでのジグヘッドや30gクラスのメタルジグ・シンキングペンシルなどがメインで、現状では35g~40gクラスのルアーはほとんど使わないんですよね。
だいたい10g台後半~30g程度までのルアーをメインに考えている方におすすめです。
引き抵抗が軽いシンキングペンシルやワームの操作も快適にでき、高感度なブランクス特性と相まって着底や引き抵抗をしっかり感じ取れます。
40gクラスのメタルジグも使える
30g以上のルアーが使えないかというとそういうわけでは全くなく、バットの反発力が強いので40gのメタルジグでもフルキャストは可能です。
しかし、ベリーがやや弱めなので、40gクラスのジグを使うには反発力がやや弱く、30g超のルアーの使用頻度が高い方にはもうワンランク強いモデルの方がおすすめですね。
サーフのようなフルキャストしても水深が数メートル程度の場所だったり、ただ巻きや軽めのロッドアクションがメインであれば、40gクラスのメタルジグまでは対応できるロッドになっています。
適したシチュエーション・ターゲットなど
オールラウンド~ややライトなサーフヒラメゲーム
ヒラメ・マゴチゲームをメインに考えられているネッサXRのS104Mですが、ヒラメロッドとしてはオールラウンドに使えますが、どちらかというとややライトで軽快な使用感を重視したロッドという印象です。
10フィート4インチという長さはかなり絶妙で、10フィート台後半のロッドと比較すると、実釣時の快適性が明らかに上ですね。
穂先の重さを感じにくく、快適に使用することが可能です。
それでいて短すぎることも無く、10フィートクラスのロッドよりも微妙に長く、使い勝手のバランスが良いですね。
しかし、険しいテトラ帯や駆け上がりの斜面がキツイ場所で強引なやり取りをするとなると、10.4フィートのロッドだと若干短めです。
私の地元の静岡のサーフは浜とテトラ帯が交互に広がっていますが、テトラのギリギリを攻めるのであれば、10フィート台後半のロッドの方がやり取りが楽ですね(使えないことは無い)。
状況によってはやや短めですが、短すぎないところでバランスされており、快適な使用感を確保するのはちょうどいい長さかと思います。
合わせるタックルとしては、
- リール:シマノ・ダイワ4000番
- ライン:PEライン1号~1.2号
このようなタックルバランスがちょうど使いやすいと感じます。
適合ラインはPE2号までになっていますが、1.5号以上だとラインが強すぎる印象があります。
なお、ロッド自体はシャキッとしていますが硬すぎず、比較的楽にバットまで曲げて使いきれるパワーになっています。
硬くてガチンコ系なロッドが苦手な方にも使いやすくなっています。
青物・回遊魚狙いのライトショアジギング
青物狙いのライトショアジギングに流用することも可能ですが、青物を狙うには少し柔らかめですね。
青物用のロッドよりもモチッとした感触が少なく、バットに入ると急に反発力が出る感触があるので、あくまでも「サブ・流用可能」として考えた方が良いかと。
40gクラスのジグをジャカジャカ操作するにはベリーが柔らかめなので、主に巻きや軽めのワンピッチジャークが主体になりますね。
まとめ!
今回はシマノの21ネッサXR S104Mのインプレッションをしました。
特徴をまとめておくと、
- 高感度なブランクス
- 振り抜き感は軽く、飛距離も安定して飛ぶ
- 独特な先調子寄りの設計
- 小型魚でもしっかり曲がるが、バットは強い
- 30gクラスのルアーまでがメインの方にピッタリな使用感
こんな感じでしょうか。
その中でも高感度な使用感が私としては際立つ感じで、手元に伝わる情報量の明確さが際立ちました。
中級者・上級者の方が使うロッドとしては十分な性能があり、シャキッとした使用感のロッドが好きな方におすすめですね!
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