さてさて、今回は前回に引き続き、メバリング用リールのギア比セレクトについて。
ハイギアリールをメバリングで使うメリットや適した使い方に関して、私なりの考え方を解説。
ライトゲームではローギアリール派とハイギアリール派の方がいるように感じているが、どちらにもメリット・デメリットがあって優劣は付け難い。
それでも、自分の釣りのスタイルなどによって「どちらの方が適している」ということはあるはず。
普段ハイギア・ローギアのリール両方を使っている私の「ほぼ毎日の実釣経験から得た考え」について解説していくので、良かったら参考にしてみて欲しい。
それじゃあ早速、本題へと話を進めていこう。
ハイギアリールの見分け方・特性
まずはハイギアリールはどうやって見分けたらいいのか?
合わせて、実釣における特性について紹介していこう。
番手表記の見方
リールには番手表記があり、その中にギア比の表記があるものと無いものがある。
簡単に紹介すると、
- ノーマルギア:番手表記の中にギア比の記載なし(ローギアに分類されることも多い)
- ローギア:番手表記の中にPGやPの表記がある(パワーギアとも呼ばれる)
- ハイギア:番手表記の中に「H」や「HG」・「XH」・「XG」などの表記がある
こんな感じで、ハイギアリールはハンドルを一回転させた時の糸の巻き取り量が多く、ローギアリールは巻き取り量が少なくなる。
簡単に言えば、ハイギアリールの方が「早くラインを巻くのが得意なリール」ってわけだ。
例えば、このリールの場合はC2000SHGという番手表記になっている。
これを分解すると、
- C2000:リールの大きさ・サイズ
- S:シャロースプール(糸を巻き取るスプールの溝が浅いモデル)
- HG:ハイギアモデル
こんな感じになる。つまり、このリールは巻き取りが速いハイギアリールってわけだね
リールのギア比の見分け方について紹介したところで、次はハイギアリールの特徴について紹介していこう。
手返しが良い
ハイギアリールはラインを巻き取るのが素早く出来るので、手返しの良い釣りが出来る。
この手返しが良いとはどんな意味なのか?
例えば、メバリングでは沖の障害物周りや海底の根などの周りなど、ポイントの中でもメバルが潜んでいそうなスポットがある程度決まっていることがある。
こういう場所でメバリングをする時、
- 狙ったスポットからルアーが外れたら即回収
- 次のキャストで再びスポット狙い
こんな感じでテンポよく、釣れそうな場所だけを狙って釣りをすると効率がいい。
ローギアのリールとハイギアのリールを実際に使い比べたら分かるが、ローギアのリールでルアーを回収するのって結構ダルい。
ハイギアのリールなら高速でルアーを回収するのが楽にでき、効率を上げたメバリングが可能になる。
ラインスラッグ(糸フケの出し入れ)が楽
常に一定速度でただ巻きするだけだったら、ローギアのリールの方が使い易い場面も多く存在している。
しかし、メバリングではルアーの種類や誘い方によっては、ラインスラッグ(糸フケ)を使った釣りをする事も多い。
例えば、
- 水面に浮かぶトップウォータープラグをチョンチョンとロッド操作で動かす時
- ミノーをトゥイッチし、不規則なアクションを与える時
このような時は、ラインスラッグを上手く使って釣りをやってみると、ルアーがもつ本来の動きを引き出し易い。
こういう釣り方をする時、ハイギアのリールを使えば「ラインスラッグの処理が少ないハンドル操作で可能になる」メリットがある。
ヒットしたメバルのコントロール性に優れる
障害物周りなどでメバルをヒットさせた場合、針掛かりさせたらいち早くリールを巻き取り、主導権を与えないやり取りが重要になる場面も多い。
こういう時、ハイギアのリールの方が素早く魚を寄せたり、一気にラインにテンションを掛けやすいメリットがある。
特に大きいメバルはヒットすると根に潜ったりする習性が強く、もたもたしていると根に入られて出てこなくなることも多い。
ローギアのリールで際どい場所からメバルを引き出そうとすると、かなり高速でリールを回さないといけなかったりする。
ルアーに不規則な変化を与えるのが得意
メバリングの基本はただ巻きだけど、状況によってはルアーに不規則な変化を与えた方が良い場面もある。
さっき紹介したトッププラグやミノーのトゥイッチングもそうだし、他にもバイブレーションやジグなどを使う場面も当てはまる。
どういうことかというと、メバルやヒラメ等の根魚や底物を狙う時は「短い距離でルアーのアクションを立ち上げ、確実にアピールする」ことが非常に重要。
回遊魚のように長い距離ルアーを追いかけてこない魚を狙う場合は、どれだけ狭いスポットでルアーを魅せて食わせるか?
