さて、今回はヒラメ釣りにおける濁りの影響と考え方について。基本となる部分を少し掘り下げて紹介していこうかと思う。
一般的にはヒラメ釣りは濁りに弱く、澄潮でないと釣れない・・・・。
と言われることも多いんじゃないかな。
確かにこれは間違っていないけど、半分正解でこれに当てはまらないという場面もある。
だから今まで海に濁りが広がったからと言って、単純に諦めるのはまだ早い!
状況次第では濁りが広がっていても普通にヒラメはキャッチできることもあるから、その質をしっかりと見極めていくことが大切ってこと!
この機会にヒラメ釣りと濁りについて、少し理解を深めてみよう。
ヒラメ釣りと濁り。押さえておきたいポイント!
まずはどのような点に注目して考えていくのがベストなのか?
今までヒラメ釣りを行ってきた中で感じていることを少しまとめておくぞ。
- 濁りの程度:多少の濁りは良い影響になることもある
- 濁りの原因:雨やうねり、プランクトンなどによって影響力は変化する
- 濁り始めたのはいつなのか?
押さえておきたい要点としては、こんなところかな。
ヒラメと濁りによる活性の変化
まず、ヒラメが濁りをどのくらい気にするのかどうか?
ヒラメ釣りにおける兄弟的なターゲットとしてマゴチが存在するが、ヒラメの方がマゴチよりも濁りを嫌う傾向がある。
マゴチは比較的濁りを好むことも多く、水の濁ったポイントへ積極的に入っていって餌を食うことも良くあるからね。
これは覚えておいて損は無いと思う。
笹濁りは魚の活性を上げる要素になる
濁りの程度にもよるが、若干透明度がある笹濁りの場合はヒラメにとってプラスに作用することも多い。
濁ってはいるんだけど、そこまでキツイ濁りではないような状況の場合。特に日中の明るい時間帯でもヒラメが釣れる確率が高くなるような傾向があると感じる。
逆に朝夕のマズメは潮が澄んでいる状態の方が分かりやすい時合いが到来することが多く、狙って釣果を上げやすいかな。
多少の濁りが入ると、エビや小型のイワシなどの動きが活発になることがあるから、これにヒラメも影響を受けているのかもしれない。
泥濁りの場合は
笹濁りよりもキツイ濁りが入り、透明度が殆ど無いような泥濁りになってしまうとヒラメ釣りは正直言ってしんどい。
全く釣れないというわけでもないんだけど、餌を追い掛けて捕食してくるようなバイトはほとんどなくなり、ヒラメの目の前にルアーや餌が落ちてきたときに居食いしてくるような感じになる。
だからルアーでヒラメを狙うのであれば、ルアーを引っ張って釣るというよりは細かくルアーをボトムから持ち上げ、フォールでヒラメの真上に落とし込むようなアクションになって来るかな。
ただし、濁りが発生したタイミング次第ではチャンスになる場合もある。あとでこの辺りは紹介するぞ。
濁りの原因でヒラメの活性は変わる
次に注目したいのが、濁りの発生原因は何なのか?ということ。これによってもヒラメの活性はかなり左右されるからね!
