さてさて、今回はシマノから発売されている19ストラディックのインプレッションを。
使用した番手は19ストラディック4000XGで、サーフのキャスティングゲームをメインに使ってみました。
釣行記には書いてませんでしたが、40cm位までのワカナゴやショゴ(カンパチ)の他に、フラット狙いでマゴチなどをキャッチ。
ここではほぼ毎日釣りに出かけている私が、19ストラディックを使ってみて感じた率直なインプレッションを紹介。
良い点も気になる点も両方、メーカーの好き嫌いは無しの公平な視点で使用感をレビューしていく。
私は普段の釣り(餌釣り〜ルアー釣り問わずだいたい全部やります)からステラやヴァンキッシュ、イグジストを始めとして色んなリールを使い分けていますので、わずかな差もそれなりに判断できます。
また、競合する18カルディアや上位機種や下位機種との違いなどにも触れていくので、購入時の参考にしてみてね。
▼後継機種、23ストラディックのインプレはこちら
シマノ 19ストラディックをサクッとインプレ
まずは19ストラディックの使用感を簡単に紹介しておこう。
- 巻き心地:ガタが非常に少ない巻き感
- 飛距離:ロングストローク仕様で全く問題なし
- 剛性感:ボディが非常に強く、負荷を掛けても楽に巻ける
- ドラグ性能:若干カサつき感がある
- ラインローラー:耐久性は良いが、回転の軽さは一歩劣る
ザックリと紹介するとこんな感じになり、この価格帯の中では非常にボディの強さが光っている印象がある。
しかし、上位機種との差は間違いなく存在しており、所々で荒さが目立つというのが率直なインプレッションかな!
ここからは各項目について、もう少し詳しく見ていこう。
巻き心地
まずはリールを購入する時に最も気になるポイントの1つである、巻き心地について。
マイクロモジュールギアのキメの細かさ
19ストラディックにはギアの歯が細かいマイクロモジュールギアが装備されている。
このリールを使ってみて最初に感じたインプレッションとしては、非常にガタが少なくカチッとした仕上がりだという事。
これにはボディの精度なども影響してくると思うが、ギアが細かくて密に噛みあうマイクロモジュールギアの良さが出ていると感じる。
リールを巻いた時のスカスカ感が少なく、キッチリ歯が噛み合ってグイグイ巻き込めるのは19ストラディックの良さだね!
巻いた時のブレや荒さ
マイクロモジュールギアはステラやヴァンキッシュなどの上位機種にも装備されている機能だが、19ストラディックのマイクロモジュールギアは悪く言えば値段相応。
確かに巻き心地は滑らかなのは間違いない。
しかし、ステラなどのようなヌメヌメとした超滑らかという感じは正直言って無いかな。
巻いた時のガタや遊びは少ないものの、微妙な振動やちょっとしたコツコツ感などはやはりある。
私が購入したストラディック以外に他の番手などもチェックしたけれど、やはりどの個体にも微妙な巻きの粗さはあったね。
友人や釣具店の店員さんに聞いても同じような意見で、「確かに巻き心地はいいけどメッチャすごいとは思わない。」という感じ。
そうはいっても、1万円台前半くらいのグレードのリールと比べたら巻きの滑らかさも精度も上なのは間違いないし、実釣に必要な巻き感は十分に備わっている印象はある。
個人的にはダイワのスピニングリールの方が一気に進化してきた印象があり、それに霞む感覚があったかな(もともとシマノのリールは巻き心地良かったし)
負荷を掛けた時の重さ
19ストラディック4000XGを使ってみて感じたインプレッションの1つとして、負荷を掛けた時の重さがある。
ここはやはりハイエンドのステラやイグジストをはじめ、実売価格で30000円以上するようなリールと比べると負荷を掛けた時に巻きが微妙にモッサリする感じはある。
特に剛性感の不足という感じはしないんだけど、ハンドルの巻きが微妙に重たくなる感じは多少あるね。
ロングストロークスプールの飛距離
19ストラディックになって進化したポイントの1つが、スプールのロングストローク化だ。
ステラに遜色ない伸び
今まではステラだけだったロングストローク(スプールが前後に長い)スプールだけど、ここにきて19ストラディックにも搭載された。
これにより、キャスト後半になってもスプール径が小さくなり難く、スプールエッジにラインが当たって生じる抵抗を減らすことが出来る。
これにより飛距離に関してはステラと比較しても遜色なく、同じような感覚でルアーや仕掛けを飛ばせるのは良いね!
