さてさて、今回は釣り糸の結び方・いわゆるノットと言われるものの中でも最もベーシックなものの1つである
電車結びについて。
電車結びは魚釣りに使う糸と糸を結ぶ方法の中でも基本の結びだ。
これから釣りに挑戦したい方が初めに覚えておくと役立つ簡単な結束方法になるんだけど、その結束強度は私自身も実は知らなかったり。
ここでは電車結びの結び方とチェックポイント、合わせて実際に糸を結んで行った結束強度テストの結果も合わせて紹介していく。
糸と糸を結ぶ電車結びについて知りたいという方は、一度目を通してみて欲しい。
電車結びを使う場面
電車結びは強度の面では「並」といったところで、強いノットではない。だからお手軽なかわりに強度を少しでも引き出したい場面では他のノットに劣ることも多い。
私の場合、電車結びを多用する場面としては
- リールの下糸とメインラインの結束
- 道糸とハリスを結ぶ際、確実にハリス側を切りたい時
- 強度が必要ない、根掛かりの少ない釣りや小物釣り
このような時に電車結びを良く使うかな。
より強度を出したいのであれば、お手軽かつ強度も優れているサージェンスノットを使うのがおすすめ!
電車結びの結び方の手順
電車結びの結び方は覚えてしまえばかなり簡単で
慣れてしまえば暗闇でも簡単にノットが組めるし、結び目を見ていなくてできるようになる。
早速結び方の手順を一緒に覚えてみよう。
2本の糸を重ね、片方の糸で輪を作る
まずはこのように、結びたい2本の釣り糸を平行に重ねるところが電車結びのスタート。
この状態から片方の糸で輪を作ってみよう。
ここまではOKかな?
出来た輪の中に糸の先端を4回以上通して締め込む
こんな風に輪を作ったら、出来た輪の中に糸の先端を4回以上(できれば5回~6回ほど)グルグルと通していく。
こんな風に5回ほど糸を通したら、後は締め込む作業に入る。
5回前後ラインを通したら、唾や水を付けて摩擦熱が発生しないようにラインを湿らせる。そして通したラインの端(ここではピンク色の糸の端)と本線を手で持ち、じわじわと力を掛けて引っ張ってみよう。
この段階ではきつく締め込む必要はなく、もう片方の糸の上を結び目がスムーズに行ったり来たりする程度の締め具合でOK。
上の画像のように結び目がある程度締まれば大丈夫。
もう片方の糸も同じように結ぼう
今度はもう片方の黄色い糸も同じように結んでいこう。
こんな風にさっきと同じ手順でもう片方の糸を結んでいく。
結びが出来たらまた同じように程よく締め込むと、こんな感じになるはずだ。
ここまで出来たら、ピンク色と黄色の糸の本線を左右の手で持ち、引っ張っていこう。この時もラインが湿った状態にしてあげるように注意すること。
すると、2つの結び目が段々とくっついて行くはず。
このようになったら、最後にキュキュッと力を少し入れてノットを締め込もう。
後は余分なヒゲをカットしたら電車結びは完成する。
注意:ヒゲを強く引っ張ると強度が低下する
電車結びを結ぶ際、糸の端(ヒゲ)側を強く引っ張って締め込むのはやめた方が良い。
ついついしっかり締め込もうと思ってこの部分に力を掛けてしまうと、結びコブの1部分に力が集中してしまう為か結束強度の低下がみられた。
本来釣り糸が持っている強さを引き出すために、電車結びをする時はヒゲの部分を強く引っ張りすぎないようにしよう。
電車結びの結束強度を実測!
最後に、実際に電車結びを使って釣り糸同士をつなぎ合わせると結び目はどの位の強度(結束強度)になるのかテストをおこなった。
使うのは、結び目の無い状態での強度表示は4kgというフロロカーボンラインだ。
テストでは輪の中に5回ラインを通す強度と締め込みやすさのバランスが取れた電車結びを行い、同じように強度を測定・・・・。
すると、3回強度テストを行った結果はこんな感じに・・・
- 約2.9kg
- 約2.4kg
- 約2.55kg
3回の平均結束強度は約2.62kg。直線強度比で約66%となった。
決して強いとは言えない数値だけど、悪いわけでもない。結びが簡単なノットとして、電車結びの結び方は覚えておいて損はないんじゃないかな!