サーフや港湾部に濁りが発生する原因としては、大体このようなものがある。
- 河川からの濁り水の流入
- うねりによる底荒れ
- プランクトンの大量発生・死骸によるもの
よく見かける濁りの原因はこんな感じだけど、ヒラメ釣りにとって特によろしくないのは
うねりによる底荒れ&プランクトン系の濁りになってくる。
これらの濁りは程度が軽くても意外と大きくヒラメの食いを左右することがあるから覚えておこう。
河川からの濁り水の流入
雨の影響などにより、濁り水が入ってきて釣り場に濁りが広がっているパターン。
この場合はヒラメの活性は比較的落ちにくく、状況次第では好都合になることもある。
増水などによる濁りが生じている場合、濁りの広がっているエリアが表層~中層付近に限られている場合も多く、ヒラメが潜んでいるボトム周辺は比較的クリアな状況になっているパターンがある。
河川からの塩分濃度の薄い水は、海水よりも比重が軽くて水面付近を覆いやすくなるからね。
こういう時は濁りの入っている表層付近にベイトフィッシュが浮くこともあるから、悪い状況ばかりというわけでもない。
ただし水深の浅いサーフなどの場合、多少河川からの濁りが入っただけでボトム付近にまで濁りが広がってしまう状況になりやすい。港湾部の方がこのような状況下では釣果を上げやすい事も多いかな。
うねりによる底荒れ
これは結構厄介な濁りで、前線や台風などの影響によって波周期が長くなってきてうねりが発生してきた場合。
この場合は河川からの濁りの発生とは違い、
ボトムを中心に濁りが発生してしまうことと、濁りの原因となる粒子がデカい。
これがヒラメの活性を下げる原因になると考えている。うねりによって底荒れを起こしてしまうと、ヒラメのみならずキスなどもかなり釣れにくくなることが多くてうねりの影響が出にくい水深の深い場所などに落ちていってしまう傾向がある。
魚がエラに濁りの粒子が入るのを嫌がるとかって聞いたことがあるけど、詳しい事はよくわからない。
ウネリが強く出ていて濁りが発生していると、ヒラメの活性はかなり落ちる傾向がある。こういった状況の時は、少しでも水深のあるポイントをメインに探った方が得策。
プランクトン系の濁り
最後に紹介するのが、プランクトンの大量発生などによって濁りが生じるパターン。
雨が降ったり波が高い日が過去に有った記憶は無いのに海が緑色や赤茶色っぽく濁っていたり、泡が発生していたり。
このような濁りはウネリと同じく、ヒラメ釣りにはかなりマイナスの要素になることが多い。
特に水温が上昇してくる春の時期に発生することが多く、この濁りが広がると魚がパッタリ釣れなくなったりすることも・・・・。
酷くなってくると焦げ茶色のような海水になったりするし、異臭が漂ってくる場合もあるね(-_-;)
今まで釣りをしてきた感覚としては、うねりによる濁りの発生よりも悪影響を与える力は強く、個人的には釣りをする気を無くすパターンかな。
濁りはさほど酷くなくても、波打ち際などの泡がずっと残っているような状態が目立つ際は水質の悪化が起きている場合がある。このような時も、状況次第では早目の見切りが重要になってくる。
濁りがヒラメの活性を上げるパターン
河川からの弱い濁りが入った場合、状況次第ではヒラメの活性を上げることに少し触れた。それ以外にも濁りが魚に取って良い方向に作用することもあるから、少し紹介しておく。
荒れ始め、濁りが発生の初期
澄んでいた海水が天候の変化などによって濁り始めたような時。
特に多いのは風が急に吹き出したりして波打ち際から濁りが発生したり、河川の上流部でまとまった降雨があったような場合。
このような時は、濁り初めのタイミングはヒラメの活性が上昇することが結構あり、釣果に恵まれることが良くある。かなりきつい濁りが出てきて明確に潮目が形成されているような時でも、濁りと澄んだ潮の境目なんかでヒラメの反応が拾えることがあるぞ。
ただし、濁りが出だして時間が経過してくると食いが悪くなってくることもある。状況が変化したタイミングは、魚の捕食スイッチが入るタイミングになることもあるってわけだね。
漁船などによる濁り
港湾部では、船が出入りしたりする際に一時的に海水が濁ったりする場合がある。このような濁りは魚の活性を上げる要素になるから要チェック!
底付近に潜んでいるエビなどのベイトフィッシュが巻きあがられたり、新鮮な水と入れ替わるから魚の活性が上がると言われることが多い。ヒラメのみならず、バス釣りなんかでもこのパターンは有名。
観光船の発着するタイミングにワームをボトムに放置して置き、水が撹拌されたときにバスのバイトが出る・・・・。なんてことも良くある。
静岡なんかだと、シラス船がサーフの岸近くで網入れをする光景が風物詩。シラス船の船団がやってくると、ヒラメが釣れなくなると思って釣りを止めてしまうアングラーも多い。
実際はこの網からこぼれたシラスを狙ってヒラメやマゴチ、シロギスの活性が上がったりしている。だからシラスの船が通過した後であっても、狙ってみると普通にヒラメやマゴチは釣果が出るぞ。
以前ヒラメやマゴチを釣ったら、シラスを大量に吐き出す個体を実際に確認している。
漁船の通過は、ヒラメ釣りにとってはいい影響を与えることも多いと覚えておこう。
濁りが出た際のカラーセレクト
サーフや港湾部のヒラメ釣りで濁りが出た際にはどんな色のルアーを使ったらいいのか?
