チューブラーとソリッド 特徴と違いを徹底解説!

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さて、今回はロッド選びにおけるチューブラー素材とソリッド素材の違いについて、少し掘り下げて解説をさせていただきます。

一般的なのは中空構造となっているチューブラー素材(チューブラーティップ)ですが

アジングやメバリングロッドをはじめ、エギングロッドや磯竿などに利用されることの多いソリッドティップ。

これらの特徴や違いをしっかり理解しておけば、ロッド選びの際にきっと役立つはずです。

出来るだけ詳しく、これくらい特徴を知っていれば十分すぎるというくらい解説させていただきますので、ロッド選びで悩んでいる方は参考にしてみてくださいね。



ソリッドとチューブラー その特徴と違いは?

ソリッド(ソリッドティップ)って何?

まずは、ソリッド構造についてです。

チューブラーのロッドと違い、ソリッド構造のロッドは

中身もカーボンやグラス素材で詰まった構造をしています。

例えば、ソリッド構造のロッドを作る際は好みの調子に仕上げるために穂先をサンドペーパーで擦って調子を出したりすることができます。

中身が中空のチューブラーティップのロッドでこれをやったら、当然脆くなるので折れたり破損します。

ソリッド構造のロッドは船竿などに多く使われますが、最近はルアーロッドなどにも使われる機会が増えてきていますね(*^^*)

チューブラー(チューブラーティップ)って何?

次に、チューブラー構造のロッドに付いて解説させていただきたいと思います。

釣り竿の作り方なんですが、基本的には芯棒にカーボンシートを巻き上げて加熱してロッドは作られます。

つまり、芯に当たる部分を成型後に引き抜くわけですから、中身が空洞の筒状になる。

これがチューブラーと呼ばれる構造になります。

ですので、チューブラーのロッドというものは中身が空洞で筒状!

これがロッドの基本的な構造。

こんな風に、多くのロッドは中が空洞になっているはずです。

簡単にまとめると2つの構造の違いはこんな感じになる。

続いて、それぞれの特徴を少し詳しく見ていきましょう!

ソリッド構造の特徴

まずはソリッドの特性から、順に解説させていただきます。

①細く削り込むことができる

先程も開設した通り、チューブラー構造のロッドと違ってソリッドのロッドは中身が詰まっている。

つまりどういうことかというと、チューブラーティップのロッドは芯の太さの分だけはどうしても空洞部分ができてしまいます。

そのうえ必要な強度を保つにはカーボンやグラス素材を重ねなければならない。

ですから芯の太さ+カーボンやグラスシートの厚さが最低限は必要になる。

逆にソリッドの場合は中まで素材が詰まっているわけですから、芯の太さなどはそもそも関係がないわけです。ですからより細く、繊細な穂先や調子を作り出すことが可能なんですね。

ですので、一概には言えないですがルアーロッドや磯竿などに採用されることの多いソリッドティップは

チューブラーティップのロッドと比べると穂先が1周り細くなっていてしなやかなものが多いですよね。

②つぶれに強く、曲がり込んでも破損しにくい

釣り竿を曲げていく際、竿にはつぶれる方向に力というものが掛かります。

これをわかりやすく言うと、紙などを筒状にして曲げていってみる。

そして紙が折れた時の断面はつぶれた形状になっているはず。

これは良くしなるカーボンやグラス素材のロッドでも同様です。

ロッドが曲がり込んで折れる際は、このようにつぶれが1つの原因となって破損を引き起こします。

チューブラー構造の中が空洞になっているロッドの場合はこれになりやすいんですね。

逆に、ソリッドのロッドは中身が詰まっているわけですから

ロッドが曲がり込んでもつぶれにくく、曲がり込むほどに反発力が出て粘り強い。

ですので

ソリッド構造のロッドの方がチューブラータイプのロッドよりも曲げに対して強い。

こういう特性も相まって、より細く作れることにもつながっていくわけですね(*^^*)

チューブラー構造の特徴

続いて、チューブラーロッドの特徴を紹介していきます。

①軽量なロッドができる

中が詰まったソリッド素材と比較すると

チューブラー素材は中が空洞になるわけですから、軽量なロッドを作ることができます。

実際にソリッド素材のロッドと言っても多くは穂先の一部にソリッドが使われるだけであったり、

竿全体がソリッド素材のものはブラックバス用などの短いロッドや置き竿で使う船竿に限られています。

このように、チューブラー構造の方が軽いロッドを作ることができます。

そうなることでロッドはよりシャープに、高感度なものを作ることができるというわけですね!

