こんにちは、まるなか(@marunakafish)です。
さてさて、今回はPEラインのお話をしていきましょう。
今日のテーマは、主にルアー釣り初心者の方から時々質問を受ける「PEラインが切れてしまう」というトラブルの原因とその対策方法について。
PEラインは細くて優れた強度がある反面、意外なところからのダメージやちょとした衝撃であっけなくブレイクしてしまう可能性が高い。
ライントラブルが発生すると、タックルを信用して使うことが出来なくなったりして釣果にも悪い影響を及ぼす。
筆者である私の経験としては
- 年間釣行数250~300以上
- 現在は毎日釣りをして生活している
- 渓流~船釣りまで、ルアー・餌などジャンル問わずに経験あり
- メーカーからプロスタッフとしての勧誘経験あり
こんな感じで毎日釣りをしていて実釣実績もそれなりに有るので、参考になる部分もあるはず。
前置きはこれくらいに、早速本題へと話を進めていこう!
PEラインが切れてしまう時の主な原因とチェックポイント
まずはPEラインがあっけなく切れてしまう時、チェックしておきたいポイントについて簡単にまとめておこう。
仮に私が高切れなどに悩まされた場合、このような箇所を順番に見ていく。
- ガイドの傷
- リールのスプールリングの傷
- ベール・ラインローラーの傷
- ガイドリングの汚れ
- 釣り場にラインが擦れるものが無かったか?
- PEラインの劣化
- PEライン・リーダーの伸度
- ロッドとラインの相性
主なチェックポイントとしては、これらになるかな。
ここから先は各項目について、順に詳しく解説していこう。
ガイドの傷
最も分かりやすく、比較的可能性が高いのはガイドの傷になる。
ラインが前触れなくスパッと簡単に切れる
ガイドに傷が入っている時は、キャストを繰り返す中でPEラインが切れるというより、釣り開始直後などにあっけなく・スパッとラインが切れてしまうことが多い。
基本的には釣り竿を地面にぶつけたりする物理的な衝撃により、ガイドリングが割れていたり、傷が入る。
ある程度のグレード以上のロッドに使用されているSiCリングやトルザイトリングは硬くて擦り傷は付きにくいが、その分衝撃でガイドリングが割れやすい傾向があるから気を付けよう。
ガイドの傷のチェック方法・対応策
ガイドリングの傷をチェックする時は、カッターナイフを使用するのがおすすめだ。
カッターナイフの刃をガイドリングに軽く当て、リング内をぐるっと一周させてみる。
ガイドに傷がある時はカッターの刃が引っ掛かるような感触があり、比較的小さな傷や割れでも発見しやすい。
なお、安価なエントリーモデルに使用されているガイドリングは柔らかいものも多く、強く刃を当てるとガイドが削れる可能性が無いともいえないので要注意。
SiCガイドなど、しっかりした素材のガイドリングであれば、ナイフの刃を軽く当てるくらいでは傷になることは無い。
ガイドの傷は実釣時に命取りになることも多いので、少しでも傷があったら新しいものに交換するようにしよう。
まるなか
スプールリング(スプールエッジ)の傷
リールのスプールリングの傷もラインの高切れなどの原因になる可能性が比較的高い。
チェック方法・対応策
スプールリングは表面をメッキ処理されているものも多いので、硬いもので引っ掻くと傷になる可能性が高い。
なので目視や爪先で傷をチェックするのが一番良いだろう。
リールを地面に置いたり・ぶつけた時にスプールリングは傷が入りやすいので、普段から取り扱いには注意しよう。
なお、スプールリングの傷は多少入っていても、角の部分に傷が入っていなければラインにダメージを与えないこともある。
ラインを放出した時に傷の部分にラインが触れるようであれば、スプールを新しく交換する。
傷をヤスリやコンパウンドで磨く方法もあるが、メッキが剥がれることによって錆などの原因になることがある。
ラインローラー・ベールの傷
ベールやラインローラーの傷もPEラインにダメージを与える原因になる。
チェック方法・対応策
ラインローラーやベールの傷もスプールと同様、目視や爪先で触って損傷を確認する。
特にベールのラインローラー周りに傷が入ってしまうと、ラインへのダメージが蓄積されやすい。
一方でラインローラーから遠い位置であれば、多少の傷があっても致命的になることは少ない。
多少の傷であれば、コンパウンドで磨くことで傷を修復することが出来るが、ダメージが大きい時はパーツ交換を依頼した方が良い。
ガイドリングの汚れ
見落としがちな要注意ポイント!
