さてさて、今回はリールを誤って水没させてしまった時の対処法について。
リールが水に使ってしまった時は「淡水なのか、海水なのか?」によって対処の手順や危険度は変わって来るもの。
適切に対処すれば全く問題なく使い続けることもできるし、逆に下手に処理をすると高額な修理代が掛かる事もある。
実際に私はリールを水没させた経験があり、そこから自分でリールを組み上げて復活させたりしている。
普段から毎日釣りをして生活しているので、良かったら参考にどうぞ。
※リール水没に対する対処はあくまで自己責任になります。
リールの水没は淡水・海水によって危険度が大きく異なる
同じリールを使うにせよ、「川や湖で水没させたのか、それとも海やらかしたのか?」
これによってリールへのダメージは大きく変わってくる。
海にリールを落とした時はメーカーでのメンテナンスを前提に
万が一リールを海水に水没させてしまった場合、基本的にリールはそのまま使うことはできないと考えた方が良い。
海水にリールが浸かってしまうと、リールの内部に海水が入り込むことになる。
この入り込んだ海水は水分が蒸発したとしても、塩分が結晶になってリールの内部で固まってしまう。
そうなるとリールの巻き心地が極端に劣化したり、最悪リールが腐食して巻けなくなる。
なので海水に水没させた時は応急処置を行い、メーカー修理に出すことを第一に考える事。
川や湖など、真水にリールを水没させた時の対処法
まずは川や湖、池などにリールを落としてしまった時の対処法から。
水の綺麗な場所の場合
泥や砂利などが殆どなく、澄んだ水の中にリールを落としてしまった時はどうするのか?
基本的に澄んだ水への水没であるなら、メーカーにメンテナンスを依頼しなくてもそのまま使えることも多い。
実際に私はイワナなどを狙って山の中へ釣りに出かけるが、正直言うとリールの水没なんて良くある話。
水自体は綺麗で不純物は少ないが、この場合は特に気にしないでそのままリールを使い続けても問題はないパターンが多い。
不純物が無い場所での水没ならば、ドラグの効き具合をチェックすることくらい。
ドラグが滑ったり、逆に滑りが悪くなっているなら
- ドラグワッシャーを分解し、洗浄&グリスアップ
- メーカーへドラグ部のメンテナンスを依頼
このどちらかで対処する。
一方で巻きにザラツキなどが出ている場合、リール内部に不純物が侵入している可能性がある。
この場合はメーカーへメンテナンス依頼 or 自己責任で分解・オーバーホールをする事になるが、異変を感じた時はすぐに使用を中断すること!
そうしないと、内部のギアやベアリングなどの破損に繋がる可能性がある。
濁った水や不純物がある場所に水没させた場合
水たまりや水が濁った野池・川などにリールを水没させた場合はどうか?
リールの内部や隙間に泥や砂の粒子が入り込んでいる場合があるので、水没後は違和感のチェックを必ず行うこと。
- リールはスムーズに巻けるか?(酷い場合は引っ掛かって巻けなくなる)
- ラインを巻き取った時、ラインローラーから異音はしないか?
- ベイトリールの場合はクラッチがスムーズに切れるか?
少しでも違和感がある時は使用を中止し、リール内部を傷めないうちにメーカーへ。
違和感が無くても簡単なシャワー洗浄は行っておこう。
海水にリールを水没させた場合
一方で海水にリールを水没させた場合だが、基本的に海水が内部に入り込んだリールをそのまま使うことはできない。
重要なのは応急処置になり、内部の潮を出来るだけ抜いた状態でメーカーに送ることを考える。
防水機能が無いスピニングリールの場合
最近のリールは1万円とかそれ以上になると、リールに防水機能が搭載されているものも増えてくる。
しかし、エントリー機種を中心としたリールにはそういった機能が無いものも多く、その場合は水没と共にリールの内部にも大量の海水が入り込んでくる。
この場合の潮抜きの手順としては、
- リール本体をぬるま湯(40度位あればOK)にドボンと浸し、水の中でラインローラー・ベール・ハンドルノブなどをしっかり稼働させる
- リール本体をそのまま数分ほど水に浸して潮抜き
- 水気を切り、修理依頼をする
私が実際に行った方法はこんな感じで、私がリールを水没させた時は「数分程度程度ぬるま湯にリールを漬けて潮抜きをしてから」オーバーホールを行ったが、内部の潮はしっかり抜けていて潮ガミは無かった。
むしろしっかりとリール内部の潮抜きしておかないと、メーカーに到着する頃には内部の潮が結晶化してしまい、ギアやベアリング関係が全て入れ替えになる可能性が高くなるんじゃないかと。
防水機能付きスピニングリールの場合(マグシールド・Xプロテクトなど)
一方で防水機能が付いたスピニングリールの場合。
この場合は多少の水没ならばリール内部には海水が入っていないことも多く、潮抜きの手順が多少変わってくる。
私が行う方法としては、
- スプールやハンドルなど、外せるところは外してぬるま湯にドボンと漬けて潮抜き(ベアリングが入っている場所は回す)
- リール本体は数秒程度ぬるま湯にドボンし、ラインローラーやベールなどをしっかり稼働させる
- 水気を切り、修理依頼をする
防水機能が装備されたリールの場合、長時間水につけると逆にリール内部に水が入る原因になると考えているぞ。
両軸・ベイトリールの場合
最後に、両軸リール・ベイトリールを水没させた時(電動リールは除く)。
この場合の手順としては、
- ぬるま湯の中にリールをドボンと漬け、リールのハンドルをグリグリ巻く
- そのまま水中でクラッチのオンオフを何度も行い、クラッチの固着を防ぐ
- 1~2分ほど1&2の作業を行い、水気を切って修理依頼をする
私が船釣りでリールを完全に水没させた時はこの手順で潮抜きを行ったが、特に内部に潮は残っていなかった(分解・オーバーホールは自分で行った)。
※砂や砂利を少しでも噛んでいると感じた時は、リールを回さない事!
メーカー依頼時の注意点
メーカーに修理を依頼する時は、状況などをしっかり伝えることが重要になる。
- 淡水に水没したのか?それとも海水に水没したのか?
- 砂ガミの発生などが見られそうなのか?(リールが巻けない・巻き心地がおかしいなど)
できるだけ状況・リールの状態を詳しく伝えた方が、メーカーの対応もスムーズにできるはず。
予算を決めるのもおすすめ
リールをメーカー修理に出す時、修理予算の上限を決めることが可能だ。
特に高級なリールはギアの交換が必要になったりすると、予想以上に修理費用がかさむことがある。
こういう時はあらかじめ釣り具店で修理依頼をする時に予算上限を伝えておくと良い。
- 例:修理金額○○円まで
このように予算を決めておくことで、無駄に修理金額が高くなりそうだったらパーツ交換を回避することも可能になる。