②ネジレに強い

特にガイドの向きが上向きに付いているロッド(両軸リール用のロッドなど)などを使ったり、柔らかいロッドを使うとネジレというものはわかりやすいです。

釣りをしていて仕掛けやルアーを投げる時、アワセを入れる時、魚を掛けてやり取りする時・・・。

こういった際、ロッドに垂直方向に力が掛かればいいですが、場合によっては横方向であったりと様々な方向に力が掛かります。

この際、ロッドに掛かる力の方向が変になると、ロッドが急に柔らかくなったような感じになったり簡単に破損したりします。

よく竿が笑う

などと表現されることがありますが、船釣りでグラスのロッドなどを使って釣りをしていると実感できるかな。

ソリッド構造のロッドの方がねじれやすく、チューブラー構造の方がねじれに対する強さがあります。

ソリッド構造のロッドを軽くねじっておいてしばらく放置。

そうすると、ガイドが曲がったようにねじれたままになりますよ(笑)

船竿などのグラスムク竿でやってみると良くわかると思いますが、ルアーロッドでやると折れたりしやすいのでやらないように。

万が一、通常使用でねじれてしまったソリッドティップのロッドは軽く反対方向にねじってそのまましばらく放置すると元に戻ります。

 

何となく、構造の違いによる特性は理解できたでしょうか?

続きまして、ソリッドティップのメリットとチューブラーティップのメリット・デメリットを解説します。

ソリッドティップのメリット

ソリッドティップを採用しているロッドの場合、

全体がソリッド構造のフルソリッドではない限り必ずつなぎ目が存在します。

殆どの場合はガイドの下につなぎ目が有って、チューブラー構造の先にソリッドの穂先を差し込んで接着剤で固定。

そしてその上にガイドを巻き付けてエポキシで外から固めて補強している。

上の画像の場合は中央付近のガイドの下で繋がれています。

ガイドの左右でロッドの径が微妙に変わっているのがわかるでしょうか?

ガイドの左側の部分はチューブラー構造で若干径が太い。

ガイドの右側はソリッドティップが接続されていて若干細くなっています。

ソリッドティップのロッドはこんな風に作られているんですね!

さて、それではソリッドティップのメリットを解説していきましょう。

①アタリが有っても食い込みが良い

アジングやメバリングなどをはじめとした、小さなルアーを使って小型の魚を釣る時。

少し魚の活性が低かったり、風や波があってルアーの操作がうまくできない時などは魚がルアーを食った際に少しでも違和感があると吐き出してしまったり、食うのをやめたりしてしまいます。

こういった際にしっかり曲がり込んでくれて違和感を打ち消してくれるソリッドティップは効果を発揮します。

試しにある程度硬いシーバスロッドやエギングロッドでアジ等を釣ってみるとわかるのですが、

この穂先のしなやかさ、追従性はアタリが有ってからの針掛かりの確立に大きく影響します。

ですのでしなやかなソリッドティップのロッドを使うことによって、魚のアタリを弾きにくくして食いを良くしたりする効果が期待できるというわけ。

②アタリや潮の流れ、着底などが見た目で判断しやすい(目感度が良い)

①の特徴と共通している部分も多いのですが、ソリッドティップは微妙なアタリや変化に対して素直に穂先が曲がり込んでくれるんですね。

例えば仕掛けを海底まで沈めていく時。

川の流れや潮の流れの強さなどが少し変わっただけであっても、穂先に掛かる抵抗が変わるので曲がり方に変化が出る場合が多いです。

張りの強いチューブラーティップのロッドを使っている場合はロッドの反発力が強くなってしまって曲がりに変化が出にくく、見た目での変化が感じ取りにくくなったりすることはあります。

このしなやかな曲がり込みはアタリを目で見て判断する時にもとても有効です。

アジングなどをしていると、手元に伝わるほどのアタリの強さではなくても、穂先に微妙な変化が出るだけのこと等もありますからね!

ソリッドティップのデメリット

①曲がりが多少はイビツになる

以前と比較すると、技術の進歩などによって違和感はかなり減ってきてはいます。

とはいっても、異なる素材をつなぎ合わせて作っているわけですから多少の違和感は出ます。

これはほんのわずかなものも多いので使っていて不快になるということはないと思いますが、

この上の画像の場合は中央のガイド付近が若干曲がりにくくなっています。

理由はシンプルで、チューブラーとソリッドのつなぎ目が存在しているからです。

普段魚をヒットさせたりする際に不快に思うことは全くありませんが、それでもチューブラーのつなぎ目のないティップと比較すれば多少の違いは感じます。

少し安価なロッドだったりすると、こういうつなぎ目の違和感が大きいもの等もあります。

②キャスティング時に気を使う

特に初めてソリッドティップのロッドを使用する方はその感覚の違いに戸惑うことがあるかもしれません。

チューブラーティップとは違い、ソリッドティップのロッドはロッドの曲がり方が多少急になりやすいです。

ルアーや仕掛けを投入する際、ソリッド部分が曲がり込んだ時に急にロッドが柔らかくなるような違和感を感じたり、つなぎ目に力が加わった時に少し硬さを感じたり。

ある程度垂らしを長くして、ゆっくり力を込めて投げるようにしたりすると違和感を少なく破損も防ぐ事もできますよ(*^^*)

