こんにちは、まるなか(@marunakafish)です。
さてさて、今回はちょっと久しぶりに魚の見分け方について紹介していきます。
今日はタチウオについて、鮮度の見方や脂がのった個体の見分け・違いについて、少し掘り下げて解説。
タチウオは産地や個体によって脂の乗り具合に違いがあったり、結構奥が深い魚です。
今回は魚屋に勤務して毎日のように魚を見続けてきた私の経験をもとに紹介していくので、魚を目利きする時の参考にしてもらえたら嬉しく思います。
✔管理人の経験・実績
私の経験・実績としては
- 釣りのために仕事を辞めて移住、現在は魚釣りで生計を立てています
- 以前は業者向けの魚屋に勤務し、毎日魚を捌いていました
こんな感じでほぼ毎日釣行を重ねて釣り・魚を中心に生活していて、実釣実績も残しています。
釣果実績については、釣行記やYouTube・Twitterを見てもらえれば、ほぼ毎日様々な魚を釣っていることが分かると思います(一番更新頻度が高いのはTwitter)。
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タチウオの鮮度の見方
腹
タチウオの鮮度を見るにあたり、一番分かりやすいのは腹の状態ですね。
タチウオは少し鮮度が落ちると腹が破れてくるので、水揚げから時間が経った個体や冷し込みが甘いものは、腹が破れて穴が開きます。
鮮度が良くて処理・保存も適切なものは、腹の肉がしっかりとしているのが特徴です。
こんな感じで、腹に穴が開いているものはやや鮮度が落ちた状態ですね。
ただし、結構早い段階から腹に穴が開くので、古くて食べられない状態ということではありません。
体表の質感
タチウオは体の表面が銀色をしていてツルツルしていますが、鮮度が落ちてくると、若干白く粉を吹いたような状態になり、触るとザラザラしてくる傾向があります。
ですので、正面を手で触ってみることで鮮度の良し悪しを判断することも可能です。
なお、表面がザラザラしているものは、鮮度的にはかなり落ちてきていることが多いですね。
背中の肉の色
刺身やてんぷら用など、3枚おろしにされたタチウオを目利きする時は、背中の部分の肉の色合いで鮮度を判断することも可能ですね。
普通のタチウオかテンジクタチかによっても違いはありますが、鮮度が良いタチウオの背中の部分の肉は鮮やかなピンク・赤系の色をしていて、鮮度が落ちてくると少し灰色掛かったような感じになります。
画像のタチウオはやや鮮度が落ちた状態で、刺身で食べるには少し厳しく、加熱用で販売したものになります。
脂ののった美味しいタチウオの見分け・違い
産地
美味しいタチウオの見分け方ですが、一番手っ取り早いのは産地です。
他の魚にも当てはまりますが、魚の質は産地によってある程度決まってしまうのが現状ですね。
私が勤めていた魚屋には、地元静岡のタチウオと千葉(東京湾口周辺)のタチウオを中心に、状況次第で宮城や和歌山・九州のものが比較的良く入ってきていました。
その時の状況にもよりますが、脂の乗り具合の安定度としては、東京湾口周辺のタチウオが一番で、地元静岡のタチウオは正直言って安いだけで脂は大したことがありません。
脂の乗り(身質)は価格の差にもなり、指4本ほどのタチウオの場合、千葉のタチウオは1匹2000円以上するのに対し、静岡のものは1000円前後が平均といった具合でしたね。
ただし、2kgや3kg、それ以上の地物は非常に脂がのった高級なものもあるので、例外もあります。
地元静岡の高級なタチウオは1キロ5000円以上するので、場合によっては1匹で2万や3万などの値がつきます。
こういうタチウオは、見た目からして全く別物です。
種類
タチウオには種類があり、代表的なものは、一般的な普通のタチウオとテンジクタチでしょうか。
テンジクタチはもともと南方系のタチウオのようですが、最近は地元静岡周辺でも普通に見られるようになってきたり、生息域が拡大している印象です。
一概には言えませんが、基本的には普通のタチウオの方が脂の乗り具合や身質は安定していて、テンジクタチの方がさっぱりとしているものが多いです。
ただし、静岡のようなテンジクタチの産地としては北寄りの地域になると、特に2kgや3kgなどの大型の個体は脂ノリノリの個体も居ます。
断面
切り身の断面を見ることで、脂の乗り具合を判断することもできますが、タチウオの場合は慣れていないと分かりづらいと思います。
このタチウオは千葉産の非常に脂が良く乗った個体です。
塩焼きにすると、脂がボトボト落ちてくるくらいの身質。
左が背中側、右が腹側になります。
脂が乗っているタチウオは、白っぽい筋が比較的ハッキリ見え、特に皮目と腹周辺が脂で白く濁ります。
脂がそれほどのっていない個体は、透明感が強かったり、若干赤み・青みを帯びたような状態になることが多いです。
ただし、これはマグロやブリなどと比べると目で判断するのは少し難しいので、多少の慣れが必要だと思います。
厚み
脂がのったタチウオを目利きするにあたり、重要なのは身の厚みですね。
上は静岡産のタチウオ、下は千葉産のタチウオです。
このタチウオはどちらも指4本ほどの幅ですが、身の厚みが全く違います。
体のほぼ同じ位置でカットしてみるとこんな感じで、左側は脂が非常に良く乗っていて身い厚みがある千葉産、右が静岡産です。
左のタチウオの方が全体的に厚みがあるんですよね。
実際に重さを計ってみると、その違いがより分かりやすいです。
まずはこちらが静岡産の指4本クラスのタチウオです。
重さは約850gほど、一般的な指4本クラス(やや厳しめの計測)のタチウオの重量はこのくらいだと思います。
一方、千葉産の指4本クラスは・・・
こんな感じで、幅は同じくやや厳しめに計って指4本級ですが、重さは楽に1kgを越えてきます。
静岡産のタチウオで1kgを越えるとなると、だいたい指5本以上のドラゴンサイズと呼ばれるものになると思います。
こんな感じで、脂がのっていて良く肥えているタチウオは身に厚みがあり、重さが全く違うんですよね。
私は毎日仕事でタチウオを見ていましたが、魚を触らずとも魚体を見れば、千葉のタチウオか地元静岡(千葉以外)のタチウオかはだいたい判断できるようになりました。
身の硬さ・密度
タチウオは比較的身が柔らかいんですが、脂がのっている個体は水分量が少なく、身がギュッと凝縮されたような感じです
これにより、脂がのっているタチウオは全体的に身がしっかりしていて硬さがあり、鮮度が落ちてきても身がテロテロにはなりません。
かなり鮮度が落ちてきて加熱用として利用するのが難しいくらいの状態になっても、身はシャキッとしていて最後まで硬さが続くんですよね。
これはタチウオに限らず、他の魚にも当てはまることも多いですが。
脂がのっていないタチウオは、身がテロテロしていて柔らかく、密度をあまり感じません。
まとめ!
今回はタチウオの鮮度や美味しい個体の見分け方について紹介しました。
タチウオは鮮度が良いものはお刺身で食べられますし、少し鮮度が落ちたものは塩焼きやてんぷら・干物などにするとおいしいです。
また、産地や個体によって脂の乗り具合が結構違っているので、魚屋さんの店頭などで色々見てみてください。
ちょっとした目利きができるようになると、魚を買いに行くのも楽しくなりますし、美味しい個体を探せるようになりますよ!