【魚屋が教える】サバの鮮度・脂の乗った個体の見分け方

記事内に広告を含みます

サバの鮮度 脂 見分け

さてさて、今回は美味しいサバの見分け方について。

先日サバの鮮度の見分けについて質問を受けたので、この機会にちょっと詳しくサバの見方を紹介しておきますね!

私は普段から仕事で魚を扱っていて、料理屋さんに魚を選んだりしている。

もちろんサバも毎日目にしており、ずっと見続けていると段々目利きが出来るようになってくもの。

ここでは写真をたくさん使い、他では教えてもらえないような細かいポイントまで紹介していくので、覚えておくとサバ選びが楽しくなるかも。

それじゃあ早速、本題へと話を進めていこう!



サバの鮮度の見分け方

まずは、鮮度の良いサバを見分けるにはどこを見たらいいのか?

順番にチェックポイントを紹介しつつ、実際の写真を使って解説しましょう。

腹の硬さ

丸の状態のサバの鮮度を見分けるのであれば、一番わかりやすいのが腹の状態。

サバは捕獲されるときに餌をたくさん食べていることが多く、死後時間が経つと腹の内容物の腐敗が進みやすい。

サバのおなかの部分を指で優しく押してみて、弾力があってしっかりしているものの方が鮮度が良い事が多い。

一方で切り身の状態になっている時、鮮度の低下しているサバの腹はこんな風になっている。

鮮度の悪いサバ

おなか周りがドロッとしており、あばら骨が浮いているのが分かる。

こういう個体は腹が柔らかくなっており、鮮度が落ちている事の目安になる。

皮・身の張り

鮮度が良いサバは身がしっかりしていて、皮や身に張りがある。

しかし、鮮度が落ちてくると身が柔らかく崩れやすくなり、皮にシワが出来たりすることがある。

特に身が柔らかいマルサバ(ゴマサバ)はそのような状態になりやすい。

目の色・弾力で鮮度は分かりにくい

魚の鮮度を見る時は目を見ろと言われることがあるが、サバの場合は目だけを見て鮮度を判断するのはかなり難しい。

ヒラメ 目 鮮度

ヒラメ等の場合は目の弾力(飛び出し具合)で鮮度の目安を付けることが出来るが、サバの場合は目の張りが比較的弱く、劣化しても状態がそこまで変わらないからだ。



脂が乗ったサバの見分け方

次に、脂が乗ったサバはどうやって見分けるのか?

最初にきっぱり言ってしまうと、

さばは切っていない丸の状態では、脂の乗り具合を判断するのは結構難しい。

魚屋や料理人の方でも、見たり触ったりしただけで脂が乗ったサバを完全に当てるのはかなり難しいのが実際だ。

サバの旬を知る

サバには旬があり、旬の時期のサバは外見的に大したことが無くても脂が乗っている個体の割合が増える。

基本的にマサバ(平サバ)の場合は秋~冬、遅い時は初春位まで脂が乗っていることが多い。

一方でゴマサバ(丸サバ)の場合は夏~初秋位が旬になる。

ただし、サバの中には旬とは関係なく脂が乗っている個体が居たり、居つき(回遊しない)個体がいたりするので例外もある。

※よくゴマサバは不味くてマサバがうまいと言われるが、それは旬が違うし身質も違うから適した調理方法が違うんだよね。美味しいサバはゴマサバでも普通に旨いよ。

体型を見る

サバ 体型

上の個体は結構分かりやすいと思うが、最も見た目的に分かりやすいのはサバの体型を見る事。

ただし、丸々と肥えているサバでも捌くと脂が無いパターンもあるので、見た目だけで判断すると外れやすいんだけど。

上のサバの方がふっくらしており、特にピンクで囲った辺りの丸みがやせた個体とは違ってくる。

あとは、体の大きさに対して顔が小さいものの方が脂が乗っている個体が多い傾向がある。

基本的に顔が小さい魚というのは、餌をとるのが上手で成長が早いものが多いんだよね。

一方で顔が大きい個体は餌を食うのが下手だったり、老齢魚であることが多いように感じている。

腹の厚みを調べる

鮮度を見る時に腹の部分の身の硬さをチェックするが、それとちょっと似ているけど違う部分。

サバに限らず、脂が乗った個体というのは腹の肉が厚く、内臓の量が少ない傾向がある。

サバ 脂 腹の厚み

目安としては大体ピンク色で囲った辺りかな。

大体この辺を指で押してみると、脂が乗っていないサバは腹の肉が薄く・内臓の質感が伝わってきやすい。

一方で脂が乗っている個体の場合は腹が厚い事が多く、腹の部分の身が厚くてモチモチっとした感触がある。

丸々と肥えていても、中が卵や胃の内容物でいっぱいの個体は腹の壁が薄く、触った時の感触が微妙に違う(言葉で表すのが非常に難しい・・・)。

これはちょっと慣れが必要になる部分だが、経験を積むと結構高い精度で脂が乗った個体を見つけ出すことが出来るようになる。

体表のキメの細かさ

脂の乗っているサバとそうでないサバを見比べてみると、体表のキメの細かさが違うこともある。

これも言葉で表現するのが難しいんだけど、上の画像のサバのキメの細かさはまずまずってレベル。

サバ キメの細かさ 脂

分かりやすく言うと、こんな感じでギランギランと光り方にムラがあるサバはあまり良くないものが多い。

脂が乗ったサバは変に光ることが無く、光を当てると均一に・細かく光を反射する感じ。

上の3匹並んだ写真で言うと、一番上の個体がキメの細かさ的には一番良いかな!