③仕掛けを巻き込んだ時に破損しやすい

ソリッドティップのロッドは曲がり込んでも破損しにくいと解説しましたが、それはあくまで正しい方向に力が加わって曲げた場合です。

例えば仕掛けを回収する際、近くまできているのに気づかずに仕掛けを穂先まで巻き込んでしまった。

こういった際にソリッドティップのロッドはあり得ないような曲がり方になります(笑)

ある程度であれば折れずに済むこともありますが

変な方向に力が加わってしまうと繊細なソリッドティップは簡単にポキッと破損するので扱いには注意します。

しなやかな穂先程巻き込んだ時に違和感が無いので、ついつい勢いよく巻き込みしやすくなります。

実際、私もブラックバス用のソリッドティップのロッドを折ったことがありますよ(-_-;)

結構高いロッドだったんですが、これといった抵抗もなくメキャッといきました(笑)

チューブラーティップのメリット

①張りがあって仕掛けやルアーの操作が繊細にできる

チューブラーの特徴として、軽量で張りが強く出るという特徴があります。

これによって、手先でルアーを細かく操作して食わせたりするのが得意です。

ソリッドティップのロッドを使ってルアーを動かして使う場合は、穂先が手元の動きを吸収してしまうのでより大きく動かす必要が出てくる。

この点は張りの強いチューブラーティップに分があり、仕掛けやルアーを自由に動かすのは得意になる。

②手元に伝わる感度に優れる(手感度)

ソリッドティップのロッドは目でアタリを判断するのが得意です

一方でチューブラーティップのロッドは手先に伝わる衝撃が大きいという特徴があります。

ソリッドティップのロッドで釣りをしていると、魚が針に食いついた際のラインに伝わる衝撃を穂先のしなやかさが吸収してしまう。

その点チューブラーティップのロッドは張りがあるのでそれを吸収することなく手元まで伝えてくれる。

なので、アジングなどをしていると手元にコツンとか、モゾっといった衝撃をより明確に伝えてくれるという特徴があります。

アオリイカのエギングをしていると、微妙なアタリが手元に伝わってくることがあります。

こういう時にソリッドティップのロッドは手元まで明確にアタリが伝わってくるという点では劣ってしまうので、穂先の変化などを目で見て合わせていく必要が出てきます。

この辺りはアタリの取り方の好みや釣りのスタイルによって、どちらのティップが良いのかは変わってきます。

チューブラーティップのデメリット

①反発力が強く、アタリや潮の流れを弾く

チューブラーティップの欠点はもうこれに集約されるでしょうね。

高反発ゆえに魚が食った際やキャストした仕掛けやルアーが潮の抵抗を受けた際、ロッドが反発して真っすぐになろうとする。

こうなることで魚のアタリを弾くといったような、アタリが有っても掛からない状態になったりすることがあります。

また、潮の微妙な効き具合を穂先の見た目で判断するのが難しくなる。

これは高反発高感度の裏返しによるデメリットですね。

高弾性ソリッドという選択肢

アジングロッドやバスロッドなどに採用されることの増えているティップに

高弾性ソリッドと呼ばれるものがあります。

これは一般的なソリッドティップと比べて高反発で金属のような張りをもつカーボンを使って作られたソリッド素材の事を指します。

主に中価格~高価格帯のアイテムに採用されることが多いですが、私も最近になってこの素材を使用しているロッドを使ってアジやメバルなどを狙っています。

これが低弾性のいわゆる普通のしなやかなソリッドティップ。

これと比べると、高弾性のソリッドティップはかなり張りがある。

曲がり具合が全然違うし、曲げた指先に掛かってくる反発力も大きく違います。

上の画像のロッドは曲げようと思えばもっと曲げこむことも可能ですが、下のロッドはこれくらい曲げただけでも指先にかなり負荷が掛かっています。

実際にこのソリッドの弱点をうまく消した高弾性ソリッドを使用してみると、

手元に伝わる感度も申し分なく、かつ魚に食い込ませるだけのしなやかさも持っている。かつ細かく誘ってルアーを動かすこともできる。

ちょっと高価なアイテムが多いですが、この素材は釣果アップに大きく貢献すると思いますよ(*^^*)

ただし、高感度で張りが強いということは、無理な力が掛かると簡単に破損するということ。

無理な魚の抜き上げをしたり、穂先に絡んだラインなどを雑に解いたりすると、折れたりする危険は高いと思います。

ある程度釣り道具の扱いに慣れてきたら、こういったアイテムを使ってみるのも良いと思いますよ!

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回はソリッドとチューブラーの特性や違いについて解説をさせていただきました。

ソリッドティップはしなやかで食い込みが良い。しかし仕掛けやルアーを細かく操作したりするのが苦手。

チューブラーティップは手元に伝わる感度に優れ、張りが強くて細かな操作に反応してくれる。

どちらも一長一短で、どちらの方が良いということはできませんので、使う方の釣りのスタイルや求めるものに合わせて選択していく必要があります。

ロッド選びに悩んでいる際は、今回の記事を参考にしていただければ幸いです。

それでは、良い釣りを!

 

 

 

 

 

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