
こんにちは、まるなか(@marunakafish)です。
さてさて、今回は少し魚についてお勉強をしていきましょう。
今日のテーマは「ブリとヒラマサの違い・見分け」について。
これまで私は魚屋で毎日魚を捌いてきた経験があり、近海物の担当をしてきた。
なのでブリやヒラマサもかなりの数を見てきており、その経験を基に基本的な違いを紹介していこうと思う。
おはようございます😃
今日はブリ12キロ、ヒラマサ7キロの共演です🐟
似ているようで形や身質は全く違いますね!さて、今日も頑張ります! pic.twitter.com/D3iCUMEfGa
— まるなか (@marunakafish) December 26, 2020
先日ちょうどブリとヒラマサが同時に入荷したんですが、違いについて興味がある方が意外といるようなので、ここで違いの基本を紹介。
釣りが好きな方は、釣れた魚がブリ(幼魚含む)なのかヒラマサなのか気になることもあるはずだ。
ここで見分けの基本を覚え、今後役に立ててもらえたら嬉しく思う。
目次
ブリとヒラマサの違い・見分ける時のチェックポイント
まずは目の前にある魚がブリなのかヒラマサなのか、違いを知る時に見ておきたいポイントをざっくりとまとめてみよう。
主な違い・チェックポイントとしては
- 体の形
- 口の形
- 顔つき
- ヒレの位置
- 腹びれ
- 尾びれ
- 大きさ
- 身質(捌いた状態)
- 生息場所・引きの強さ
これらを比較すると、ブリとヒラマサにはそれぞれ特徴があって微妙な違いがある。
総合的に見て見分けるべし!
ブリとヒラマサはパッと見ではかなり似ている魚だ。
職業上毎日魚を見ている人間であれば、実物をパッと見れば魚種はすぐにわかるようになってくる。
しかし、個体によっては結構微妙なものが存在する。
なので魚種を判断する時は体の1部分だけを見て行うと間違えが発生しやすく、魚体全体をチェックすることで判別の精度は上がる。
画像での判断は意外と難しい
釣果写真などでブリとヒラマサを見分けてほしいといわれることがあったが、実はこれは結構難しかったりする。
画像では実物と違って確認できる角度が一定になってしまい、これが意外と厄介。
複数の角度からの画像があれば良いんだけど、1枚だけの写真や同じようなアングルからだけだど結構微妙なこともある。
写真の場合は遠近感や撮影角度によって実物とは若干違ったように見えることも多く、ややこしい個体の場合は特に判別が難しくなりやすい。
ブリとヒラマサの体形の違い
まずはブリとヒラマサの体の形の違いについて見ていこう。
体の丸み・偏平度
ブリとヒラマサはざっくり言ってしまえば体の丸み・偏平の仕方に違いがある。
- ブリ:体に厚みがあり、ラグビーボールのように丸っこい
- ヒラマサ:体が比較的薄くて平たい
超簡単に見分けるならこんな感じだ。
実際に両者を見てみると、

これは程よく肥えた寒ブリ。
10キロ以上ある長さ的にはメーターオーバーの個体だが、ふっくらしているのが分かるかな。

更に大きい15キロなどのコンディションが良い大型のブリになると、こんな感じで体がはち切れそうなくらい肥えてくる。
一方でヒラマサを見てみると・・・・

個体差は当然あるが、ブリと比較すると丸々と肥えた状態にはなりにくくて少し平べったい。
このような感じで、ブリとヒラマサは体の形に違いがあるぞ。
同じ長さならブリの方が重たい傾向
標準的な体系のブリとヒラマサを比較した場合、同じ長さの場合は体に厚みのあるブリの方が重たいことが多い。

上の個体がブリで、下がヒラマサ。
画像からも両者の体の形の違いは何となく分かると思う。
このブリ・ヒラマサはどちらも90cm台の個体だが、ブリの方は11キロ後半で12キロに迫る重量。
一方でヒラマサは7キロクラスにとどまっており、体の厚みによる差が出ている。
小型の個体・やせた個体も存在する
特にブリは幼魚を含め、コンディションの差が大きく出やすい。
水深が浅くて暖かい場所にいるブリだったり、小型の個体は痩せやすい傾向がある。
なので上で紹介したほどの差になりにくいこともあるぞ。
口の形の違い
次はブリのヒラマサ口の違いについてだ。
口の角・カンヌキを見る
ブリとヒラマサは口の角・カンヌキと呼ばれる場所の形に差がある。
ブリはカンヌキが角ばっているのに対し、ヒラマサは丸みを帯びた形状をしている。

