さてさて、今回はダイワ19タトゥーラのベアリング追加について、必要なアイテムと基本の手順を解説。
このリールはもともと7BB仕様だが、4つのベアリングが追加できるので「最大11BB」にすることが可能だ。
ベアリングが追加できる箇所は2か所あるが、難易度によって分けて紹介していく。
ちょっとしたリールの分解になれているのか?
自信がある方は4つベアリングを追加し、自信がない方は簡単にできるハンドルノブへの2つのベアリング追加がおすすめ!
早速、19タトゥーラTWのフルベアリング化に必要な道具の紹介からしていこう!
19タトゥーラにベアリングが追加できる場所
今回フルベアリング化していく19タトゥーラTWだが、
ハンドルノブに+2BB、ウォームシャフトに+2BBを追加できる。
ウォームシャフトというのはレベルワインダー(糸を通すところ)が稼動する軸に位置し、ピンク色で囲った部分にベアリングが追加可能だ。
このウォームシャフトにベアリングを入れるには、簡単なパーツの取り外しと小さなEリングという金属の固定具を取り外す必要がある。
ちょっとした分解のような感じになるので、お手軽にベアリングを足したいだけならハンドルノブだけにとどめておくのがおすすめかな。
19タトゥーラのフルベアリング化に必要な道具
それじゃあ早速本題に入っていこう。
740ベアリング
まずは必要となるベアリングの規格について。
19タトゥーラのフルベアリング化に必要なベアリングのサイズは実は1種類だけ。
使用するベアリングは、いわゆる「740ベアリング」と呼ばれるものになる。
「外径7mm、内径4mm、厚さ2.5mm」のベアリングが2個、または4個必要になる。
釣り具用の高級なベアリングでも構わないが、実際には汎用のステンレスベアリングでも十分使えるし、圧倒的に安いので私の場合はそちらを使用している。
ハンドルノブだけベアリングを追加するなら2個入りを
フルベアリング化するなら4個入りを買えばOK。
リールに使うならステンレス製のベアリングを選ぶのがポイントで、国産のステンレスベアリングを使えば実釣時に影響が出ることはまずないだろう。
高級なものを長く使うのももちろんいいし、安いものをどんどん交換していくのかは個人の好みで!
ハンドルノブベアリング追加に必要な道具
次に、ハンドルノブにベアリングを装着する際に必要な道具について。
必要な道具は非常にシンプル。
- オイル・またはグリス:回転性能を求めるならグリス、耐久性を求めるならグリスがおすすめ
- マイナスドライバー:ハンドルノブのジグを外すのに使う
- 針金を曲げたもの:ハンドルノブキャップを外すのに使う
ざっとこんな感じだが、あると便利なのがハンドルノブキャップを外すための針金。
無理やり作業すると、パーツを傷つけたりするので注意!
なお、クリップなどを曲げて簡単に作ることが出来るので用意しておこう。
こんな風に、ノブキャップが引っ掛かるように先端が曲がっている針金を使おう。
※よりベアリングの洗浄、注油(グリス)を完璧にやるのであれば「パーツクリーナー」、「ベアリング洗浄・グリス圧入れツール」が有っても良いね!
私も実際に使用しているが、シールド付きのベアリングをしっかり脱脂したり、グリスを中までしっかり注入するのに用意しておくとめっちゃ役立つぞ。
シールド付きベアリングへのグリスアップが確実に出来るようになるので、個人的に超おすすめだ。
ウォームシャフトのベアリング追加に必要な道具
ハンドルノブ以外に、ウォームシャフトにもベアリングを追加してフルベアリング化をしたい場合。
この場合は上記の道具に追加し、
- グリス:ウォームシャフトベアリングは基本グリスでOK
- コイン:サイドプレートを外すのに使う
- レンチ:10mmのもの。ハンドルを外すのに使う
- 小型のマイナスドライバー:Eリングを外す時にあると便利
このような道具を用意しておこう。
ベアリング追加の手順・方法
さて、ここからは実際にベアリング追加の手順を紹介していくぞ。
ハンドルノブにベアリングを追加
まずはお手軽にできる、ハンドルノブにベアリングを追加する方法から。
これは非常にシンプルなので、リールの分解に不慣れな方でもやりやすい。
ハンドルノブキャップを外す
ますはハンドルノブに取り付けられているノブキャップを外そう。
19タトゥーラTWは黒の樹脂製のキャップを採用しているが、中心に穴が開いている。
この穴に用意した針金を入れ、引っ張ればOK。
ペンチなどで無理やり取り外すと、パーツを傷つけるので気を付ける事。
2個とも外したら、無くさないように並べて保管しておく。
ハンドルノブを分解する
次に、ハンドルノブを固定しているネジを外していこう。
ドライバーはプラスでもマイナスでも外すことはできるが、マイナスドライバーの方がネジ山をダメにし難い気がする。
そして、ネジを外すと
- ネジ
- ベアリング
- ハンドルノブ
- カラー(プラスチックの黒いやつ)
の順番で取り外せるはずだ。
取り外したパーツの組みつけ順が分からなくならないよう、順番に並べておくのがポイント!
