こんにちは、まるなか(@marunakafish)です。
さてさて、今回はシマノから発売されている中級グレードのSWリール、20ストラディックの使用感を詳しくインプレ。
私が購入したのは20ストラディックSW6000HGで、PEライン3号を巻いて中型のカンパチを中心としたショアジギング・プラッギングにて使用。
ドラグをロックした状態でゴリ巻きファイトを繰り返したり、連日釣り場に立って使用感チェックをしてきました。
結果的にはメータークラスのヒラマサやメーターオーバーのサワラなども含めて釣果を出しています。。
忖度なしにインプレしていくので、リール購入時の参考にしてもらえたら嬉しく思います。
✔管理人の経験・実績
私の経験・実績としては
- 釣りのために仕事を辞めて移住
- 現在は魚釣りで生計を立てています
- 年間釣行数300以上(現在はほぼ365日釣行)
- メーカーからプロスタッフとしての勧誘あり
- メーカーの商品開発時に私のタックルインプレッションを活用
こんな感じでほぼ毎日釣行を重ねて釣りを中心に生活していて、実釣実績も残しています。
釣果実績については釣行記やTwitterを見てもらえれば、ほぼ毎日様々な魚を釣っていることが分かると思います(一番更新頻度が高いのはTwitter)。
20ストラディックSWの特徴・チェックポイント
まずは20ストラディックSWの私なりの注目ポイントについて紹介しておきます。
インフィニティドライブ
インフィニティドライブは、簡単に言ってしまえば巻き上げがスムーズに・軽快になる機能。
実際に20ストラディックSWを使ってみると、これまでの中価格帯のSWリールよりも明らかに使用感がUPしていますね。
以前のSWリールは、ツインパワーSWやステラSWといった上級グレードでなければまともに使えないような印象を持っていたというのが正直なところ。
しかし、技術の進化で中価格帯のSWリールもかなり使用感が向上したのは間違いありません。
限界ギリギリの負荷を掛けて釣りをしたり、ここ一番の信頼性を求める時はやはり上級リールがおすすめですが、中~大型魚狙い入門の方や、そこまで強い負荷を掛けずに使うのであれば、20ストラディックSWでも全く問題なく使用できます(ただし、細かい部分の質感や快適性の違いはやはりあります)。
14000番までのラインナップ
20ストラディックSWは4000番~14000番までのラインナップになっていて、中~大型魚狙いの釣りを広くカバーできます。
使用するラインの号数・長さに対してピッタリな番手を選ぶことができますし、ヒラマサやマグロ狙い等に使うリールとしてそこまで使用頻度が高くない方や、とりあえず挑戦してみたい方にも揃えやすい価格なのが嬉しいですね。
番手によってはPG・HG・XGと、ギア比違いのラインナップもしっかり揃っています。
20ストラディックSWを「サクッと」インプレ!
20ストラディックSWの使用感を詳しく解説する前に、私なりのインプレッションを簡単にまとめておきます。
- 重量感:平均クラス
- 巻き心地:これまでの中価格帯とは明らかに進化
- 剛性感:ボディやローターのグニャグニャ感は無いが、余力はあまりない
- ドラグ:ヒートシンクドラグではないのが少し気になるが、ギリギリの使い方をしなければ問題なく使える
- ライントラブル:特に発生していない
- ハンドル周り:ハンドルノブ・ハンドル軸ともに純正で十分使える
- 気になる点:ローター素材やスプール周り
- ターゲット・釣種:PEライン3号・4号程度までの釣りならメインリールとしても使える。大型ヒラマサやマグロ狙いとなると、やはりツインパワーSW以上が欲しい
要点をまとめるとこんな感じですね。
私の場合はPEライン3号を使用し、5kg前後までのヒラマサや10kg程度までのブリなどを考えて6000HGを購入しました。
そこまでギリギリのやり取りをすることは考えていませんが、この程度の使い方であれば、細かな質感や快適性を考えなければ全く問題なく使えるリールといった印象。
この価格帯のリールの進化はかなり進んでいて、使い方次第ではこのクラスのリールで十分ともいえます。
磯で9kgクラスまでのヒラマサをキャッチしています。
リールの重量感
ストラディックSWの重量感としては、正直言って軽いリールではありません。
SWリールなので、ギアやローター・ボディなどのパーツ類は軽さよりも剛性を重視した設計になっています。
私が購入した6000HGは440gという重量ですが、上級機種のツインパワーSWと比較するとワンランク重たくなります。
- 20ストラディックSW6000HG:440g
- 21ツインパワーSW6000HG:420g
重量の違いは20gなので、明らかに超重たいということはありませんが、特に軽いリールだとは感じませんね。
なお、下位グレードのスフェロスSW6000HGは450gなので、ストラディックSWの方が10g軽量。
実釣時における軽さとしては特に可もなく不可もなくというのが正直なところで、ロッドの重量やバランスの方が快適性への影響は大きいです。
巻き心地・剛性感
異音・ノイズは明らかに減少!
