さて、今回紹介するのは
スピニングリールのメンテナンス方法ですね!
その中でも、分解して行うような専門的なものではなく、日常的に釣行を行った後に行うような
ベーシックで最も基本となってくるやり方を少し紹介しようかと。
人によって少しずつ手順が違ったり、使う状況によっても多少違ってくる部分はあります。
そのあたりも少しずつ簡単に触れていきながら、日ごろに行いたいメンテナンスしておきたい箇所や
オイルを使うのか、グリスの方が良いのか?
ちょっとした理由なども解説していきますので、まずはここからスピニングリールのメンテナンスに挑戦してみてくださいね。
スピニングリール 日常メンテナンスの基本アイテム
今回使用するオイル、グリス
さてさて、早速本題に入っていきたいのですが
まずは今回使用するアイテムを少し紹介しておきましょう。釣具屋さんに行くと、色んなオイルやグリスが売っていると思います。
よく見たことのある、シマノやダイワ製のオイルやグリス。
ちょっとしか入っていないのにめっちゃ高いアイテムまで・・・・・。
私は過去に色んなアイテムを使ってきました。かなり高価なオイルなども使ってきましたが
結局の所、ベーシックで使いやすいアイテムに戻ってきました。
今回はどなたでも使いやすく、私自身が使っているアイテムを使います。
今回は簡単に使いやすい、スプレータイプのオイルとグリスを使いますね。
オイルは、シマノザルスリールオイルスプレーを使います。
粘度が低いオイルなので、持ちを重視するなら普通のオイルスプレーでもOK。
そしてグリスはコレ。
スプレー式のグリスは粘度が比較的低いものが多い。
耐久性は若干劣りますが、分解しなくても浸透しやすいメリットがある。
この2つがあれば、とりあえず日常的なスピニングリールのメンテナンスは十分行うことができますからね(*^^*)
ダイワ製のオイルやグリスが良いということであれば、そちらでも構いませんよ!
オイルの選び方のポイント
メンテナンスに使用するオイルを選ぶポイントですが、
回転性能を徹底的に求めたオイル(バス釣り用のベイトリールに使うようなもの)は、ベアリングなどの回転性能が高く引き出せるような低粘度の設計になっている。
その分揮発しやすく、メンテナンスを頻繁にやらないとオイル切れになってしまってベアリングが痛んだり、かえって回転が悪くなったりすることが有る。
また、回転性能よりも防錆性を重視したい海水で使用するリールにもこういった高回転性能に特化したオイルは向いていません。
まとめてみるとこんな感じ
- 低粘度でベアリングの回転性能をより高める
- 揮発しやすく、マメなメンテナンスが必要
- サビの心配のない淡水の釣り向き
- 多少の粘度が有る
- 回転の軽さは劣るが、持続性が高い
- 多く挿しすぎると回転が重くなる(特にベイトリールのスプール)
- 防錆性を求める海水の釣りや、耐久性を重視したい釣りに向いている
グリスの選び方のポイント
続いて、スピニングリールのメンテナンスに使うグリスの選び方のポイントを少し紹介。
今回は使いやすさを求めてスプレー式のものを使用していますが、グリスはチューブタイプやビン、プラスチック容器に入ったもの等も発売されています。
基本的には、スプレー式のものは低粘度のものになる傾向があるかな。
- 低粘度で浸透性が高く、分解しなくても内部に入り込みやすい
- 防錆性は劣ることが有る
- 洗った際や使い込んだ際にグリスが抜けやすく、注油の頻度が増える
- 回転が重くなり難い
といった所かな。
- 比較的粘度が高く、分解して直接塗る必要がある
- しっかりパーツを保護し、防錆性に優れる
- 洗浄したりしても飛びにくく、持続性が高い
- 塗りすぎたり古くなったグリスが溜まると回転性能が落ちやすい
といった事が有る。
このような事から、今回は日常的な使いやすさを第一に考えてスプレータイプのグリスを選びました。
分解する自信が有ったりする方は
チューブタイプなどのグリスを合わせて買うと、メンテナンスのバリエーションが増えるし必要とされる性能に応じて使い分けができるようになる。
ちなみに、私が普段ギアなどに使うスプレー式以外のグリスはこちらを使っています。
後で紹介するドラグの蓋の裏側や、ギアまで分解してメンテナンスする際はこういったタイプのグリスが有ると役立つかな。
ですが、基本的には無くても問題は無い。ステップアップしていって必要だなと感じた時に購入すれば十分かな(*^^*)
スピニングリールのやっておきたいメンテナンス箇所、手順
さぁ、必要なアイテムが揃ったところで早速メンテナンスを始めていこう。
まずはオイルを挿すのか、それともグリスが良いのか?
どこに何を使ったらいいのかわからないですよね。そこで、普段私がメンテナンスを日常的に行う場所と何を使えばいいのかを少しまとめてみました。
ざっとまとめてみるとこんな感じになるかな。
ごちゃごちゃ講釈垂れても始まらないので、早速少し詳しく見ていきましょう。
スピニングリールの水洗い方法
淡水で使った場合、毎回洗う必要は正直言ってないかな。海水で使った場合は必ずリールを使用後に洗うようにしよう。
リールメンテナンスは、まずは水洗いから始まっているのだ!
