さてさて、今回はシンプルで結びやすいノットの1つとされる
漁師結び(別名完全結び)の結び方の手順と強度テストの結果を紹介していく。
締め込みが難しくなってくる太いラインでも比較的締め込みやすいのが特徴の糸の結び方になる。
太いハリスを使った青物釣りや船釣りなど、天秤や針を結ぶ時に覚えておくと役立つんじゃないかな!
強いノットとして紹介されていることも多いこの結び方だけど、
本当に強いのか?
強度テストも同時に行った所、結果は・・・・・。
早速漁師結びの結び方の手順から紹介していくぞ!
漁師結び(完全結び)の結び方の手順!
それでは早速一緒に漁師結びを結んでみよう。
手順を超簡単にまとめるとこんな感じだ。
- ラインを2つ折りにする
- 針のアイにラインを通す
- 4~5回ほど巻き付け
- 2つ折りにしてできた輪にラインを通す
- 締め込み
このような手順でラインを結ぶことになるが、ちょっと難しいのは4の巻き付けと5の締め込みかな?
手順自体はは非常に簡単で覚えやすいから、釣り糸の結び方が良くわからない方でも取っ付きやすいはず。
ラインを2つ折りにしてアイに通す
まずは釣り糸を2つ折りして針のアイ(糸を結ぶ輪っか)に通そう。
慣れないうちは2つ折りの部分を少し長めに取った方が結ぶのが楽になるはず。
出来るだけ小さく結んだ方が締め込みは簡単だけど、作業が細かくなるからね。
まずは10cm~12cm程の長さを2つ折りにして練習してみれば良いと思うぞ。
4~5回ほど巻きつける
巻きつけ作業は両手の指をうまく使うのが大切で、
糸が有る程度ピンと張った状態で巻き付けを行うのがコツになる。
ここで糸がたるんでしまうと、巻きつけた糸が途中で解けたりすることがあるので要注意!
次に行うのがハリス(リーダー)の先端を使い、2つ折りになった部分+ハリス本線に対して巻き付け作業だ。
この時、2つ折りの部分とハリス本線は
このように4~5回ほどラインを巻きつけることで必要な摩擦が生まれるようになる。
細い糸なら5回の巻き付けで様子を見てみるのがおすすめで、5回の巻き付けでは摩擦抵抗が強すぎてうまく締め込めないなら4回に減らすと良い。
10号以上の太い糸であっても4回の巻き付けなら比較的スムーズに締め込みが出来るはずだ。
漁師結びは、1回巻き付け回数が変わっただけでも締め込みの感触が結構変わりやすい特徴がある。
ただし強度テストの結果では、4回の巻き付けよりも5回の巻き付けの方が結束強度の値は優れていた。なので綺麗に締め込みが出来るのであれば、出来る限り5回巻き付けた方が良いと思う。
逆に6回以上巻きつけてしまうと、摩擦が大きくなりすぎてしまって締め込みがかなり大変になるから気を付ける事。
無理に締め込みをすると、摩擦でラインがヨレてしまったりして傷む原因になるからね。
実際に太い号数のフロロカーボンラインを6回巻き付けの漁師結びで結んでみると、こんな風に締め込みがうまく出来なくなることがある。
だから巻き付け回数は4~5回程度を目安にするのがおすすめって事ね!
出来た輪にラインの先端を通す
巻きつけ作業が完了したら、このように輪の中にラインの先端を通そう。
ここまで出来れば、後は締め込み作業をするだけ!
締め込み
最後の締め込み作業なんだけど、特に太い糸を使う時はこの締め込みがちょっと難しい時がある。
手順としては、ラインを唾や水を付けて湿らせてから
- まずは本線側をジワジワとゆっくり締め込む
- 巻き付けた糸がほつれないよう、ヒゲ側を締め込む
この1と2の作業をバランスよく、結びの形が崩れないように注意しながら締め込んでいく事になるぞ。
糸の本線(リールなどに向かっている側)とヒゲ側の2本の糸をバランスよく締め込まないと、この漁師結びは綺麗に締め込めない。
本線ばかりを締め込んでいくと、巻きつけた糸の形が崩れてしまうから気を付けよう!
ノット全体がムラなく均一に締め込みが出来ればOK!
後は余計なヒゲをカットすれば、漁師結び(完全結び)は完了したことになる。
お疲れさんでした!
漁師結び(完全結び)の結束強度を実測!
次に、この漁師結びの強度はどれくらいあるのか?
