【実験・検証】強いノットはコレだ! ノット強度を比較テスト!

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今回は、釣りをするうえでは必須となるノットの強度を実際に測定してみたいと思います。なお、ナイロンラインまたはフロロカーボン製のラインをリングに接続する際の強度を測定しました。

特にルアーフィッシングなどを中心に必ず出番のやってくる結び(ノット)になりますから、私も今回の検証の結果が気になっていました。

今回強度を測定したノットですが、

  • ユニノット
  • ダブルユニノット
  • クリンチノット
  • ダブルクリンチノット
  • ハングマンズノット
  • パロマーノット
  • イモムシノット

以上のノットの強度を測定しました。おそらく、皆さんが普段使用しているノットはこの中に入っているのではないでしょうか?

また、実際にノットの種類ごとの強度を測定してみると面白いことなども分かったので、これから釣りを本格的に始めたい方等はもちろん、既に釣りをある程度やっている方にも見て頂けたらと思います。

なお、PEラインとショックリーダーを接続する際に良く使われるFGノットですが、こちらの編み込み回数の違いによる強度の測定結果についてはコチラに実験結果があります。

是非一度参考にしていただけたら幸いです。

実験・検証! FGノットの編み込み回数と実測強度の関係!

ノットの種類毎の強度測定!

今回使用したラインと測定器具

今回はフロロカーボン製の7ポンド表示のラインを測定に使用しました。使用したのはルアー用のライン、シーガーフロロリミテッドハード。こちらの7LBになります。

表記上は7ポンドですが、かなり強いフロロカーボンになりますので、最大強度では9LBの表記です。

なお、結び目を作らずにこのラインの強度を測定したところ、約4.1kgという結果が出ています。

パッケージ表記の最大強度9LBは約4.1kg弱ですから、最大強度に近い数値が出ています。

このラインの特徴ですが、低伸度と根ズレへの強度を重視した硬いフロロカーボンラインになります。

ですので、正直結束は若干行いづらく、伸びがないので引っ張り強度の面では多少数値が出にくいかもしれません。それでも同じラインですべて測定を行ったのでノットの強度を比較するには有効だと考えます。

そして、このラインにボウズプロダクションのドラグチェッカーを使用し、ラインブレイクを起こした時の引っ張り強度を測定していきます。

今回はラインの太さを考慮し、5kgまで測定のできるタイプを使用しました。

ユニノット・ダブルユニノットの強度

まずは非常に代表的なノットの1つ、ユニノットの強度から測定していきます。ユニノットには基本形となる一度リングにラインを通してノットを結ぶ形と、2回リングにラインを通して結束をするダブルユニノットが有ります。

今回は、シングルとダブルの強度の違いについても興味があったのでどちらのパターンも計測を行いました。

ユニノットの強度を実測

ユニノットの結び方ですが、

ラインをリングに通してこのような形を作ったら、ラインの端を輪の重なった部分に巻き付けていきます。

巻き付ける回数は個人差もあると思いますが、私は4回巻き付けて締め込みを行いました。

このような形で締め込んでいけば、ユニノットが完成します。

なお、測定は3回行い、平均値を出して強度の計測を行いました。どうしても多少の強度のズレは発生してしまいますから。

早速結果を発表すると、①3.1kg、②3.1kg、③2.8kgという結果になりました。平均の強度は3kgとなります。

直線強度は4.1kgでしたから、結束強度は約73%という結果に。

これが強いのか弱いのかは他のノットの強度が出てからでないと何とも言えませんが、ベーシックなユニノットをフロロカーボンラインで行うと、このくらいの結果になりました。

