さてさて、今回はPEラインとショックリーダーの結束に使われることの多いFGノットの話。
FGノットにおけるハーフヒッチの効果って何なの?
という事について。
ハーフヒッチによってノットの強度が上がるとか言われることがあるけど、今まで釣りをしてきた感覚としては
「編み込みがしっかりできていれば関係ないんじゃないの?」
というのが率直な所。
今まで気にはなっていたんですが、実際にハーフヒッチの有無によるFGノットの強度の違いを測定したことはなかったのでこの機会に比較実験を行ったぞ。
合わせて、FGノットを組む際のハーフヒッチの回数などについても私なりの考えを紹介する。
ハーフヒッチ無しのFGノットの強度を測定
まずはハーフヒッチ無し、編み込みを行ってしっかり締め込んだだけの状態で強度を測定してみた。
なお、今回はPEラインは0.5号+ショックリーダー4号という組み合わせで測定を行った。太いPEラインはFGノットだと完全に締め込むのが難しいし、ラインを引っ張って切るのも大変だからね。
ハーフヒッチ無しでFGノットを組むことは普段はまずないので、ちょっと楽しみではある。
計測は3回行ったが、結果としては
- 約4.45kg
- 約4.65kg
- 約4.5kg
3回とも比較的安定した強度が出ており、0.5号という細いPEラインということを考えれば悪くはない数値(このラインの平均直線強度はカタログ上5kg)
ハーフヒッチ無しでも切れ方は良い
ラインブレイクした場所がFGノットではかなり重要。
ノットがすっぽ抜けて切れていたらそもそも摩擦が足りないという事になるから、PEラインの強度がしっかり発揮できていない目安になるよね。
今回ハーフヒッチ無しのFGノットを組んで引っ張ってみた結果、切れ方はこんな感じ
リーダー上に編み込み部分が残り、ノットの端の部分でラインブレイクしている。この切れ方の場合は摩擦力は十分出ていて、PEラインの強度がうまく引き出せているという目安になるぞ。
このように、編み込み部分の締め込みがキッチリとできていればハーフヒッチ無しでも思った以上の強度は出せるらしい。
ハーフヒッチを入れた状態でのFGノットの強度
次に、ノットを締め込んだ後にハーフヒッチを入れて同じように強度を測定してみる。
ハーフヒッチの回数は6回、普段私がFGノットを組む際の基準にしている回数を加えてみたぞ。
ちなみにここで言うハーフヒッチは、リーダーのヒゲとPEライン本線を合わせた状態で行うもののこと。
この状態での強度を測定してみると、結果は以下の通りになった。
- 4.55kg
- 4.55kg
- 4.5kg
最低でも4.5kg以上の強度を引き出すことはできたが、ハーフヒッチ無しの状態と比較しても強度の違いは良くわからない。
組んだばかりの状態のFGノットの場合、ハーフヒッチの有無で強度が明確に変わることはないのかもしれない。
FGノットにおけるハーフヒッチの効果は?
次に、ハーフヒッチの効果について少し考えてみよう。
耐久性を上げる
しっかりと締め込まれた状態のFGノットの場合、実験の結果からしても直接的に強度に影響するわけではないようだ。
しかし、ハーフヒッチ無しの状態でキャストを繰り返すとどうなるのか?