強度測定の依頼があったので実際にその強さを測ってみることにした。
使用するラインは5号のフロロカーボンハリス。結び目が無い直線強度で9kgのものを使用。
強度テストは3回連続で行った。
なお巻きつけ回数は4回と5回でそれぞれの強さを測定したんだけど、4回の巻き付けでは5回の巻き付けに比べて
結束強度が5~10%程低下したので、ここでは5回の巻き付けでの記録を記載しておく。
さてさて、気になる漁師結び(完全結び)の強度テストの結果はこんな感じに・・・・
- 約6.5kg
- 約6.75kg
- 約6.75kg
3回の平均値は約6.67kg、結束強度は約74%という値になった。
非常に強いと言われている漁師結びだけど、大体75%程の強度というとめっちゃ強いとまでは言えないかなぁ。
ダブルユニノットやダブルクリンチノットと、強度的にはあまり変わらないといった所か。
試しにパロマーノットを試してみる
もしかしたら結び目が弱くなりやすいラインなのかもしれないので、比較としてパロマーノットを試してみる。
パロマーノットは非常にシンプル、かつ強いノットとして知られている結び方である。
結果は・・・
適当にササっと結んだだけでいきなり約7.5kg(結束強度約83%)を計測。
うん、やっぱりパロマーノットは強いんだ!!
漁師結びは思ったよりも強くないし、引っ張った時の粘り強さが明らかにパロマーノットの方が上である。
漁師結び(完全結び)の特徴・使いどころは?
今回は漁師結びについて、結びの手順と強度テストの結果を紹介してみた。
結び方はシンプルで覚えやすく、太い糸でも比較的スムーズな締め込みが出来るのが特徴としてあげられる。
しかし結束強度の方はまずまず強いといったところで評判程のものではなく、パロマーノットにあっさり負けてしまった・・・(パロマーも太い糸にも比較的対応しやすい)
パロマーノットの欠点としては、天秤や長いルアー等に結ぶのが大変という点。
この辺りに漁師結びの出番が来るといった感じかな。
- 太いラインでも締め込みやすい:ダブルユニノットなどは太いラインだと摩擦が大きすぎる
- 結束強度はまずまずといったところで(結束強度75%前後)、ずば抜けて強いわけではない
- 太いラインを使用し、天秤や長さのあるものを結束する時におすすめ!
今回の実験で分かったことは大体こんなところかな!
それでは、今回はこの辺で。また明日会いましょう!
検証ありがとうございます。
やはり懸念は当たっていましたか・・・これからはパロマーノットに切り替える事にします!
右クリックからの各種操作を復活してくださってありがとうございます。お蔭で新しいタブで開いてのまとめ読みも再開できました。
そこで早速エギングの復習がてらまとめて記事を読みましたところ、気になる点がありましたので質問です。
最近のまるなかさんのお気に入りエギはEZ-Qダートマスターの様ですが、過去記事の写真にマグキャストもありますよね?
私も11月からエギングを開始し、ダートマスターも投げましたが、遠投必須の遠浅ポイントでやってましたので苦戦しました。ロケットチューンも調べてやってみましたが、成功率がイマイチで空中で抜けてしまったり、せっかく遠投成功したのに帰還したエギを見たらシモリ玉から抜けてない死にキャストだったりしてガックリとか(笑)
で、試しにマグキャストを投げてみた所、安定して飛距離が稼げ、釣果も出る様になりました。
ロケット成功時はマグキャストを超える距離が出ますが、夜間で風があるコンディションだったりすると、もうどこまでエギが飛んだか全く判らず。これならマグキャストの安定感で死にキャストを無くし、エギの大まかな位置を把握した方が良いと判断し、メインエギをマグキャストに選定しました。2018年釣り納めに1400gも釣り上げ、信頼度は益々上昇しました。
前提が長くなりましたが質問は、マグキャストを使っている人が多くはない事、素晴らしいシステムなのに類似製品があまりない事・・・何故なんでしょうか?
単純にアオリがアタックしてくる確率は通常のエギ形状の方が優れている?何か構造上宜しくない事でもある?製品価格?
まるなかさんが現在マグキャストを使っていないのは、遠投の必要が無いから?しかし11/17の記事ではロケッティアっぽくダートマスターを投げていたし。単純にダートマスターという製品の実釣力を評価しているから?
以前ヒラメの記事で、基準となるルアーやジグを決めて、状況把握等を出来るようにとありました。エギングにおいての基準を自分はマグキャストにしようと考えましたが、この選択は果たして良いのだろうか・・・まるなかさんの見解をお願いします!
毎回面倒な質問をしてすいません(笑)