★詳しいリールの水洗い方法については「スピニングリール 水洗い方法の基本」にあるので、ちょっと詳しく見たい方は参考にしてください。
ここでは手順と注意点を簡単にまとめておく。
- 洗う前にドラグをしっかり締め、水が内部に入りにくくしておく。
- お湯は使わない事
- 水は上方向から掛ける
- スプールの部分をしっかり洗い、糸に染み込んだ塩分を抜く
- 水を掛けながらハンドルを回す
- ベールをしっかり可動させる
- ラインローラーに糸を通し、水を掛けつつしっかり稼働させる
- ハンドルノブもしっかり回す
- 水洗いが終わったらドラグを緩め、必ず水を布などでふき取る(ふき取らないとリールの表面が腐食しやすくなったり、オイルなども流れやすくなる)
まぁこんな感じだ。
これでまずはリールに着いた海水や餌などの汚れを落とすことができた。
そして日陰で軽く乾燥させたら注油作業に入る。
リールが濡れたまま注油すると、パーツ表面にしっかり保護膜が形成されなかったりして、本来の効果を発揮できなくなったりすることが有るので注意!
グリスアップの場所
まずはグリスアップからしていきましょう(*^^*)
ドラグ部
まずはドラグノブを緩め、スプールとノブを外します。
この時、ノブの裏とスプールのドラグ部の上部の擦れる部分のメンテナンスを行います。
ティッシュペーパーなどを使い、しっかりと古いグリスと汚れを落としてから
グリスをドラグノブの裏側に塗ります。
ここではスプレー式のグリスを使っていますが、より防水性を高めたいのであればチューブタイプのグリスを使っても良いかな。
指などを使い、ムラなくグリスを伸ばしてからスプールを装着しましょう。
これで日常的なドラグ部のメンテナンスについてはOKでしょう。
もし、ドラグが滑りすぎたり、硬くなってしまって滑り出しが重くなったり、効き具合にムラが有るような時は
ドラグ部のワッシャーを分解してのメンテナンスが必要になってきます。
★詳しい方法は「スピニングリール ドラグメンテナンスの基本」をご覧ください。
ハンドルのつなぎ目
そして次にグリスを塗っておきたいのが
ハンドルの折りたたみ部やつなぎ目の箇所。
ここは結構錆が発生しやすい場所になるので、グリスアップしておくと錆の発生を抑える効果が有ります。
しっかりゴミなどをティッシュや綿棒などで取り除いてから、新しいグリスを塗ってください。
あまりに錆が進行すると、ネジが折れてしまったりすることが有りますからね(-_-;)
さて、ここまでがグリスアップをしておきたい場所になります。
結構簡単にできるものばかりですから、暇があった時などにササっとやっておくとリールの性能が維持できますし、長持ちするようになりますよ♪
オイルを挿す場所
スプールのシャフト軸
この部分はスピニングリールを使う上で、常に上下に可動している場所になります。
また、ゴミなども巻き込みやすいので汚れもひどく溜まりやすい所になる。
しっかり汚れをふき取ってから、オイルを挿してあげましょう。
この時、リールによってはシャフトの付け根の部分にベアリングが入っているものもあります。ベアリングにも必ず注油を忘れずに行うようにしてくださいね♪
一度オイルを挿してみたら、少しリールを巻いてシャフトを上下させてみてください。
ここでまた少し汚れがシャフトに出てくるようであればもう1度汚れをふき取って注油しなおした方が良いかな。
※ここに粘度の高いグリスを挿してしまうと、巻きがかなり重たくなってしまうことが有るので注意しましょう!
ハンドル軸受け
ハンドルキャップとハンドル1式を取り外したら、左右の両側の付け根にある軸受け部分に注油します。
ここはグリスを挿しても良い場所ですが、
自分で分解できない場合は古くなったグリスがリールの内部にどんどん溜まっていきやすい。
ですので個人的にはオイルを挿す方が無難だと思います。余計な古いグリスが溜まっていくと、巻き心地が重たくなったりしてしまいますからね(-_-;)
古くなったオイルやグリスがあふれているようでしたら、しっかり余分をふき取ってから作業を行ってください。
グリス・オイルの両方が使える場所
さて、ここからは使い方や釣りに出かける場所などによって
グリスが良いのかオイルが良いのかわかれてくる場所。
ちょっとややこしいかもしれないけど、基本はどちらでもいいというのが正直な所かな。
それでもどちらが良いのかという考え方はもちろんある。
今回はそのグリスとオイルの使い分け方を紹介しておくので、参考にしてどちらを使うのか選んでくださいね(*^^*)
ラインローラー
このラインローラーですが、回転が不良になると釣り糸がのヨレが酷くなり
ライントラブル多発の原因となるので重要なメンテナンスポイント!