ハーフヒッチ無しのFGノットを組んで強めに一気に引っ張ったりしてみた所、分かりにくいかもしれないが編み込み部分が端から徐々に伸び始めた。
実際の釣りでは魚の引きだったり、ルアーを操作したりキャストの衝撃だったり。色んな負荷が掛かるので、
ハーフヒッチが無い状態ではノットの編み込みが徐々に変形して緩んできてしまうと思われる。
だから緩み防止のストッパーとしての効果も期待し、最低限のハーフヒッチは入れた方が良いと思う。
ノットの段差を少なくし、キャスト・仕掛けの落下をスムーズにする
リーダーのヒゲをカットした後にもハーフヒッチは行うが、その場合のハーフヒッチはノット部の段差を小さくする効果がある。
ショックリーダーのヒゲをカットしたり炙った後、すぐにノットを完了してしまうと段差が大きくなってしまいがち。
ガイドにその部分が接触してしまって抜けが悪くなるし、衝撃によって編み込み部分の変形に繋がる可能性もないとは言えない。
そこでPEライン本線に対し、再びハーフヒッチを入れているというわけだね。
このハーフヒッチによってノットの段差が小さくなり、ガイドの中にノットを巻き込んでキャストしたり仕掛けを落とす際にもスムーズに釣りがしやすくなる。
なお、この部分のハーフヒッチは大体6回~10回くらいを目安に行ってエンドノットをするのが私流のFGノット。
リーダーを巻き込んでキャストする釣りをするなら、一旦エンドノットを組んだ後に
再び5~10回ほどハーフヒッチを軽めに行い、エンドノットをすることであえてノットの全長を長くして段差をより目立たせにくくするテクニックも有効。
こんな風に、編み込み後の部分をわざと長くするFGノットは結構使い勝手がいい。サーフの釣りやショアジギング、船からのジギングなどで使いやすい。
締め込みの甘さをサポートする
今回は締め込みやすい細い号数のPEラインを使い、しっかりと締め込みができていれば強度には大差ないことが分かった。
しかし、ちょっと太い号数のPEラインになると完璧な締め込みはかなり大変になってくる。それをサポートする意味でのハーフヒッチならば強度にも多少影響してくると思う。
強度を増すのを目的としたハーフヒッチなら、回数は最低でも8~10回くらいは行わないと効果が薄いんじゃないかな。
実際にPEラインとショックリーダーをハーフヒッチだけで止めようととチャレンジすると分かると思うが、PEラインの滑りは予想以上だ。
数回ハーフヒッチをしたくらいでは、全くリーダーは止まらない事が分かるはず。
FGノットにおけるハーフヒッチの回数は?
最後に、FGノットを組む際のハーフヒッチの回数について。
FGノットの際ハーフヒッチを行うのは、
- 編み込みを締め込んだ後、リーダーのヒゲとPE本線を合わせて状態
- リーダーのヒゲをカットした後
この2工程になるね。
1.編み込みを締め込んだ後
リーダーとPEライン本線を合わせた状態でのハーフヒッチの場合、今回の実験からも分かるように
しっかりと締め込みが出来てさえいれば強度に直接的な影響は無い。
だから強度を増すというより、キャストの衝撃などによる耐久性を増すのが主な役割になる。この場合、ハーフヒッチの回数の目安は大体3回~6回くらいで十分だと感じる。
一方で太めのPEを扱う場合や編み込みに不安があり、強度の面でもハーフヒッチで補強したいなら10回前後を目安にすると良いんじゃないかな。
2.リーダーのヒゲをカットした後
FGノットの最終工程、PEラインの本線と合わせたハーフヒッチの場合。
この場合はノットの段差を少なくし、スムーズな釣りができるようにするのが主な役目になって来るね。
ここでのハーフヒッチの回数は、大体6~10回くらい行ってエンドノットするのが個人的にはバランスがいい。
より段差を少なくしたいのであれば、先程紹介したように
1度エンドノットを組んだ後、再びハーフヒッチを5~10回行ってエンドノットするのが良い。なお、このハーフヒッチはそこまできつく締め込む必要はない。
- ノットを締め込んだ後:3~6回が目安。強度を増すのが目的なら10回前後は必要
- リーダーのヒゲをカットした後:6~10回くらいが目安。ガイド抜けを良くするならエンドノットを行った後、再びハーフヒッチをする
FGノットにおけるハーフヒッチについては大体こんな感じかな。自分に合った組み方を見つけ、快適な釣りに役立てて欲しい。
それでは、今回はこの辺で。
また明日会いましょう!