これは好みによる差もあるが、私の場合は水中でのコントラストがハッキリ出るカラー。
これを意識して釣りをすることが多いかな。
ブラック・パープル系
ブラックやパープルといったカラーのルアーは、水中に潜むヒラメからはシルエットが黒く・ハッキリと出るものになる。
ブラック系のルアーは澄潮でももちろんよく釣れるんだけど、濁った時には釣れるな気がする(メンタル大事!)から、特に出番は多くなるかな。
朝夕のマズメや夜間の釣りにもブラック系の色は効果があり、実はオールラウンドに使えるオススメカラー。
グロー系
ブラック系のカラーとともに多用することが多いのが夜光、いわゆる蓄光するカラーだ。
市販されているルアーの場合は正直言ってグロー塗料のグレードが低くて全然光らないもの多いが、他のカラーで食って来ない時の1手として使ってみると良い。
濁り+光量が少ない状況下では頼りになるカラーだね!
個人的にはこの2つのカラーが2トップだけど、他にはホットピンク系なんかも好み。ただし、ヒラメ釣りではカラーセレクトはそこまで重要ではないことが多いから、色よりも誘い方などのほうが重要かな!
グロー系のルアーを自作するなら、ゼスタのウルトラグローシールがおすすめ。上の画像のように、かなり強力に・長時間発光するからお気に入り!
濁りが広がっている時のアクション、誘い方
澄潮でヒラメの視界が開けている時と違い、ヒラメがルアーを発見するのが困難になる。
だから重要になってくるのは
- ルアーを引っ張るレンジ
- 目の前にしっかりルアーを落とし込むこと
この2点かな。
レンジは低く、上げすぎない事
ヒラメは意外と遊泳力があり、餌を積極的に追いかける状況では水面にライズしたりすることもある。
ただしある程度濁りが広がっている時は低めのレンジを意識し、ボトムに張り付いたヒラメにルアーの存在を認知させるように意識してみる。
私の場合、濁っている時はボトムから30~50cm以内。この位のレンジを意識して釣りをすることが多いかな。潮が澄んでいる時はボトムから1m程上げた所でも普通にバイトしてくるけど、濁っている時のルアーは低いレンジを通すことを意識してみよう。
目の前にフォールさせて食わせる
濁った時や水温が低くて低活性時に効くのがフォール。
ボトムに張り付いているヒラメの目の前にルアーをフォールさせると、着底するかしないかのタイミングで微妙なバイトが拾えることがある。
このアタリ方はガツンと来たりするようなものではなく、ボトムにいるヒラメが全く動かずに居食いしてくる感じ。「モゾッ」と微妙な変化が出る時や、次のワンアクションで微妙な魚の重さを感じることが多い。
低活性のヒラメは横方向に全くルアーを追わないこともあるから、「濁りが広がっている時は小刻みにルアーをボトムまで落とす。」
これを意識して釣りをすると、ワンチャンスをものにすることが出来る場面も意外とあるぞ。
ルアーを動かすのはハンドル2~3回転程にして、その都度底を細かく取り直したりするのが個人的には実績あり。
ヒラメ釣りにおける濁りの影響まとめ!
サーフなどでヒラメ釣りを楽しむ際、濁りが発生している際のチェックポイントは大体こんな感じかな!
濁りがあるからといって釣れないと決めつけず、その原因や程度などに注目して見てみるとまだ釣果を上げるチャンスが残っているというパターンは結構多い。
後は活性が落ちて餌を積極的に追い掛けないヒラメをどうやって狙うのか?
これを意識して釣りをしてみると、厳しい状況下でも1匹を引っ張り出すことが出来る場合もあるからね。
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おおむね自分の考えと同じ感じだったので、ちょっと自分に自信が持てました。
港湾部の腐ったような水の時ってホント釣れる気がしませんよね。そういう時は思い切ってサーフに逃げた方が良いのでしょうか?
中々難しいですが、炎天下続きで水質が悪い状況ならばサーフの方がフラットフィッシュは釣れやすい感じはありますね!
ただし、雨が降った後の濁りがだいぶ取れてきたような時は、港湾部の河口周辺なんかが結構アツかったりした経験があります。