さてさて、今回はベイトリールの日常的にやっておきたい基本のメンテナンスのやり方について。
ベイトリールを使う上でメンテナンスしておきたい場所と、ちょっとしたコツなどを合わせて紹介していく。
分解して徹底的にメンテナンスすることもできるけど、簡単な手入れをするかしないかでリールの使い心地は大きく変わってくるから侮ることなかれ。
ここでは普段やっておきたい簡易的なメンテ手順を紹介していくので、釣り初心者の方も覚えておいた方が良い事ばかり。
今までベイトリールを全く手入れしたことのなかった方も、性能を維持するための最低限のメンテナンスにチャレンジしてみよう。
なお、今回はシマノ製のベイトリールをメンテしていく。メーカーによって多少構造に違いはあるが、基本的な方法・考え方は同じだから応用は効くぞ。
ベイトリールのメンテナンスに必要なアイテム
今回は内部の部品を分解してメンテナンスすることは基本的にはせず、日常的に汚れが溜まりやすくて簡単に手入れすることが出来る箇所に絞っていく。
- オイル:対象魚によってはグリスと使い分ける場合もあるが、分解しない場合はオイルの方が望ましい
- ペーパーなど:汚れをふき取るのに使う。綿棒や柔らかい布などでも可
- ハンドルノブキャップを開ける工具:ドライバーやコイン、金属製のピンなど
今回はこのようなアイテムを使い、簡単なメンテナンスを行っていくぞ。
オイルとグリス
本来であれば、場所によってオイルが良い時とグリスが良い時がある。しかし、分解せずにベイトリールをメンテナンスするとなると、粘度の高いグリスは内部にまで浸透しにくい。
だから私の場合、日常的な簡易メンテナンスはオイルを使う事が殆ど。
今回は比較的サラッとした高回転型のオイルを使うが、普通のオイルでもOK。シマノやダイワから発売されてている、スプレー式のオイルとグリスがセットになったもの等も使いやすくておすすめ。
カスタムメーカーからは高額なオイルやグリスも発売されているけど、今まで色々使ってきた結果結局純正品に戻ってきた。これといったこだわりがないのであれば、まずは大手メーカーのオイルやグリスを使ってみるのが良いんじゃないかな。
ハンドルノブを開ける工具
リールのハンドルノブ内はオイル切れになりやすかったり錆びやすく、キャップくらいは開けてメンテナンスしておきたい場所。
リールのハンドルノブによって使う工具の種類は変わってくる。
マイナスドライバーやコインで開けるもの、金属製のピンで開けるものもあれば専用の工具が必要なものも。この辺りは手持ちのリールのハンドルノブキャップの形状を確認しよう。
ベイトリールの簡易メンテナンスをやっておきたい場所
次に、どのような場所をメンテナンスしておきたいのか?初めに大雑把な場所をまとめておこう。
リールの機種によって多少の形の違いはあるが、構造自体は基本的には同じになるぞ。
- ハンドルノブ:ノブ内のベアリングは傷みやすい箇所
- スプール周りのベアリング:汚れやカスが溜まると飛距離の低下につながる
- 遠心ブレーキ周辺:キャスト時の異音の発生などに繋がる
- レベルワインダー:釣り糸に付着した汚れが非常に溜まりやすい
簡単に紹介するとこんな場所になる。それじゃあ実際に各所のメンテナンスを始めていこう!