ダブルユニノットの強度を実測

先程のユニノットの応用版になりますが、ラインを2度通してからノットを組むだけになるので、そこまでの手間にはならないと思います。

早速ダブルユニノットの強度を測定してみたところ、①3.2kg、②3.48kg、③3.2kgという結果になりました。平均強度は3.29kgとなります。

結果からみればシングルのユニノットよりも3回とも高い数値が出ています。

直線強度との比較では約80%という結果になりました。

ラインの素材やしなやかさなどの、結束しやすさによって強度の違いは出ると思いますが、シングルよりもダブルの方が強度が出る傾向にある・・・。のかなぁと予想できます。

これはクリンチノットでも測定していきますので、そちらと合わせて結果を見ていきましょう。

クリンチノット・ダブルクリンチノットの強度

続きましてこちらもユニノットと同様、かなり代表的なノットになるクリンチノットとそのダブル版、ダブルクリンチノットの強度を見ていきましょう。

私は普段ダブルクリンチノットで結束を行っています。

クリンチノットの強度を実測

クリンチノットの結び方ですが、

リングにラインを通し、このように巻きつけていきます。巻き付ける回数は4回ほどでOKです。そして、4回巻き付けたら

このように、ラインを通し、そのままできた輪の中にラインを通します。

言葉で説明ができないのでご勘弁を(笑)

初めてクリンチノットをやってみるという方は、画像を参考にしてくださいね。

さて、気になる強度ですが、

①2.75kg、②3.2kg、③2.9kgとなりました。平均強度は2.95kgという結果に。

直線強度との比較では71%ということになります。

ダブルクリンチノットの強度を実測

続きまして、クリンチノットのダブル版、ダブルクリンチノットの強度です。

ダブルクリンチノットの結び方には注意が必要で、よく間違った説明のものがあるので注意します。

このように2度リングに通して4回ほどラインを巻き付けたら、ラインが2重になっている輪にラインの先端を通す。

これでノットは完了になります。

これで本当は完成なのですが、シングルのクリンチノットのように最後に輪の中にラインを通してしまうと、うまく締め込みができなくなったり、ノットが若干曲がってしまうので気を付けます。

このようにしてしまうとよろしくない。

ダブルにする時点で十分な摩擦が生じている為、ダブルクリンチノットで結束する際は最後の輪に通す作業は不要!

ダブルクリンチノットを使いたい方、既に使っている方は少し注意して見ると良いですね。

早速強度を測定してみたところ、①3.75kg、②3.2kg、③3.2kgという結果になり、平均強度は約3.38kgとなりました。

直線強度比では約82%と、シングルのクリンチノットよりも強度が出ています。

ダブルとシングルのよる強度の違いは?

ユニノットとクリンチノットを、それぞれシングルとダブルでノットを組み、強度を測定してみましたが、どちらもダブルの方が強度が出ているという結果になりました。

ダブルでノットを組むことで直線強度の80%以上の強度が発揮されるという結果になりました。結束の容易なナイロンラインやしなやかなフロロカーボンの場合はより高い数値になることも十分予想されますね!

このことから、ノットを組む際はダブルで組んでおけば、強度の面では優位になると言えそうです。

ハングマンズノットの強度を実測

ユニノットやクリンチノットと比較すると若干マイナーなノットにはなりますが、PEラインを直結した際に比較的高い強度が出るとして知られているハングマンズノットです。

こちらのノットの結び方ですが、

リングにラインを通し、このような形を作ります。

そして、このように2重になっている部分に4回ほどラインを巻き付け、右端の輪にラインの先端を通したらノットが完成します。

ハングマンズノットの強度を測定してみたところ、2.85kg、②2.95kg、③2.9kgという結果に。

他のノットに比べると数値のブレが少なく、安定した強度が出ているように感じます。

平均強度は2.9kg、曲線強度比は約70%でした。

やはり、シングルのノットになるとこのくらいの強度が現実的なのでしょうか?

パロマーノットの強度を実測

続いてパロマーノットですが、このノットはシンプルですが非常に強度が高く、太い糸でも比較的締め込みが容易ですね!