しっかり回転する状態を維持しよう。
まず、ここに金属製のベアリングが使用されていない場合。これは比較的安価なエントリーモデル~中級位のリールに多いかな。
この場合、プラスチック製のカラー(輪っか)が入っていることが多いんですが、
この時はより回転が軽くなりやすい
「オイル」
を挿しておくのが無難。
そして、ベアリングが入っている場合がちょっと厄介。
まず、ここにオイルを使用する場合は今回紹介したものでいい。
ベアリングが入っているリールで
分解しないで外から注油するとなると、オイル又はスプレー式のグリスになる。
しかし、自分でラインローラーを分解してグリスを挿すことのできる場合は
サーフや磯、船などの潮を被りやすい場所で使うのであれば撥水性の高い専用のグリスを塗った方が無難。
海で使うけれど、港の中などのそこまで潮を被らない状況下で使うのであればスプレー式のグリスでも可。
といった感じ。
ちなみにラインローラー用の撥水グリスというのはこれ
基本的にはオイルの方が回転が軽くなるんですが、
防錆性能や持続性が劣ったり、負荷が掛かった際にシャラシャラと異音が鳴る場合がある。
この際はグリスを塗っておくと多少回転は重くなるが、ラインローラーからの異音などは発生しにくくなるし内部のベアリングも腐食しにくい。
まとめてみると、こんな感じ
・ベアリングが入っていないリール→オイル
ベアリングが入っているが分解できない時
- トラウトやアジングなど繊細な釣り→オイル
- 海釣りやある程度負荷の掛かる釣り→スプレー式グリス
ベアリングが入っていて自分で分解して注油する時
- トラウトやアジングなど、軽量で繊細な釣り→オイル
- 港湾部の釣りやある程度抵抗のある仕掛けを使う釣り→オイル又はスプレー式グリス
- サーフや磯、船などの過酷な状況下→撥水グリスまたはスプレー式のグリス
私の場合はこんな感じで使い分けているぞ!
そして、ラインローラーを固定しているネジは錆びやすいパーツになる。ですのでネジの部分にオイルかグリスを挿しておくと、ネジが錆びにくくなるのでちょっとおすすめ。
ベールの可動部
ここも左右2か所あるので、忘れないように。
ここも分解してメンテナンスできるのであればスプレー式のグリスでもいい。
しかし、グリスだと内部にまでしっかり浸透させるのが難しかったり、中に古くなったグリスが溜まりやすかったりする。
ですのでそういった際はオイルでも良いかな!
私の場合は分解もやるので、スプレー式のグリスを使うことが多いです。
そしてここのネジも腐食しやすいポイント。オイルでも良いし、グリスでも良いのでネジの表面に注油しておくと効果的ですよ!
ハンドルノブ
さぁ、メンテナンスも大詰めに入ってきた。
ここまでしっかりついてきているかな?
最後はこのハンドルノブですね。
ここもハンドルノブの種類や使い方によってオイルが良いのか、スプレー式のグリスが良いのか?少し変わってくるポイント。
基本的に、エントリーモデルなどはハンドルノブのキャップを開けた時、ノブを固定しているビスにネジ山が付いていないものが多いかな。
これらはハンドルノブを取り外しできないものになり
この場合は内部への浸透性などを考えて「オイル」が適切に感じる。
そして、ネジが付いていてハンドルノブが取り外せるが、プラスチック製のカラーになっている場合も同様に「オイル」を基本にすればいいかな。
最後のベアリングが入っているパターンですが、考え方はラインローラーと同じ。
よりハンドルノブの回転を軽くしたいが、防錆性が若干落ちてもいいなら
「オイルを使う」
一方で潮を被りやすいシチュエーションで使うのであれば
「より粘度の高いスプレー式のグリスを使う」
こんな風に使い分けをすると良いんじゃないかな。場合によっては最初にスプレー式グリスをほんの少し挿し、ちょっとオイルを足してみて粘度を調整したりもできる。
ちなみにハンドルノブが外せるもので、シマノのリールであればカタログなどにAタイプなど、ダイワであればSタイプなどのノブの種類の記載があるものは
プラスチック製のカラーからベアリングに交換できるものがある。
一度ハンドルノブをバラしてみて、ベアリングの代わりにプラスチックのカラーが入っていたらベアリングの追加チューンなんかも面白い。
より巻き心地を軽く、滑らかにすることができる。
ただしメーカーやリールの種類などによってベアリングの大きさが変わってくるので気を付けよう。
まとめ
今回は日常的に行うことのできるスピニングリールのメンテナンス方法を紹介させていただきました。
これが最もベーシックなメンテナンスになってきますが、普段の釣行後のメンテナンスとしてはこれくらい行うことが出来れば十分でしょう。
特に注意したいのが、メンテナンスを行わずに長期間使うことが無くなった時。
このような場合、購入したばかりのリールであっても次に使う時にはひどく腐食が進んでいたり、リールの回転性能が悪くなったり。
使う頻度が低い方や間隔が一時的に空いてしまうような時こそ、少し丁寧にメンテナンスしてから保管しておくと良いですね。
では、今回はこの辺で。
それではまた明日会いましょう!