19ストラディックの飛距離に関しては全く不満は無し。
19ストラディックの剛性感
次は巻き心地とも被ってくるが、19ストラディックの剛性感についてインプレッションしていこう。
ボディが硬く・たわみにくい
19ストラディックに期待したことの1つがボディの剛性感だ。
シマノのリールはもともと剛性の面ではダイワよりも優れているイメージがあったが、このストラディックの場合も期待を裏切らない。
マイクロモジュールギアの遊びの少なさに加え、ボディの強さも十分確保されている印象がある。
例えば、魚を掛けてゴリゴリとリールを巻いたり、リールのハンドルの巻きでメタルジグを操作したりする時。
こういう時にボディが弱いリールだと、ハンドルを巻くときに微妙にボディがしなってしまってどこか気持ち悪さがある。
19ストラディックの場合はそういった弱さは感じず、負荷を掛けても違和感なくゴリゴリ巻くことが出来る。
上位機種と比べると巻きの重さは若干あるが、弱さは感じずに使うことが出来ている。
ガタの無いハンドル
19ストラディックに採用されているハンドルは折り畳み機能を排除した金属製のハンドルになる。
これはリールの巻き心地や剛性感に大きく影響を与えるポイントになる。
最近のリールは中価格帯でもこのようなガタの出にくい構造のハンドルを採用しているが、やっぱり使用感は良いね!
折り畳み機能は普段使うことが無いし、負荷を掛けて使い続けていると折りたたむためのつなぎ目の部分から弱くなってくるわけで。
この構造のハンドルなら、負荷を掛けても遊びが無く、ストラディックの剛性感をより引き出してくれるね。
ドラグ性能
次は19ストラディックのドラグ性能についてだ。
微妙なカサツキがある
19ストラディックのドラグを使ってみたインプレッションとしては、実釣に必要なドラグ性能は有している。
しかし、特に滑り出しでドラグが食いつく印象があり、微妙にカサカサとしたドラグの効き方をするというのが率直なレビューである。
これは19ストラディックは番手により、カーボンワッシャーが採用されている為だと思われる(4000XGはカーボンワッシャー)。
フェルト素材のワッシャーに比べると、劣化に強くて強い負荷に対する耐久性が優れているが、柔らかな滑りの良さではちょっと劣るような感じがある。
特にドラグの出始めが微妙に硬く、いったん滑り出すとそこからジジジーっと出ていく感じ。
これはフェルトワッシャーを採用しているステラなどとはちょっと効き具合が違って違和感は有ったかな。
そしてスプール逆転時の滑り方もヌルヌルというより、若干のカサつき感がある感じがする。
リジッドサポートドラグ化不可(スプール内部構造簡略化)
19ストラディックのドラグ(スプール)の構造だが、微妙に簡素化されているのがちょっと残念な所。
スプールを支えるシャフトはベアリングを追加できるんだけど、スプール内部にベアリングを追加することができない。
これにより、スプールを2個のベアリングで支えるリジッドサポートドラグ化はできない事になる。
これは上位機種との差別化をする為なのかもしれないが、競合する18カルディアの場合はフルベアリング化できたので少し残念だ。
ドラグ周りにベアリングを2個追加できるのか、それとも1個しか追加できないのかはドラグワッシャーの素材と合わせ、ドラグ性能に微妙な影響を与える気がする。
ラインローラー
19ストラディックはXプロテクト仕様になっており、防水効果が高いラインローラーの構造になっている。
耐久性は良好
19ストラディックに採用されているラインローラーの構造はステラやヴァンキッシュと同じだ。
ラインローラーとベアリングが防水性能が高い一体構造になっているが、このタイプのラインローラーは耐久性が結構高い印象がある。
私が使用してる18ステラ4000XGはサーフのフラットフィッシュゲームなどにかなり酷使してきたが、1年以上はラインローラーの交換は無く使うことが出来た。
その間は数回ほどのグリスアップと使用後の水洗いだけだったが、回転が最後まで固着することは無くて普通に使えた(ただしシャリシャリ音はした)。
なのでサーフの釣りや磯、船などの海水を被る可能性が高い釣りに使うリールとしては、この防水性が高いラインローラーを採用している19ストラディックはおすすめだね!