ということが釣果を分ける事も良くある。
こういう時はロッドアクションと共に「リールのハンドルの巻きでルアーを動かす」と効率が良く、ハイギアリールの方がルアーのアクションの立ち上がりを早くさせやすい。
短い距離でキビキビとルアーを操作したければ、メバリングにハイギアリールを使うメリットは間違いなく存在しているぞ。
メバリングにハイギアリールを使うデメリット
一方でハイギアリールは使い方を間違えると、デメリットになる事もある。
特に軽いルアーを使うことが多いメバリングでは、ちょっとした違いで釣果が変わることも多い。
巻きが重たい
ハイギアリール最大の欠点としては、巻きの重さになるだろう。
ハイギアのリールは自転車で言う「良く進むけど重たいリール」と同じ。
だからローギアリールと比較した場合、リールの巻き感がモサーッとした感じになりやすく、特にローギアリールに慣れている方は絶対に違和感がある。
特に価格が安価なリールほど、ハイギアモデルだと巻きが重たくなりやすいので要注意!
ただし巻きの重さに関しては慣れで解消できる部分でもあるので、最初の違和感さえクリアしてしまえば何とかなると感じている。
適切なレンジコントロールが出来ない可能性
メバリングでは、ルアーが泳ぐレンジ(ルアーの泳層)をしっかりコントロールするのが超重要。
特にジグヘッドリグなど、カウントダウンとリールの巻きの速さでレンジを調整するルアーを扱う時は要注意。
ハイギアリールは巻きが早くなりやすいので、注意しないとルアーが水面付近に浮かび上がりやすい。
特にリールをゆっくり巻くのが苦手な初心者の方は、ついつい浅い場所ばかり探ってしまいがちになるからね。
メバルは状況によっては表層付近にライズしたりするけど、海底付近でジッとしていることも良くある。
特に釣り人が多い場所のメバルは警戒心が高く、深い場所に固まっていたりするからね。
ちょっとした変化で巻きの感触が変わりやすい
ハイギアのリールは巻き取りが早くなるかわりに、パワーは劣る特性がある。
これはうまく活かせると、リールの巻き重り感で潮の流れの変化などを察知することができる。
しかし、逆を言えば少し状況が変わるだけでリールの巻きが重たくなったり軽くなったりして、「いつものフィーリング」で釣りがしにくい面もある。
人によっては「常に同じような感触でリールを巻けた方が、釣りに集中できる」という方もいるはずなので、こういう方にハイギアリールはちょっと使い難いかもしれない。
メバリングでハイギアリールを使う上で注意したい点はこんな感じ。
次に、メバリングにハイギアリールをおすすめするのはどんな方か?
私が考える釣りのスタイル・狙い方等について紹介しておこう。
メバリング用リールにハイギアが適している方
メバリングと言っても、釣り場の特徴や、個人個人の狙い方によって釣り方は様々である。
自分のスタイルに合わせ、リールのギア比は適切に選んでおきたい。
適したルアーの種類など
まずは使用するルアーの種類や重さについてだが、
- ワーム+ジグヘッドリグの場合:メインウェイトで1.5g~2g前後、またはそれ以上
- プラグ系:ただ巻き以外にもトゥイッチングやロッド操作でルアーを動かして釣りたい方
超ザックリとだが、こんな感じでルアーを選んだり使いたい方には、ハイギアリールも十分使い易いはず。
逆に、常夜灯周りを1g前後のジグヘッドで超スローに探ったりするのがメバリングがメインなら、ハイギアよりもローギアの方が丁寧な釣りができるだろう。
釣り場のシチュエーション・狙い方
良く出かける釣り場のシチュエーションや狙い方によっても適したギア比は異なってくる。
- 釣り場:港湾部の根周りや障害物周りを良く狙う方。サーフや磯などでメバリングをする方
- 狙い方:沖から足元まで丁寧に探りきるというより、ある程度スポットを絞り込んで重点的に狙って行く方
このようなスタイルでメバリングをする事が多いなら、ハイギアリールを導入すると快適な釣りが出来ると考えている。
初心者の方は「まずローギアリール」でメバリングを覚えよう
ハイギアリールをメバリングに導入するメリットやデメリットなどについて紹介してきたが、
これからメバリングに挑戦したいが「自分のスタイルなども特にないので、どちらを選んだらいいのか分からない」という方もいるはず。
こういう方の場合、一般的な港湾部でのメバリングを考えているなら、まずはローギアのリールで釣りに慣れていくのが私のおすすめ。
ハイギアのリールはうまく使うと強い武器になるけど、初心者の方が使うと逆効果になる可能性もあるわけで。
まずはローギアのリールを使い、
- しっかりカウントダウンを行って浅い場所~深い場所まで狙い分ける事
- 丁寧に沖合~足元までルアーを引ききり、どんな場所でメバルが釣れやすいのか知る事
このような事をまずは習得し、その上でハイギアリールを使ったメバリングに挑戦すれば十分だろう(必要性を感じなければ、ローギアリールを使い続ければ全く問題なし)。
ちなみに私の場合は、開けた場所の常夜灯周りで小型~中型のメバルを狙うより、障害物周りから良型メバルを引っ張り出すのが好きなので、ハイギアリールを使う機会の方が多いかな。
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