身の断面を見る

これが一番確実であり、一番覚えておいてほしい見分け方かな!

切り身や3枚おろしの状態になっているサバであれば、身の状態をしっかり見ることで脂の有無を判断できるぞ。

サバの切り身 脂

じゃあこのサバは脂があるか分かるかな?

見方を覚えてしまえば、判断は結構簡単に出来る。

答えを言ってしまえば、かなり脂が乗っているサバになる。

どこを見たらいいのかというと、

脂の乗ったサバの切り身

この画像だと、分かりやすいのはピンク色で囲った部分が良いかな。

身の中に「こまか~い白い線のようなもの」が無数に入っているのが分かるかな?

これが脂が乗っているサバの身の特徴になる。

慣れてくれば断面を一瞬見ただけで見分けがつくようになるよ。

一方、脂が乗っていないツルツルのサバの場合は

脂の乗っていないサバ

こんな感じで、さっきみたいに細かい模様が入っていない。

脂が乗っていない個体は赤・青っぽい身のものが多いが、色だけで判断すると失敗することがあるので気を付ける。

じゃあこの切り身は?

サバの切り身

脂が乗っているサバになるぞ。

身の中に白いサシが入っていて、皮と身の間に脂の層があるのも見えるね!

身が白いから脂が乗っているというのは間違い

身が白いサバは脂が乗っていると言われることがあるが、それだと目利きに失敗することがあるので気を付ける事!

間違いってわけではないが、氷焼けという現象で身が白く変色しているパターンがある。

サバに氷が直接触れたりして、必要以上に冷えすぎた時に起こる現象だ。

氷焼け サバ

ちなみに、酷い氷焼けを起こしたサバはこんな感じ。

鮮度も悪いし、色が変に白く濁っている。

単に色だけで判断してしまうと、脂のように見せかけて実は焼けているだけのことがあるから要注意!

 

ザッとこんな感じで、サバの鮮度と脂の乗った個体の見分け方の基本はOKかなと。

初めはちょっと難しいかもしれないけど、慣れてくるとその精度も上がって来るし、結構楽しい。

美味しい魚を選ぶ技術は一度身に着けておけばずっと使えるので、良かったら魚屋さんやスーパーで使ってみてね。

それでは、今回はこの辺で。また明日会いましょう!

9 COMMENTS

すってんてん

こんばんわ!私、サバは一番好きな魚かもしれません。
何をしても美味い魚ですが、やはりマサバの刺身。
脂ののりが8割ぐらいのやつを焼酎といっぱいやるのが最高。
白い飯だと食いすぎますw

関サバもよく食べました、確かにしっかりした身質と脂の乗りは素晴らしいですが
あれなら島アジ食っとけばいいかなと。松輪もさいきんレベルが落ちてる印象。昔はほぼ根つきでしたよね。
貧乏舌の私はまき網でとった羽田沖のサバが一番あっているようです。

返信する
まるなか大衆鮮魚

こんにちは、まるなかです。

新鮮なサバは本当に美味しいですよね~。ヒスタミン中毒にならないように注意ですが(笑)
松輪のサバは良い時はかなり良いものが入ってきますが、最近はちょっと少なめな気がしますね~。

個人的には生よりも煮付けなどの方が好きなので、宮城辺りのゴマサバの方が実は好きだったり・・・・。
関サバ・関アジは確かに美味しいですが、身が締まりすぎていて個人的にはそこまでかなぁって感じですね。
魚の美味しさは個人個人で感じ方が違いますし、奥が深くて楽しいですね!!

返信する
M-KAZU

こんにちは
 サバ大好きです。今年はあまりサバが釣れなかったんですが、数日前に1匹キープししめ鯖にしました。サイズが少し小さかったのであまり期待していなかったのですが、そこそこ脂もあり美味しかったです。殆ど生状態のしめ鯖は最高です。逆に塩サバや味醂干を作るとパサパサしてしまい、いつもがっかりしています。作り方が悪いのか?鯖が駄目なのか?
 キープするかリリースするか判断する際の参考にさせていただきます。

返信する
まるなか大衆鮮魚

こんにちは、まるなかです。

パサパサになる原因としては、単刀直入に言うと脂が薄いからですね!
塩サバとしてスーパーで売られているのはノルウェーサバだったり、旬の脂が乗った個体をアミで取ったものが意外と多く、脂の乗りでは沿岸部で釣れるものよりも良いものが多いです。
基本的に駿河湾周辺で釣りで釣れるサバは、鮮魚業界レベルで言うと脂が乗っていると言えるものは殆どないというのが現状です(-_-;)

サバに限らず、魚は生で食べると多少脂が薄くても鮮度が良ければ美味しいんですが、加熱すると脂の乗り具合の差がハッキリ出てしまうので、どうしてもパサパサしやすいですね。
なので作り方が悪いのではなく、サバの方に問題があると思いますよ(笑)

返信する
M-KAZU

まるなか大衆鮮魚様
 なるほど納得です。ありがとうございます。
 最初に回遊してくる40㎝オーバーのゴマサバは、そこそこ脂もあり美味しいんですが、全てシメサバになってしまいます。これを塩サバにするのはもったいなくて・・・

返信する
まるなか大衆鮮魚

ゴマサバは水気が多い分柔らかいんで、締めるよりも加熱した方が美味しかったりしますよ!
私の場合、煮付けや加熱用に使うならマサバよりもゴマサバ派です!!

返信する
まるなか

こんにちは、まるなかです。

竜田揚げなど、油を使う料理に使った方が良いんじゃないかと思います。
焼いたり煮たりするとボソボソになりやすいので。

返信する

M-KAZU へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です