これはヒラマサの口の形状になり、ピンクで囲ったカンヌキの形が何となく丸っこい。

一方のブリの口の角の形は直線的な形状をしており、ヒラマサほど丸くない。
ただしブリの場合も完全な角ではないので、多少の丸みはある。
ブリとヒラマサの顔つき
ブリとヒラマサは顔つきが微妙に違う。

ブリ(上)の方が口先が尖っており、目までの距離が遠くてシュッとした感じ。
ヒラマサ(下)の方が丸みを帯びた顔つきをしている。
見慣れてくると、この顔のバランスを見ただけでもだいたい判別がつくようになってくる。
ヒレと黄色いラインの重なり具合が違う
ブリとヒラマサには体に黄色いラインが走っている。
このラインとヒレの位置関係に若干の差があり、この差は魚種を見分けるうえでかなり有力で、パッと見で分かりやすい。

この個体はブリだが、少し見にくいかもしれないが黄色いラインの位置がヒレよりも背中側にある。
生きている時はヒレの動き方によって多少変わるが、ブリの場合は黄色いラインとヒレが交差しない~若干触れるくらいの位置関係になる。
一方でヒラマサの場合は

こんな感じで、ヒレと黄色いラインがしっかりと交わっている個体が非常に多くなる。
ヒレと黄色いラインの交わり方は分かりやすい見分けのポイントになり、優先度としてはかなり高くなる。
腹びれ・尾びれの形の違い
次は腹びれと尾びれの形の違いについて紹介していこう。
腹びれが大きくて黄色いのがヒラマサ
ブリとヒラマサを比較してみると、腹びれの大きさと色が少し違う。
個体差がある程度存在するものの、ヒラマサの方が腹びれが大きくて黄色っぽい。

これはヒラマサの腹びれ。かなり黄色みが強く、胸びれよりも腹びれの方が大きい位だ。
一方でブリの場合は腹びれがヒラマサよりも白っぽくて小さい。
ただしブリの場合も小型の個体や生きている個体はヒレが黄色っぽいものもいるので、腹びれを重点的にチェックして見分けることはないかな。
尾びれの形と大きさ
今回ちょうど同じくらいの長さのブリとヒラマサが入ったので、ちょうどいい比較画像を撮影できた。

上がブリの尾びれで下がヒラマサ。
両者を比べてみると、同じ長さの個体の場合はヒラマサの方が尾びれの大きさ自体が少し大きい。
また、ヒレの形自体にも若干の差がある。
ブリの方がヒレが直線的な形状で外を向いている感じ。
ヒラマサの方が尾が大きく弧を描いたような形状をしており、より大きく・強く水を動かすようになっているかな。
この違いは経験を積めば、パッと見で何となく分かるくらいの差は存在している。
ブリとヒラマサの大きさ(重さ)
ブリとヒラマサは成長すると大きさ(重さ)にかなりの違いがある。
ブリは大きくても10kg台
ブリは大きくなると1m程度は超えてくるが、大きい個体でも15kg~18kgくらいかな。
ブリの場合は10kgを超えればまずまず良型で、12kg・13kg程度になれば十分大きい。
魚屋にいても14kgや15kgといった大型のブリは中々入荷せず、12kg台程度までが大半を占める。
ブリの場合は1m前後になるとあまり長さは変わらず、コンディションによる重さの差が非常に大きくなってくる傾向があるね。
ヒラマサは20kg以上に成長
一方でヒラマサの場合は10kg台というのは超大型というわけではなく、20kg・30kg・それ以上まで成長する。
なのでブリよりも大きく成長し、長さでいうと2m以上の個体も存在する。
ブリとヒラマサの味・身質の違い
ブリとヒラマサは実際に捌いてみると身質にかなり大きな違いがあり、味わいも当然変わってくる。

実際にブリとヒラマサを捌いてみると、こんな感じ。
ブリ(上)の方がピンク色が濃い身質をしており、ヒラマサ(下)の場合はどちらかというとタイやカンパチのような白身系だ。
濃厚な味・脂が特徴のブリ
ブリはカンパチやヒラマサと比較すると、濃厚で味のある身が特徴になる。