ハンドルノブ
ハンドルノブ周辺は雨や飛沫の影響を受けやすく、メンテナンスしないと回転が悪くなったり海水で使うとサビて固着しやすい場所。
今回はこのようなキャップ形状なので、マイナスドライバーか硬貨を使ってキャップを開ける。
すると、内部にネジとベアリングが見える。ここにオイルをシュッと吹き付けよう。
多く出すぎてしまった場合はペーパーでふき取ろう。必要以上にオイルやグリスを注油すると、ゴミなどが溜まりやすくなるぞ。
次に、ハンドルノブの付け根とハンドルの隙間からオイルを挿そう。これでノブの上下から注油することになり、内部にオイルが浸透しやすくなるはず。
注油が終わったらハンドルノブをクルクル回し、オイルをなじませる。
スプール周りのベアリングなど
次に行うのが、飛距離に直結してくるスプール周りだ。
まずはメカニカルブレーキ(スプールのがたつきを調整するやつ)を緩めてキャップを外そう。
次に、反対側のパーミングカップとブレーキユニットを取り外してスプールも外しちゃおう。
なお、ベイトリールをメンテナンスする時はラインをセロハンテープなどで留めておくように。ラインがバラバラになると、変な所にラインが入り込んでしまって面倒になるからね!
メカニカルブレーキ周辺
まずはこのベアリングから。ベアリング表面の汚れをペーパーなどでふき取り、ベアリング内のカスを取り除くためにティッシュなどをコヨリ状にして掃除しよう。
左右の手を使い、コヨリを行ったり来たりさせると意外と汚れが取れるはず。ベアリング表面と内部が綺麗になったら、オイルをシュッと1噴き。
ベアリングのメンテナンスが終わったら、メカニカルキャップの裏側も忘れずに綺麗にしておこう。
この黒い部分はカスが溜まりやすいので綺麗にふき取り、薄くオイルを塗っておこう。
ピニオンギア周辺
メカニカルブレーキの反対側、画像中央に見えるピニオンギアとベアリングも汚れが溜まりやすい場所。ここも綺麗に汚れをふき取ってからオイルを挿しておこう。
このリールもピニオンギア周辺が黒く汚れていた。
ブレーキユニット周辺
次に、パーミングカップの内側にあたるスプールを受けるベアリング周辺をメンテナンスしよう。
まずはこのベアリング表面の汚れと、ベアリングの穴の中にコヨリ状にしたティッシュなどを押し込んで掃除。
次に、矢印部分の遠心ブレーキブロックが当たる場所の汚れを綺麗にふき取ろう。ブレーキブロックの削れたカス等が意外と付着しやすく、キャスト時の異音などに影響するぞ。
綺麗に汚れが取れたら、オイルを薄~く塗っておくとキャスト時の音が静かになる。キャスト時にキーンという音がするような時は、この場所のオイル切れが原因であることが多いぞ。
人によってここはオイルを塗る人と塗らない人がいる。
スプールシャフト
次に、スプールシャフトの汚れを落としてオイルを挿しておこう。反対側も同じように汚れをふき取り、オイルを薄く挿せばOK!
レベルワインダー
ここがベイトリールでは最も汚れやすいポイントになる。特にバス釣りなどをするとアオミドロのやウィードのカス等が溜まりやすく、放置しておくとカチカチに固まって綺麗にするのが大変になるぞ(-_-;)
ここは分解しないと完全に綺麗にすることは難しいが、ペーパーや綿棒などを使って届く範囲だけでも綺麗にしておこう。
そしてオイルを挿すんだけど、人によってはグリスを挿す人もいる場所になる。グリスの場合は塗りすぎるとゴミが付着しやすくなるので要注意!
グリスを塗るなら薄~く、最低限塗るように。
そしてラインが通るガイド内の汚れも掃除し、日常メンテナンスは終了!
あとは順番にパーツを組んでいけば作業は終わるが、複雑な構造ではないので初心者の方でも簡単にメンテできる。説明すると長く感じるけど、実際に手順を覚えて作業すれば複雑なものでもないし作業時間もすぐ終わるぞ。
この位のベイトリールのメンテナンスでも、手入れしていないリールと比較すれば飛距離も変わるし巻きの軽さなども違ってくるぞ。
せっかく買ったリールだから、最低限のメンテナンスは自分でやって長く快適に使おう。
それでは、今回はこの辺で。
また明日会いましょう!
木製のハンドルがかっこいいです。
どこで購入できますか?
10年以上前に購入したものですが、わたらせ樹脂工房さんのものです。
近年は人気が出てきているらしく、少し入手困難かもしれません。