回転が若干重い
防水性が高いラインローラーを採用している19ストラディック。
このラインローラーの欠点としては、負荷が掛かりにくい釣りに使うと回転性能が微妙に劣る事。
メーカー出荷時の状態では、特殊撥水グリスというちょっと粘度が高いグリスがラインローラーのベアリングに結構沢山入っている。
これによって耐久力が出るわけだが、逆に回転が多少重くなるのは間違いない。
だから海のライトゲームやトラウトなど、軽量なルアーを使う釣りでは微妙にラインローラーの回転に重さが出る。
気になる方は、ラインローラー内部にはオイルを挿したり、より高い回転性能を手に入れるならXプロテクトをキャンセルして2BB仕様にして使うのが良いかもしれない(自己責任で)。
実際、私が使用している19ヴァンキッシュはネイティブのトラウトをメインに使用しているが、ラインローラーの回転が気になるので一般的な2BB構造に変えて使用している。
固着時のパーツ交換が高い
このXプロテクト仕様のラインローラーだが、もう1つ欠点がある。
それはメンテナンス不良などでラインローラーが固着した時、パーツの交換費用がちょっと高めだという事。
一般的なベアリングなら、1個300円~400円前後でベアリングの交換が出来る。しかし、Xプロテクト仕様のベアリングは3000円前後するんだよね(-_-;)
これは結構出費としては痛いものがあり、ベアリングが新しくても洗い忘れたりするとすぐに異音が出るので気を付けたいところだ。
18カルディアと19ストラディックの比較
価格的に競合するダイワの18カルディアと、19ストラディックの両方を使ってみての比較インプレッションをしていこう。
巻き感の違い
18カルディアと19ストラディックだが、巻き感は若干違う味付けになっている印象がある。
ザックリ表現するのであれば、18カルディアの方が巻きは軽快でヌルヌルした感じ。
一方でストラディックの方がギアの噛み合いを強く感じるが、その分ガタは少ない。
正直言ってここは好みで優劣は変わってくるが、耐久性重視ならストラディックの方が有利か。
剛性感
剛性感については、カチッとした巻き心地のある19ストラディックの方が私の好みかな!
この辺りはマイクロモジュールギアの良さが出ているような感じがするね。
負荷を掛けた時のボディのたわみの少なさやブレにくさは、ストラディックが優れている感じがする。
重量
重量に関しては18カルディアの方が微妙に軽いが、ここがやはり軽快さor剛性感を重視したかによって分かれてきているポイントなのかもしれない。
カルディアの軽さは確かに武器だけれど、釣り物によってはそこまでリールの重要は気にならないものもあるわけなので、個人的にはあまり重要視していないかな。
拡張性
ここは18カルディアの方が優れているんじゃないかな。
ハンドルノブに2BB、スプール・ドラグ周りに2BB、ラインローラーに1BB追加することで11ベアリング仕様にできる。
一方でストラディックの場合はハンドルノブに1BB(初期で1個入っているから)、ドラグ周りに1BB化に限られている。
19ストラディックインプレまとめ!
大体こんな感じで、シマノ19ストラディックを実際に使用したインプレッションの紹介はおしまい。
このリールを1言で言うなら、「ガタがかなり少なくカチッとした剛性感」というのが最大の特徴かなと。
軽快な使い方をしたいなら18カルディアの方が好みという方もいるはずだが、私の場合は負荷が掛かった時の強さを求めるならストラディックの方がおすすめかな!
この辺りは使う釣りや番手によってベストは変わってくるはず。
また、細かい所の巻き感などはやはり上位機種には敵わない感じはするかなぁ。
そうはいっても、非常に良く出来たリールで実釣に必要な性能は確保されているのは間違いない。
後は予算と、「どこまでリールに快適性を求めるのか」っていうことになってくると思う。
それでは、今回はこの辺で。また明日会いましょう!
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大変わかりやすいレビューで助かります!
上位機種と比べてハイギアの巻きはじめの重さとかは感じるもののこの値段でこのカッチリ感は魅力ですね。
友人の3000MHGも実釣で使わせてもらいましたが道具としては十分以上ですね^^
こんにちは、まるなかです。
個人的にはダイワのLTシリーズの方がインパクトがあったので、想像よりは普通のリールでしたね笑
それでも十分使える良いリールのはずです!
最終的には使う釣り物に合わせて選ぶ感じでしょうね!!