電車結びの巻き付け回数による強度変化
電車結びの巻き付け回数を変えていくと、どのように強度が変化していくのか?
実験してみた所、結果をまとめておくとこんな感じに。
- 巻きつけ回数3回以下→すっぽ抜けにより強度が大幅に低下
- 巻きつけ回数4回・5回→締め込みやすさと強度のバランスが良い(結束強度65%前後)
- 巻きつけ回数6回以上→締め込みにくくなるし、強度の上昇は見られなかった
このような結果になり、電車結びをする時は巻き付け回数をやたら増やせば良いというわけではないことが分かった。
一般的なナイロンやフロロカーボンラインの場合、5回巻き付けておけばOKだろう。
ダブルラインの電車結び
それぞれのラインを2つ折りにして電車結びを行うパターン。
ラインが2重になることで強度がアップするのか、実験を行ってみた。
フロロカーボンラインを使用した場合、結果は以下の通りになった。
- 結束強度:約65%前後→75%程にUP!
ラインを重ねて電車結びを行うことで、結束強度のUPに効果はあるらしい。
なお、PEラインの場合はまた違った結果になったので後で紹介する。
電車結びでPEラインとリーダーを結束
電車結びはPEラインとショックリーダーの接続や、PEライン同士の結束にも使う事が出来る(主に下糸とメインラインの接続)。
- 実際にPEラインを使用し、強度テストを行った際の結果を簡単にまとめておこう。
本来であればPEラインとリーダーの結束は摩擦系のノットで結束するのが望ましい。
おすすめはしないが、試しに電車結びでPEとリーダーを結ぶと・・・・。
- 巻きつけ回数が5回などでは30%台の結束強度しか出ない
- 巻きつけ回数は10回以上で強度が出る。結束強度は約50%前後
という結果になった。
電車結びをリーダーとの接続に使用するのであれば、10回以上の巻き付けが必要らしい。
PEライン同士の電車結び
PEライン同士を電車結びで結んだ結束テストも後日行ってみたので、分かったことを紹介しておく。
- 巻きつけ回数が少ないと、あっさりとすっぽ抜けてしまう
- 10回の巻き付けでも結束強度約45%程
PEとリーダーと時以上に強度が出しにくいという事が分かった。
最高でも50%以下の強度しか出ないので、PEライン同士の結束には使いどころを選ぶね。
PEライン使用時におけるダブルラインの効果
PEラインを使って電車結びをする際、ダブルラインにするとどのような効果があるのか?
実験を行ってみた所、ナイロンやフロロカーボンラインの時とは違う結果になった。
結果を要約するとこんな感じだ。
- PEラインの場合、結束強度が増すことは無い
- 巻きつけ回数は少なくて済み、ダブルラインの場合は5回の巻き付けで強度が出る
という事が分かった。
ダブルラインにしてPEラインを電車結びしても、50%程の強度しか計測できなかった。
しかし10回の巻き付けは必要なく、5回ほど巻きつけておけば最大強度まで引き出せるという結果に。
電車結びの結び方・強度テスト結果まとめ!
電車結びについて、色んなテストを行ってみた。
最後に、要点を簡単にまとめておこう。
- 電車結びの強度:ナイロン、フロロの場合は65%前後。PEラインの場合は50%程までしか引き出せない
- 電車結びの巻き付け回数:ナイロン・フロロカーボンラインなら5回、PEラインの場合は10回
- ダブルラインの効果:ナイロン・フロロカーボンラインの場合は強度が10%程UP。PEの場合は巻き付け回数が5回でOKになる
電車結びを実釣に使用する際は、こんな事を頭に入れておくと役立つと思う。
それでは、今回はこの辺で。また明日会いましょう!