19タトゥーラTWの場合、元々ハンドルノブには1個ずつベアリングが使用されている。
交換するのは黒いプラスチック製のカラーになり、これをベアリングにすることでハンドルノブの回転がよりスムーズになるぞ。
ベアリングに注油して取り付け・組み上げ
タトゥーラにとりつけられているベアリングには、「グリス」が注油されている。
追加のベアリングには錆・劣化を防ぐために注油が必要だが、グリスでもオイルでもOK。
基本的にはグリスの方が防錆・耐久性に優れているが回転が重くなりやすい。
私の場合は淡水で使用するので、今回は軽快な回転を重視してオイルを使用する(もともと入っていたベアリングも脱脂してオイルを注油)。
注油する際はこの画像の位置を狙うようにすると、内部まで油が浸透しやすい。
オイルの場合は簡単だが、グリスの場合は指でこすり付けてしっかり内部までグリスを入れる必要がある。
こういう時に圧入れツールがあると楽に作業できるぞ。
注油が完了したら、後は組み付けだ。
プラスチック製のカラーを注油したベアリングに置き換え、組み立てていけば作業は終了。
なお、私の場合は組付けた時にハンドルノブの回転が若干悪かった。
調整用のワッシャーも入っていない状態なので、これ以上のクリアランス(隙間)の確保が出来ない状態。
こういう時は組み付けを終えた後、ハンドルノブを上下にギュギュっと動かすと、回転が滑らかになる場合が多い。
実際にノブを回してみると、軽く5~7秒位回るようになった。この位回れば十分スムーズだね!
これにてハンドルノブのベアリング追加作業はおしまい!
ウォームシャフトにベアリングを追加する(フルベアリング化)
次に、少し難易度が上がるウォームシャフトのベアリング追加について。
難しくなると言っても特殊な技術が必要なわけではなく、注意したいのは「Eリングを無くさない事」かな。
Eリングの取り外しに慣れていないと、取り外し・取り付けの作業が少し苦戦するかも。
サイドプレートを外す
まずは、ブレーキダイヤルが付いているサイドプレートを外す作業から。
ブレーキ調整ダイヤルの中心部に溝があり、ここに10円玉等を入れて回していこう。
グルグル回していくと、やがてネジが空回りするようになるはず(完全には外れない)。
こんな感じになったら、サイドプレートをボディの下側(リールフット側)へとズラすことができ、そのまま引っ張るとサイドプレートが外れる。
こんな風にズラしてから引っ張ろう。
サイドプレートが外れると、スプールが取り外せるので外しておく。
Eリングを外し、カラーを取り外す
19タトゥーラTWのウォームシャフトはこの矢印の部分だ。
ここにEリングと呼ばれる、薄い金属製の固定用のパーツが付いている。
これを外すわけだが、これが慣れないとちょっと難しいかも。
コツとしては、Eリングが回らないように指やマイナスドライバー(予備を用意しておく)などで固定しつつ外す事。
Eリングはよく見ると2か所に隙間があり、そこにマイナスドライバーを上手く引っかけて引っ張ると外れる。
もしくは「Eリングの切れている場所の角」にマイナスドライバーを当てて外すかのどちらかだ。
Eリングが上手く外れたら、金属製の調整用のワッシャーと中に入っている黒のプラスチックカラーを取り出す。
私の19タトゥーラはワッシャーが2枚入っていた。
樹脂製のカラーはグリスでへばりついている事があるので、先が尖ったものを使って取り出そう。
作業が完了したら、今度は反対側のカラーを外す作業に入る。
ハンドル側を分解する
次はハンドル側のプレートを外していく事になる。
外側から順に外していくだけなので、難しいように見えるかもしれないけど落ち着いてやれば大丈夫。
取り外したパーツを順番に並べていき、組み上げる作業がスムーズに出来るようにしよう。
まずはハンドルナットを固定しているプレートを外す。ここは小型のドライバーを使えばOK。
次に、ハンドルナットを10mmのレンチで外そう。
あとはドラグ系のパーツを順に外していく。
取り外しが完了したら、ハンドル側のプレートを固定しているネジを3箇所外す。
このネジが意外と硬いので、ネジ山をダメにしないように気を付ける事。
小型のマイナスドライバーを使って作業しよう。
無事3箇所のネジが外れたら、プレートを開ける。
この時内部のパーツが落ちないようにプレートを上向きにして作業しよう。
内部はこんな感じになっているが、万が一パーツが落下した時の為に写真をとっておくと良い。
まずは、一番大きなドライブギアが邪魔なので取り外しておく。
すると、ウォームシャフトを固定しているEリングが見えるはずだ。
このEリングを外し、ギアを持ち上げよう。
あとは内部に黒いカラーが入っているので、それを取り外す。
なお、ウォームシャフトにくっ付いていて外れない時はウォームシャフトを回しながら引っ張ろう。
そうすると、ウォームシャフトが段々飛び出てくるので外せるはずだ。
グリスアップして組み上げる
ここまで来たら、取り外したカラーをベアリングに組み替えて組み立てるだけ。
ウォームシャフトは分解するのが面倒だし、高回転するパーツではないので「グリス」を使えばOK。
この時もグリスの圧入れツールがあると役立つ。
なお、組み上げる時はウォームシャフトのクリアランス(隙間)に注意しよう。
私の19タトゥーラTWはサイドプレート側に2枚のワッシャーが入っていた。
ベアリング追加を行った所、クリアランスが少し少なくなって1枚のワッシャーを入れて組み上げることになった。
組み上げたウォームシャフトがガタつくときはワッシャーを入れ、クリアランスが狭すぎてスムーズに動かない時はワッシャーを減らしてみよう。
組み上げる際もEリングの取り付けには注意し、無くさないようにしよう。
ざっとまぁこんな感じで19タトゥーラのフルベアリング化は完了!
ウォームシャフトにベアリングを入れるのは若干手間が掛かるが、ハンドルノブのベアリング追加は簡単に出来てリールカスタム初心者の方にもおすすめ!
これでよりスムーズな巻き心地が手に入るし、ステンレスの汎用ベアリングを使えばかなり安くカスタムすることが出来るぞ。
良かったら試してみてね。
それでは、今回はこの辺で。また明日会いましょう!