以前のSWリールですが、入門~中価格帯のリールは正直っておもちゃ感・安っぽさがあったというのが私の印象ですね。
ツインパワーSW以上になるとまともに使えるグレードになり、それ以下は「それなりにしっかり使うならおすすめしない」という考えでした。
今回20ストラディックSWを使ってみて、この価格帯のリールとしてはリールを巻いた時の質感は明らかに向上しています。
上級グレードのような精密であふれるパワーを感じるようなことはありませんが、リーリング時の異音やノイズ・ガタなどはそれほど気にならない・問題なく使えるレベルになっていますね。
安っぽさを感じることも無く、ショア・オフショアの中~大型魚狙いの釣りに挑戦したい初心者~中級者の方には十分な基本性能があると思います。
ボディ・ローターの歪みは気にならない
負荷を掛けた時にリールの使用感を大きく左右するのが、ボディやローターの剛性なんですよね。
力を込めてリールのハンドルを回した時、ボディやローターが歪んでしまうと、グニャグニャするような感覚になって巻取りにストレスが発生します。
PEライン3号でドラグを全く出さない状態でカンパチを掛けてゴリ巻きしたりしましたが、ボディやローターが歪むことによる巻きにくさは気になりませんでしたね。
この点も中価格帯のSWリールとしては、間違いなく良くなっています。
SWリールではありませんが、以前シマノからCi4素材を搭載したリールが発売になった時は、ボディが弱すぎて負荷を掛けた時にリールが上手く巻けないこともありましたから。
高負荷時の快適性・余力は劣る
ボディ・ローターのグニャグニャ感は気になりませんが、負荷を掛けた時の巻き上げのスムーズさ・快適性については価格なりの部分が見えましたね。
ドラグを出さずにショートポンピングでリールをゴリゴリ巻いた時、上級機種のような負荷に全く動じない「カチッとした感触」はあまり感じません。
力を込めて巻けばリールは巻けますが、快適に・楽に寄せられるかというと、そうではないという印象ですね(表現が難しくてうまく言えません)。
ツインパワーSWやステラSWは実釣に必要な基本性能以上の細かい快適性や質感を備えており、この辺りはまだストラディックSWとの差がしっかり存在していますね。
磯でメーターオーバーのヒサマサをキャッチ。
かなり強めに負荷を掛けてキャッチできていますが、上級機種のような快適性や巻取りパワーとまでは行きませんね。
10kg程度までのヒラマサであれば問題は無いですが、細かい部分の快適性という点では差があります。
磯のプラッギングでメーターオーバー・6kg弱のサワラをキャッチ。
これくらいのターゲットを狙うのであれば、ストラディックSWでちょうど良いですね。
まるなか
ドラグ
カーボンクロスワッシャー採用
これまでにSWリールやカーボンクロスワッシャー搭載のリールを使用した経験があれば特に違和感はないと思いますが、フェルト素材を採用している小型番手のリールと比較すると、ドラグの効き方に違いがあります。
カーボンクロスワッシャーの方が耐久性には優れていますが、
- ドラグの出だしが若干硬くなる
- いったんドラグが出ると一気に出やすい
フェルトワッシャーと比較すると、このような違いがあります。
特にドラグの出だしが微妙に食いつくような効き方になりやすいので、特にSWリールになれていない方はそれを考慮したドラグ設定をするのがおすすめですね。
リジッドサポートドラグは非搭載
20ストラディックSWには、上級機種と違ってリジッドサポートドラグが搭載されていません。
スプールをベアリングで支える構造にはなっていないので、細かく見ればドラグのスムーズさ・安定性においては劣ります。
しかし、実際に使ってみた印象としては、そこまでギリギリの使い方をしなければ実釣時に必要なドラグ性能は十分備わっていて、特に不満を感じることは無いですね。
ライントラブルの有無
ストラディックSWのライントラブルに関してですが、これまでの所は一度もリールが原因となる糸絡みなどは発生していません。
向かい風風速8m前後~10m前後の状況下での釣行もありましたが、特にストレスなく使用できています。
ワンピースベール搭載で段差が無く、強風時の釣りでもラインローラー部にPEラインがスムーズに乗ってくれるので、段差にラインが引っ掛かってブレイクしたり・傷になることも無いです。
基本的なリールの扱いができていれば、上級機種のリールと比較してもライントラブルの発生頻度は変わらないでしょう。
