さてさて、今回はFGノットのお話を。
FGノットを組んで釣りに出掛けた際、思ったよりも簡単にラインが切れてしまうことはないかな?
本来はPEラインの直線強度の90%くらいは引き出すことが出来るFGノットだけど、締め込み方などを間違えたりすると本来の強度を引き出すことが難しくなる。
特に言われるのが、
編み込みを行った後の仮止めと締め込み方!
ここでPEラインのヒゲ側をきつく締め込もうと力を込めてしまうと、強度が落ちるってやつだ。
今回はPEラインのヒゲ(末端)側をきつくテンションを掛けて締め込むと、本当に強度が落ちるのかどうかを実測してみた。
FGノットの強度がイマイチ引き出せないと感じている方は少し参考にしてみて欲しい。
FGノットが切れるのは締め込みが原因?
FGノットを組む際、指にラインを巻きつけてリーダーにPEラインを編み込んでいく事になる。人によってはアシストツールを使う方もいると思う。
すっぽ抜けず、かつ締め込みがしっかりできる回数(大体12~14回)編み込みをすればいいんだけど、
重要なのはその後!
こんな風にPEラインをリーダーに編み付けたら、PEのヒゲを使ってハーフヒッチを行う。
ハーフヒッチで仮止めしたら、PEラインを締め込んでいく作業に入るわけだ。
完了すると、ラインがあめ色になってカチカチの状態になる。
この一連の作業をする時、PEラインのヒゲ(画像では下側に伸びているPEライン)をグイグイ引っ張ってしまうのはNGなのだ。
ここでPEのヒゲを強く引っ張ってノットを組んでしまうと、
本来は編み込み部分全体で摩擦を出し、結束に弱いPEラインの強度を引き出すはずのFGノットが、仮止めをしたハーフヒッチ付近に力が集中してしまうようになるからだね。
こうなると魚をヒットさせたり仕掛けをキャストする際に強い力が掛かった際、1部分に力が集中してしまうことでノットの強度低下が起きると言われている。
実際に今までFGノットを組み続けてきた感覚としては何となくそういう印象はあるし、私がFGノットを組む際はPEのヒゲ側は力を掛けないように注意している。
PEのヒゲ側を強く締め込み、FGノットの強度を測定!
ここからがある意味本題なんだけど、
PEラインのヒゲ側を強く締め込んだFGノットは本当に強度が落ちるのか?
という実験を行ってみた。
実際にどれくらいの強度低下がみられるのかは全く分からないし、強度が落ちていない可能性だって考えられなくはないわけで。
FGノットが切れやすくなるのは本当だった
今回使用するPEラインは0.5号、直線強度約5kgのPEラインだ。これに4号のショックリーダーを組み、PEライン側が切れるセッティングでFGノットを組んで強度を実測してみる。
このラインを使用して正しくFGノットを組んだ実験結果では、結束強度4.5kg以上を計測している。この結果よりも強度が低下していたら、締め込み方を間違えた場合のFGノットの強度低下が明らかになるってわけだ。
締め込む際はPEラインの本線と同じ位、力を込めてPEラインのヒゲ側も引っ張ってFGノットを組む。
結果をまとめてみると・・・・
- 約3.4kg
- 約3.5kg
- 約3.5kg
3回とも4キロ以上の結束強度は発揮されず、3.5kg前後に留まる結果になってしまった。
ちなみにノットが切れた場所はこんな感じに。
仮止めをした位置、編み込み部分の末端でノットがブレイクしている。この切れ方をしているという事は、PEラインが摩擦不足ですっぽ抜けているわけではないという証拠だ。
試しに、正しく締め込みを行えば4.5kg以上の強度が出せるのか?もう一度計測を行った。
すると・・・・
結果的にはいきなり4.65kg程の計測結果となり、引っ張った感触からしても明らかにノット部分の粘りが違った。
良く言われる、「FGノットを組む際は、仮止めしたハーフヒッチ部分に力を込めてはいけない」というのはどうやら正しいらしい。
締め込み不良で2割の強度低下が起きる
今回の実験では、本来の直線強度5kgのPEラインの結束強度が3.5kg前後の数値になってしまった。これでは、PEラインの直線強度比で70%程の強度に留まってしまっている。
正しくFGノットを組んだ場合は90%以上の強度が出せるはずなので、編み込み回数などが同じであっても締め込み方1つで大幅に強度を落とすという事になるね。
FGノットを組むのであれば、編み込み回数なども重要だけどノットに負荷を掛けない締め込み方がかなり重要だという事!
その為にもハーフヒッチ部分に力が集中しないよう、締め込むのはPEラインの本線側だけにするように注意するとFGノットは強い強度を発揮してくれるはず。
今まであまり気にせずFGノットを締め込んでいた方は、頭の片隅に覚えておくと良いんじゃないかな。
締め込み方1つで2割ほどの強度低下がみられたが、この2割の差は実釣面ではかなり大きな違いになるはずだ。
炙りコブとメインラインがスレてラインが切れる
FGノットが切れる原因の盲点としてもう1つお伝えしたいのが、
炙りコブを作ってノットを組む際は、PEラインの保護をしっかり行う事。
編み込み部分のすっぽ抜け対策として、ライターなどでリーダーの末端を炙るのはかなり有効なテクニック。
しかし炙りコブを作ったFGノットで釣りを続けていると、
炙りコブとPEラインの本線が擦れてPEラインが傷みやすい。
炙りコブは結構硬くて、PEライン本線に対してダメージを与えていることがある。
特にガイドの中にノットを巻き込んでキャストする方は要注意で、根ズレしたわけでもないのにPEラインの端がケバケバになっていることがある。
これを防ぐ為に、ライターで炙りコブを作る方はハーフヒッチをPEライン本線に対して必ず行い、最低でもコブが当たりそうな場所位は保護をしておいた方が良い。
ガイド抜けをよりスムーズにするなら、上の画像のようなあえて長めにハーフヒッチを行ったFGノットも有効。興味がある方は1度試してみるのもおすすめかな!
FGノットがどういうわけがブレイクしてしまう時は、このような点をまずは見返してみると良いかもしれない。
それでは、今回はこの辺で。
また明日会いましょう!