ガイドの傷をチェックする方は多いが、ガイドリングの汚れを確認する方はかなり少ない印象がある。
しかし、ガイドリングの汚れはPEラインに対して徐々に・ゆっくりとダメージを与える厄介な存在。
新しいPEラインを使えばすぐに切れたりすることは無いが、5時間・10時間・20時間と使用を重ねる中で、ラインにダメージが蓄積されていくことになる。
特にサーフなどで釣りをする場合は要注意で、ガイドリングに溜まった砂のカスがPEラインに対してヤスリのように作用する。
これによって徐々に原糸が傷になり、キャスト時や合わせを入れた時にあっけなくラインが切れてしまう原因になることがある。
チェック方法・対応策
ガイドリングの汚れはティッシュペーパーをこより状に丸め、優しく拭いてメンテナンスする。
普段リールやロッドを水洗いしている方でも、ガイドリング内部は意外と汚れが溜まってくるもの。
ラインが受けるダメージを少しでも減らすのであれば、定期的にガイドのメンテナンスもするべきだね!
まるなか
海中のゴミや砂
荒れた海での釣行は特に注意!
海中のゴミや砂もPEラインを痛める原因になる。
私の出身地である静岡はサーフの釣りが人気だが、サーフの釣りを楽しむ方からPEラインが切れてしまうという相談を多く受ける傾向がある。
この理由の1つとして考えられるのが、海中に巻き上げられた砂によるラインのダメージ。
これは意外と見過ごしがちだけど、実際に釣りをやってみると思いのほかPEラインが損傷するから気を付けよう。
場合によっては直接ラインが何かに擦れていなくても、巻きあがった砂によって簡単にラインブレイクしてしまうことがある。
特に荒れた状況下での釣りはラインへのダメージが大きくなり、タックルを痛める原因になりやすい。
私自身、以前ちょっと海が荒れている時に細めのラインでショアジギングをしている時に良型のカンパチが連続ヒットすることがあった。
しかし、波打ち際でのやり取りで巻きあがる砂でラインが傷になり、新品のPEラインを使っていたのにラインブレイクを連発させてしまった経験がある。
海中を漂うゴミや砂・細かい石などは、釣り人が思っている以上に釣り糸にダメージを与えるぞ。
まるなか
PEラインの劣化
傷が見えなくてもラインは弱くなる
PEラインは紫外線や吸水による劣化には強い特性を持っている。
しかし、実釣を繰り返す中で原糸が徐々にダメージを受けて強度は低下していく。
表面に毛羽立ちなどが無くても原糸を構成する細い糸が切れていることは良くあることで、一見すると傷が入っていなくてもラインが弱くなってしまっていたり。
「PEラインは毛羽立ちが無ければ切れることは無い」という考えは捨て、定期的にカットして使う習慣をつけておこう。
▼PEラインの劣化に関するより詳しい解説記事はこちら
PEラインの寿命・交換の時期の見分け方とは?劣化の基本パターンを解説!
PEラインとリーダーの伸度
PEラインやリーダーはアイテムによって衝撃への強さが違ったりする。
PEラインの伸びと耐衝撃性
PEラインは非常に伸びが少なく、高感度な特性を持っている。
しかしその反面、一瞬に強い衝撃を与えると簡単に切れやすく、先端にリーダーを接続して使用する機会が多い。
PEラインはアイテムによって伸びやすさに若干違いがあり、高感度をうたったものや硬くてパリッとしたPEラインはより伸びが少ないが、衝撃に対して弱いものが比較的多い印象がある。
低伸度なPEラインは上手く使えば強い武器になるが、至近距離でのやり取りなどには衝撃を吸収しきれずにラインブレイクを増やす原因になることがある。
ナイロンリーダーとフロロカーボンリーダー
リーダー素材は大きく分けると2種類あり、ナイロンとフロロカーボン素材に分けられる。
フロロカーボン素材の方が伸びが少なくて劣化に強いが、ナイロン素材の方が伸びがあって衝撃吸収性に優れた特性を持っている。
なので、合わせ切れや近距離のやり取りの中でラインが切れてしまうのであれば、ナイロンリーダーの使用をおすすめする。
リーダー素材の違いによる影響は意外と大きいので、フロロカーボンリーダーしか使ったことがない方は一度試してみると良い。
ロッドとラインの相性
高弾性ロッドとラインの伸び
PEラインの種類やリーダーの素材によって衝撃に対する強さに違いがあることは説明した通りだが、これに合わせてロッドの特性も影響を与える。
最近は高反発でパリッとした高弾性カーボンを使ったロッドも多くラインナップされている。
高弾性カーボンは感度が良い反面、低・中弾性素材のロッドと比較すると曲げ込んだ時の粘り強さに違いがあり、反発力の強さによってラインに衝撃がダイレクトに伝わりやすいものが多い。
これによってPEラインに瞬間的に強い衝撃が掛かってラインが切れやすくなることがある。
特に今までしなやかで曲がり込むロッドを使っていた方が高弾性のパキパキしたロッドを使った場合、同じラインシステム・ドラグ調整で釣りをするとラインブレイクが増えることがある。
使用するロッドとラインの特性を理解し、適度な衝撃吸収性を持たせておくのが大切だね。
まるなか
おすすめ関連記事!
▼PEラインの寿命・劣化の見分け方の基本を徹底解説!