さてさて、今回はエステルラインの寿命とラインを巻き変えるタイミングについて。
細くて繊細なエステルラインを使ったトラウトゲームやアジングに挑戦する場合、
重要なのがエステルラインの劣化との付き合い方。
高感度でルアーの操作感が非常に分かりやすい特徴を持つエステルラインだけど、正しく使わないとあっけなくラインが切れてしまったりする原因になる。
細くて繊細なラインを使うとなると、ちょっと敷居が高いように感じるかもしれない。
しかし実際はそんなに難しいものではなく、ラインが寿命を迎える前に傷んだ部分をカットしたり巻き替えを行えばOKだ。
普段私がエステルラインを使う際に注意しているポイントを中心に紹介していくので、良かったら参考にして役立ててもらえたら嬉しい。
エステルラインの寿命・切れやすくなった時の目安
まずはエステルラインが劣化してくるとどのような症状になるのか?
見分けのポイントについて、簡単にまとめておこう。
- ラインに弾力が無くなる:エステルラインと言えども、テンションを徐々に掛けていくと本来は伸びがある
- 糸癖、チヂレが目立つようになる:軽く引っ張っても癖が直らなくなる
- ラインのカサつき:表面のコーティングが傷み、ラインがダメージを受けている
基本的に私がエステルラインを使う際に注意している点はこの3つで、このような症状が出てきている時は劣化が既に進んでおり、寿命が来ていると判断する。
ただし、この状態になっているという事は本来の強度が既に引き出せない状態になっているという事。
このような症状が出てくる前に、早め早めににラインをカットして使っていくのが望ましい。
ラインに弾力が無くなり、粘りが失われる
エステルラインはナイロンやフロロカーボンラインと比較し、初期伸度が低くて高感度な特性を持っている。
だから小さなアタリを取っていくアジングや、エリアトラウトで使われる機会が多い。
軽いルアーを使っても操作感が分かりやすいという事も特徴だね。
だからと言ってエステルラインは全く伸びないわけではなく、伸びが少ない硬めのエステルラインでも実際には伸びる。
勢いよくテンションを掛ければ簡単に切れてしまうが、ジワジワっとラインを引っ張っていくと多少伸びるのが分かるだろう。
しかし実釣に使用して劣化し、寿命が近くなったエステルラインはこの伸びが失われてくる場合が多い。
テンションを掛けていくと伸びる前にプチっと切れてしまうのだ。
傷んでいない状態のラインの伸び方を覚えておくと、引っ張り比べた時にその違いがわかりやすいかもしれない。
結局の所、ラインが伸びなくなるという事は衝撃に弱くなるし、素材自体が伸びきったような状態になっているという事。
だから引張強度自体も弱くなっているんじゃないかと思う。
糸癖・チヂレが目立つようになる
エステルラインの特性として、硬質で独特なコシ・張りがある。
アイテムによってはうまくその硬さを消したものもあるけどね。
だから若干巻き癖が付きやすくて扱いに注意が必要な面があるが、もう1つの特性として
癖が付いても軽く引っ張れば元に戻る
というものがある。
だからエステルラインはスプールに巻いた時の癖が付いたとしても
何度かルアーをキャストしたり、魚を掛けてやり取りをすれば真っすぐな状態に戻るのが本来の姿。
しかし、ラインが劣化してくるとこの「癖」というものが元に戻り難くなってくる。
特にノット周辺~先端付近数メートルの間は劣化が進みやすく、弱くなりやすい場所になる。
アジをキャッチする際の抜き上げのダメージなどもラインに蓄積していきやすいからね。
また、至近距離でのやり取り程ラインの伸びが少なくなるので、ラインが傷んでいく原因になりやすい。
エステルラインを使う際は時々ラインの癖やチヂレの状態をチェックしてみて、ラインの直進性が低くなっているようなら傷んだ部分をカットして使うようにしよう。
ラインのカサつき
これはエステルラインに限ったことではないが、ラインって意外と気づかないうちに傷がついていくもの。
ライン表面のコーティングがツルッとしていれば良いが、使っていくうちにどうしてもカサカサッとした感触になっていく。
ラインが根ズレしていなくても、ガイドについている微細なゴミなどによって段々と傷んでいくんだよね。
ライン表面が傷んでいる時は当然その部分をカットして使うが、時々ガイドリングの掃除も行っておくとラインの寿命が延びるぞ。
エステルラインの巻き替え・交換頻度
次に、どれくらいの頻度やタイミングでエステルラインの巻き替えを行ったらいいのか?