これは私が今まで捌いてきた中でも最上級の脂の乗りの天然ブリだ。
こうなってくると魚の身というよりも肉といった感じで、切っただけで脂がジュワジュワと出てくる。

非常に良質なブリを刺身に切ってみるとこんな具合になる。
見た目的にも脂が乗っているのが明らかだよね。
味わいとしてはブリの方がしっかりとした旨味があって独特な風味を持つ。
一方でブリは血合いが多く、他の魚種よりも身が劣化しやすい性質を持っている。
また、天然ブリの場合は個体による当たり外れがかなり大きく、見た目的には肥えていても脂が乗っていない個体もいるから難しい。
日本海の寒ブリであってもすべての個体が脂ノリノリというわけではなく、外れを引くと脂はかなり薄い。
▼【関連記事】脂の乗ったブリの見分け方を徹底解説!
身が強く・すっきりしたヒラマサ
ヒラマサの場合は、ブリと比較すると脂が乗っていなくてもパサパサになりにくく、当たり外れが少なくて風味も癖があまりない淡白な傾向。
大型のヒラマサになると脂が乗る個体もいるが、ブリほど濃厚な味わいではない。
身質としてはブリよりも水分・血合いが少なくて「白身魚に近くて食べやすい青物」という感じかな。

ヒラマサの身の断面はこんな感じで、血合いが非常に少なくて身が引き締まっている。

ブリと同じく刺身にするとこんな感じで、一般的にはブリと比較するとすっきりした身質だ。
ただしヒラマサの場合も10kg以上になってくると、もう少し脂はのってくる。
養殖魚も存在
ブリやヒラマサは天然物のほかに養殖の個体も存在する。
養殖の個体の場合は全体的に脂はのるが、やはりブリの方が脂は濃くて濃厚な味がする。
ヒラマサも養殖の個体はかなり脂は乗るが、ブリと比較すればすっきりした味わい。
ブリとヒラマサの生息場所・引きの違い
釣り好きの方向けになるが、ブリとヒラマサは似ているようで釣れる場所に違いがある。
ヒラマサは根や海底の変化に着く習性を持つ
ヒラマサは開けた場所に多く生息するというより、海底に根や駆け上がりに対してピタッと着く習性がブリよりも強い。
特に浅場の根がきつく・潮がガンガン効くような場所はブリよりもヒラマサが狙いやすい地域もある。
一方でブリの場合は海底の変化に着く習性もあるが、開けたポイントにも回遊しやすい。
生息数は地域によってかなり差があるようで、私の出身地である静岡の場合はヒラマサを狙って釣るのはかなり難しい。
全く釣れないことはないが、ブリやカンパチを根回りで狙っていると稀に混じって釣れる程度だ。
引きの強さは全く違う
同じ重さのブリとヒラマサを比較すると、ヒラマサの方がブリよりも強く引いて激しいファイトをする。
私が初めてヒラマサを釣った時は、何が掛かったのか分からないくらい引いたのを覚えている。
体感的には、同じ重さだったらヒラマサの方が強く・スピーディーに引く感じがするね。
ブリはヒットすると横方向に走ったり、重たい引きのイメージ。
一方でヒラマサやカンパチはヒットすると、根に入ろうと下に突っ込む引きがかなり強い。
また、カンパチとヒラマサを比較すると、引き込みにパワーがあって激しいのがカンパチ。
ヒラマサの方がパワーの面では若干劣るものの、その分猛スピードで長い距離を疾走するような感覚かな。
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▼ブリの美味しい個体の見分け方を解説
こんばんは
ヒラマサ、ブリの違いはある程度把握してましたがここまで徹底解説してるサイトはまるなかさんの所だけですね、大変勉強になりました
千葉だとヒラマサがサーフでもたまに釣れるので1番狙ってる魚です
あのヒキは病み付きになります
新環境になられるそうで大変だとは思いますが応援しています
私は頑張っても月10回程の釣行しか行けませんが少しづつ積み重ねて行こうと思います
お互い頑張りましょう
こんにちは、まるなかです。
静岡ではヒラマサは殆ど釣れないので、釣れる地域がうらやましいですね!
今は寒くて釣り場調査が困難なので、もう少し暖かくなったら新天地へ行こうと考えています。
今後ともよろしくどうぞ(#^^#)