また、PEライン直結の際も相性が良いと言われています。

パロマーノットは他のノットと若干結び方が違い、ラインを2つ折りにしてリングに通します。

そして、コマ結びを作るように結んだら、2つ折りの先端部分をリングに通していきます。

通し終えたら締め込んでパロマーノットは完成です。

私もこのノットが強いことは何となく知っていましたが、2つ折りにして結ぶことと、最後に2つ折りの部分を通さないといけないのが面倒だと感じていて、あまりこのノットは組みません。太いラインを結ぶときなどに使用するくらいですね。

気になる強度ですが、

①3.4kg、②3.9kg、③3.3kgと非常に優れた強度を発揮しました!!

この3.9kgを計測した時のブレイクしたラインなのですがかなりラインがキンクしてチリチリになっており、強い摩擦が生じていたことが分かります。

なお、平均強度は3.53kg、直線強度比は86%でした。

シンプルなパロマーノット、おそるべし・・・・。現時点では強度No.1です!

イモムシノットの強度を実測

ラストは太いラインの結束などに使われるイモムシノットと呼ばれるノットになります。

このノットはハーフヒッチを組み合わせて強度を出すノットになり、オフショアのキャスティングなどで使用されることが多いかな?

ノットの結び方ですが、

まずは奥から手前に向かってラインを抜きます。

そして、ラインの先端を下に重ねる。

そして、ラインの先端をもう一度リングに通していくわけですが、

今度は手前側から奥へラインを通します。

そして、

このようにラインの先端を引き抜き、軽く締め込みます。

後は交互にハーフヒッチを各4回ほど。合計8回もやれば完成です!

交互にハーフヒッチをしないと、この部分がよじれて曲がっていったりします。力の加減も均等になるように注意しないと、乱れたノットになってしまうので気を付けます。

また、ハーフヒッチをする際は1回ずつ確実に締め込みを行っていくように。そうしないと力が一部分に集中し、強度が出なくなりますよ!

イモムシノットの強度測定結果ですが、①3.5kg、②3.8kg、③4.0kgととても強度の高い結果に!!

平均強度は3.76kgでしたが、3回目の4.0kgという結果はほぼ直線強度と同じ強さが発揮されています。

フロロカーボンラインでこのくらいの強度が出るのは驚きですね!

直線強度比では平均で約92%と90%を超える強さが平均でも出せています。

結びにくい太いラインを使用する時などには、このノットが有効になってきそうですね。

また、マグロやヒラマサなど、少しでも強度を引き出すことが重要な釣りにおいても重宝しそうです。

まとめ

今回は代表的なノットの強度を比較してきましたが、いかがだったでしょうか?

シングルとダブルの2つのノットが存在するものに関しては、理由がない限りはダブルでノットを組んだ方が強度が引き出せるのでおすすめと言えそうです。また、何度か練習でノットを組んでみた時に発見したことがありました。

それは、

メインライン側だけでなく、しっかりとヒゲ側のラインを引っ張って締め込みをした方が強度が出るということです。

ついついメインラインだけを引っ張ってノットを締め込んでOKにしてしまいがちですが、しっかりとヒゲ側も合わせて締めてあげることでノットの強度は確実に上昇しました。

ですので、このことは覚えておいた方が良さそうです。ユニノット、クリンチノット、パロマーなど、どのノットでも同じような傾向がありましたので、今まで気にしていなかった方は注意してノットを組むようにしてください。

これだけでも数パーセントくらいは強度が変わってきましたよ!!

また、強度の出た順番としては以下のようになりました。カッコ内は直線強度比です。

  1. イモムシノット(92%)
  2. パロマーノット(86%)
  3. ダブルクリンチノット(82%)
  4. ダブルユニノット(80%)
  5. ハングマンズノット(70%)

※ユニノット、クリンチノットはダブルの方が強度が出たため省略

ラインの種類によって強度の出方に違いはあると思いますが、ノットによる強度の違いはおおむねこのようになるのではないでしょうか?

ノットに悩んだ時などは今回の結果を参考にしていただき、より強いノットを身に着けるために練習してみてくださいね(*^^*)

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