私なりの目安について紹介していくぞ。
エステルラインは紫外線劣化や吸水劣化を気にする必要はない
ナイロンラインを使用する場合、注意したいのが紫外線や吸水による劣化だ。
ナイロンラインを使う時は、ラインが傷になっていなくても弱くなっていく。
太陽の光に当たったり、釣り場で仕掛けを投げているだけでも水を吸って徐々に弱くなっていく特徴がある。
しかしエステルラインは紫外線に対して非常に強く、吸水による劣化も無いのでその辺は気にしなくていいだろう。
だから先程紹介したような寿命が近くなったサインが無く、新品同様の状態であれば1年間巻き替えをしなくても使う事はできる。
ラインをカットし、ノットを組みなおすタイミングとは
エステルラインを使ってアジやトラウトを釣っていくと、魚の引きや合わせの衝撃などでラインが徐々に劣化して弱くなっていく。
釣れる魚の大きさやドラグ設定によってもラインが寿命を迎えるタイミングは変わってくるが、私の場合は大体20匹~30匹が1つの目安(アベレージが20~25cm程のアジングの場合)。
比較的硬くて伸びの少ないハードタイプのエステルラインを使っている時は、よりラインの劣化が目立ちやすいので20匹位を基準にしてノットを組みなおすかな。
今までラインの劣化具合をチェックしつつ釣りをしてみた感覚としては、
硬めのハードタイプのラインでも20匹くらいまでは劣化が目立ちにくく、問題なく使用できる場合が殆どだった。
その後25匹、30匹位キャッチしていくと癖が付きやすくなったり、ラインの弾力が失われていくようなアイテムが多いかなと。
そうなると強度も低下し始めていて、実際に強度テストを行ったらやはりラインの強度は多少落ちていたわけで。
逆にしなやかで伸びがあり、劣化しにくいエステルラインの場合は30匹くらい魚を釣っても大丈夫かなといった感じ。
硬いエステルライン程ある程度魚を釣っていくと早めにラインが弱くなっていき、糸癖やチヂレが目立つようになる印象がある。
不安に思うのであれば、早めにどんどんラインを結びなおす方が絶対に良い。
「まだ大丈夫だろう」と粘って使い続けると、エステルラインは意外とあっさり切れてしまうので気を付けるように!
また、魚が釣れなくても2~3時間くらい釣行したならラインのカット&結び直しは行った方が良いと思う。
メインのエステルラインの痛みが目立たなくても、1ヒロ位はカットして使った方が安心だ。
ラインをカットする長さは
大体20~30匹位魚をキャッチしたら結び変えをするわけだけど、その時にラインはどのくらいカットするのか?
という事について。
私の場合、ラインの痛みが目立たない場合で1ヒロ位。
若干チヂレなどが見え始めているなら、最低でも2ヒロはカットするようにしている。
- 20~30匹程度魚を釣ったのであれば、最低でもノットの結び直しは行う。
- その際カットするラインは最低でも1ヒロ~2ヒロ位。
こんな感じでエステルラインを使って釣りをしているが、このような使い方で変にラインが切れたりしたことは今まで無い。
人によってはもっと早めのサイクルで釣りをする人もいるだろうし、逆にもっと遅い人もいると思う。
それはロッドやドラグ設定などのタックルバランスによっても違うし、釣れる魚のサイズや使うラインの特徴によっても変わってくる。
この辺りは釣行を繰り返す中で、自分なりに最適な使い方を見つけていくようにしよう。
あくまで私の例は1つの目安として欲しい。
ラインの巻き替え頻度
先程紹介したように、エステルラインは紫外線や吸水による劣化は非常に起こり難いラインだ。
なので、ルアーをキャストした際にラインが足りなくなるまでは粘って使用しても強度的には問題はない。
実際に1年以上巻きっぱなしのラインを使い続けるという方もいるしね。
しかし、ラインは使っていくうちに糸ヨレが目立ってくるし、下の方のラインは上のラインに押しつぶされて糸ツブレが発生してヨレヨレになりやすいので程々に。
まとめ
エステルラインを使った釣りに挑戦する際は、大体こんな感じてラインと向き合えば良いかなと。
エステルラインは価格的にもそこまで高価なものではないので、
「迷った際はとりあえずカット」
していけば無駄なライントラブルも防げるし、せっかくの魚を逃す心配も少なくなる。
繊細なエステルラインでも、正しく使えば尺アジ等も問題なくキャッチできる。
ラインチェックさえ怠らなければ、思ったほど難しいものではないはずだ。
それでは、今回はこの辺で。また明日会いましょう!