こんにちは、まるなか(@marunakafish)です。
さてさて、今回はちょっとテーマを変えて「魚は恐怖や痛みを感じているのか?」ということについて。
このような質問を先日受けたので、この機会に私なりの考え方を紹介しておこうかと。
実は昔魚の行動パターンについて自分なりに調査したことがあって、結論を最初に言うと
魚は
- 痛み・または恐怖を何かしらの形で感じている
- 人間が与えたストレスの大小によってその後の行動パターンが変化する
- 個体によってストレスに対する強弱や神経質さなどには差がある
私の場合はこんな風に考えています。
もちろん私は魚類学の学者ではなく、単に釣りが好きで毎日のように釣り場に立って色んな魚を釣ってきた素人なので、学術的な根拠はないですが。
あくまで釣り好きの戯言として目を通してもらえたら嬉しく思います。
魚は痛みや恐怖を感じているのか?
私は渓流釣りから船釣りまで様々な釣りをやってきたんですが、以前ブラックバスを使って実験を行ったことがある。
産卵床を守るブラックバスを使って実験してみた
ブラックバスという魚は産卵床を作り、親が卵・稚魚を守る習性があるんですね。
いわゆるネストと呼ばれるものなんですが、このネストを守るバスは
- 比較的浅くて目視できる場所に見られることが多い
- 釣りあげてもネストの場所に帰っていく
このような習性があるので、ひどい言い方をすれば「何度も同じ魚を釣り上げることが可能」なんですね。
この何度も釣れるバスを何匹か見つけて条件を変えつつ釣り上げると、どんな風に行動パターンが変わるのかをちょっと調べてみたというわけですね。
魚に対するダメージを多く与えると恐怖を覚える
例えば魚を掛けた後に無駄にやり取りを長くしたり、陸上に上げた個体を長くもてあそんだ場合と速やかにリリースした場合では、バスのその後の行動パターンが変わりやすい結果になったのを覚えている。
基本的にはバスにダメージやストレスを与えてリリースすると、
- 産卵床を放棄してその後帰ってこない可能性が高くなる
- 産卵床に再び帰ってきても釣り糸の影やルアーを極端に怖がる個体の増加
このような行動が目立つようになった。
つまり、魚に対してストレスや痛みなどを与えると「それを回避する行動をとる個体が目立つようになる」というのが私の持論である。
「自分を狙う存在・釣り道具」を把握し、学習している魚も存在している
ここで興味深い行動がみられることもあり、今回のブラックバスや管理釣り場の魚など、釣られる機会が多い魚は「自分を釣るための道具が存在している」ことを明らかに知っていると思われる個体が存在するんですよね。
例えば、かなりプレッシャーが高い釣り場のネストを守るブラックバスの前に釣り糸を沈めてみると
- 釣り糸を見たとたんに一目散に逃げる
- 周囲の障害物に体を擦って異物を排除する動作を見せる
このような個体も存在し、明らかに「自分を狙う人間の存在や何か」を知っていると思われる行動をするんですよね。
この「釣り糸」を学習している個体の前に木の枝などを投げてみると、釣り糸の時のような危険回避行動を見せないこともかなり多く、明らかに「釣り糸」という存在に対して恐怖を持っていると感じさせる行動を見せたり。
酷い個体は釣り糸を見ただけで体を障害物や湖底に擦り付ける動きを見せるので、これは明らかに魚には学習機能があり、自分を狙う人間や釣り道具の存在を認識しているとしか思えない。
魚の学習能力には個体差などが存在する
結構これは面白いことで、同じ釣り場や閉鎖空間で釣りをやっていると「以前釣ったのと同じ個体」が釣れることがある。
これについても以前自分なりに調査したことがある。
個体によって警戒心が強い・弱いが存在する
これはどの魚種にも言えることで、人間と同じく魚には1匹1匹で性格があり、個性が存在する。
例えば、先ほど例に挙げた産卵床を守るバスの場合「ルアーを投げるとすぐに怒り狂う個体と、なかなか怒らない個体」がいたり。
また普段から積極的に餌を追う個体がいる半面、かなり警戒心が高くて決まった時間にだけ餌を食い、他の時間は巣穴から全く出てこない個体がいたりする。
これは釣り場の人的なプレッシャーの影響を当然受ける部分もあるし、さらに1匹1匹で性格の癖が違うから面白い。
ハンデを負った個体は騙されやすい
例えば、魚には片目が不自由になったり、体の一部が欠けている個体などが存在する。
こういう「餌を食う時にハンデとなる障害を負っている個体」は時々釣れるんだけど、そういう個体の方が比較的簡単に・さらに何度も釣られやすい傾向があると感じている。
やはり健康で自由に餌を食える個体の方が警戒心が高く、自分の命を守るために餌を食うのに必死になる個体の方が釣られやすいのかもしれない。
ダメージを与えないリリースで釣れる釣り場を守る
最後に、魚と釣り場を守るリリースについて。
ブラックバス・ナマズ・メバルで実験をしてみた
以前私はリリースの実験をしたことがあり、狭い範囲で魚を釣り続けてひたすらリリースを繰り返してみた。
この時注意したことといえば、
- 無駄に魚体に手を触れず、触るとしても口の周りだけ
- 魚体を地面に置かない
- 釣りあげたらフックを外して速やかにリリース
つまり、余計なことを一切せずにリリースをするというシンプルな方法。
実際にこれを繰り返し、魚を反応の変化を観察した。
仕掛けをある程度学習するものの、変な行動はとらない
この実験を繰り返して分かったことは、
「ストレスを与えないリリースをしても魚は多少学習していくが、ネストを守るバスを虐めた時のような釣り道具を明らかに怖がる行動はとらない」ということ。
ブラックバスであれ、ナマズであれ、メバルであれ、繰り返し同じポイントの魚を釣り続けていくと、最初の時のように簡単に釣れることはなくなっていく。
実際に目視できる個体を釣ろうとしてみても、ルアー(餌)に対してじっくりと見極めをする個体が出てくることはあった。
しかし、ストレスを与えないでリリースした方が明らかに再びキャッチできる魚の数は多い印象があり、釣り人や釣り道具に対して異常なまでの恐怖心を見せる個体は少ないと感じている。
逆に釣り上げた時に強いストレスを与えられてリリースされた個体の場合、人間や仕掛けを見たとたんにパニック状態になる個体がいたりと、明らかに恐怖心を覚えていると思われる行動が目立つような印象がある。
つまり、魚を釣ってリリースする時は「単にリリースすれば良いというわけではない」ってことだね。
魚体にむやみに触れないことはもちろんだけど、ブツ持ちで写真を撮ったり、魚を乾いた地面に置いてメジャーでサイズを測ったりするのも極力避けた方が「釣れる釣り場」を守るのには有効だと考えている。