ハンドル周り
Ci4+素材のハンドルノブ
20ストラディックのハンドルノブは純正でラウンド型のCi4+素材。
カスタムしなくてもそのまま使うことができ、下位グレードのスフェロスよりも使い勝手は良いですね。
傷が入りやすくなるのが少し欠点ですが、汚れても簡単に落とせますし、メンテナンス性に優れます。
なお、ハンドルノブにはベアリングが1個装備されており、1つベアリングを追加することが可能。
折り畳み機能無しのねじ込み式ハンドル
ハンドルシャフトはねじ込み式で、折り畳み機能はありません。
無駄なガタが無いハンドルになるので、実釣時における不満は特にありませんね。
20ストラディックSWの気になる点・デメリット
ローター素材:樹脂
20ストラディックSWの気になる点の1つがローター素材ですね。
上級グレードのリールには剛性重視の金属ローターが採用されていますが、20ストラディックの場合は高強度樹脂。
樹脂素材は金属と比較するとやはり剛性が劣り、負荷を掛けた時に歪みが発生しやすくなります。
この差が負荷を強めに掛けた時の快適性・巻き上げ力の違いに結構大きく影響していると思われます。
価格を考えたら仕方ないんでしょうけど、大型魚とギリギリをやり取りが必要になる場面では、私としてはやはり金属ローターの上級機種を選びますね。
ヒートシンクドラグ非搭載(大型機種のみ)
ステラSWやツインパワーSWの10000番以上の大型番手にはヒートシンクドラグという機能が搭載されています。
マグロやヒラマサなど、疾走する魚をヒットした時にドラグが熱ダレを起こさないようにする機能ですね。
ちょっとした違いに思えますが、ドラグ機能は大型魚をヒットさせた時にかなり重要で、魚をキャッチできる・できないに影響するんですよね。
20ストラディックSWの大型番手にはこの機能が搭載されていないので、大型魚とのギリギリのやり取りにおいての信頼性では少し劣ります。
スプール周りの安っぽさ
20ストラディックSWのスプール周りは正直言て高級感があまりないですね。
スプールリングやスプール蓋は結構チープな感じで、ドラグを調整する時の質感も安っぽい感じ。
実釣時にこれが直接的な影響を与えるわけではありませんが、こういう細かいところはコストカットしていますね。
まるなか
どこまで負荷を掛けて使うのかにより、選ぶリールはしっかり考えた方が良いね
ライバル機種との違い
ダイワ 22カルディアSW
ダイワの22カルディアSWは20ストラディックSWの一番の競合機種ですね。
両者を購入して使い比べてきましたが、カルディアSWの特徴としては
- マグシールド搭載
- 巻き心地がしっとりしている
- ドラグの出だしが若干柔らかい
- ラインローラーへの乗りがややスムーズ
こんな感じですね。
ボディの剛性感や巻き心地に関しては、以前はシマノの方が好きでしたが、ダイワのモノコックボディは非常に剛性感が高く、シマノリールと剛性の差はほとんど感じないというのが現在の私の印象ですね。
個人的にはカルディアSWの方がやや好みの味付けかなぁ。
▼詳しい使用感解説は【ダイワ22カルディアSW徹底インプレッション】を参考にどうぞ
21ツインパワーSW
20ストラディックSWは以前の中価格帯のSWリールと比較すればかなり進化していますが、細かな質感や信頼性という点では21ツインパワーSWの方が明らかに上ですね。
例えば、PEライン5号や6号・それ以上を使って大型のヒラマサやマグロなどを狙うのであれば、私ならツインパワーSW以上をおすすめします。
- そこまで極端な使い方をしない方
- とりあえず挑戦してみたい初心者の方
- 使用頻度が少ない方
このような方には20ストラディックでも良いと思います。
20ストラディックSWインプレまとめ・おすすめな方
今回はシマノ20ストラディックSWのインプレをしました。
- 重量は平均クラス。カルディアSWの方がやや軽い
- 巻き心地や剛性感などは間違いなく進化した!
- 負荷を掛けた時の余力や快適性など、細かい点では上級機種に劣る
- 大型ヒラマサやマグロなど、ギリギリのやり取りが要求される場面ではやはりツインパワーSW以上が欲しい
- PEライン2号や3号を使って中型魚を狙ったり、オープンエリアでの使用なら全く問題なく使える基本性能がある
まとめるとこんな感じですね。
2万円台で購入できるSWリールとしては十分な完成度があり、極端な使い方をしなければ1軍リールとしてしっかり使えますよ!