さて、今回紹介するのは天秤仕掛けを使ったハゼのちょい投げ釣り!
リールの付いた竿を使い、仕掛けを少し沖に投げて釣る釣り方になる。先日はのべ竿を使ったハゼのウキ釣りを紹介したが、ウキ釣りよりもリールの扱いを覚える手間は増えるけど
遠くにいるハゼをキャッチできるメリットが天秤仕掛けにはある。
だから釣り場が広い場所や、ハゼが何らかの影響で沖の岸から離れた場所に潜んでいる時に効果的になる。
今回は実釣経験から使いやすい仕掛けセレクトやおすすめアイテムを紹介しつつ、ハゼのちょい投げ釣りの基本を覚えていただきたい。
それでは前置きは程々に、本題へと話を進めていこう。
目次
天秤仕掛けを使ったハゼ釣りのメリット
ハゼ釣りには釣り方がいくつかあるけど、天秤を使ったちょい投げ釣りのメリットは何か?
最初に軽く触れてしまったが、簡単に紹介しておくとこんな感じだ。
- 沖の離れた場所に潜むハゼを攻略できる
- 複数の針の付いた仕掛けを使え、ハゼをキャッチできる確率が上がる
- 長さのある仕掛けを使う事により、フワフワと自然な餌の動きを演出できる
こんなところがちょい投げでハゼを狙って行く際のメリットになる。ウキ釣りや胴付き仕掛けなど呼ばれる仕掛けを使ったハゼ釣りに比べ、長さのある仕掛けを遠くに飛ばせるのがそのメリット!
天秤を使ったハゼ釣りはハゼの活性に比較的釣果が左右されにくく、安定して釣れる事が多い特徴があるぞ。リールを使って仕掛けを飛ばす釣りに入門する際、ハゼは格好のターゲットになるからおすすめだ。
ハゼのちょい投げ釣り基本の仕掛け図
まずは天秤仕掛けを使ってハゼを狙う際における道具の基本セレクトをまとめておこう。これから釣り道具を揃える際の目安にしてね。
- 竿:ちょい投げ用のコンパクトロッドやバスロッド。2m前後のもの
- リール:小型のスピニングリール。番手(大きさ)は2000~2500番位
- 糸:ナイロンライン1.2~2号。PEラインなら0.6~0.8号位。100m程巻いておけばOK
- 天秤:絡みにくいもの。長さは10cm前後が使いやすい
- オモリ:なす型オモリ4~6号前後
- 仕掛け:ハゼ用のちょい投げ仕掛け。針の大きさは5~7号位
大体基本となる道具選びはこんな感じかな。仕掛けは短めで扱いやすいから、釣り初心者の方でもお手軽にチャレンジできる。また、竿やリールはセットで販売されているものも多く、高級な釣り道具を買わなくてもハゼは十分釣れるからね。
ここからは竿やリールなど、使う道具の選び方をもう少し詳しく見ていくことにしよう。
天秤仕掛けを使ったハゼ釣りに適したタックル選び
それじゃあもう少し詳しくタックル(竿やリールなどの釣り道具)の選び方を紹介していく。
竿
ハゼの投げ釣り用の竿という専用の竿は基本的に発売されていないので、選ぶとしたらこのようなコンパクトに仕舞うことのできるちょい投げ用の竿や、ブラックバスをルアーで釣るためのバスロッドが扱いやすい。
ハゼ釣りでは遥か彼方に仕掛けを飛ばす必要があるという場面は少なく、20~30m位仕掛けが飛べば十分なことが殆ど。だから極端に長い竿は必要なく、大体180~210cm(6~7フィート)前後のロッドを選べばOK!
ちょい投げ用の竿よりバスロッドの方が重たいオモリを投げるのは不向きだが、その分繊細でハゼのアタリを感知しやすい特徴がある。どちらでもハゼ釣りは楽しめるが、ハゼやキスのちょい投げ釣りに使うならバスロッドの方が個人的には使いやすいと感じるかな!
リール
天秤仕掛けを使うなら、仕掛けを沖に投げ込むためのリールが必須だ。
ちょい投げセットやブラックバスセットなど、竿とリールがセットになったものならそれを使えばいいが
バラバラで買うならリールも間違いのないように購入する必要がある。
大事なのはスピニングリールという種類のアイテムを選ぶことと、リールの大きさ!
こういう形をしたベイトリールを選んでしまうと、仕掛けを快適に飛ばすことが難しくなってなるから気を付けるように。
リールの大きさだが、ハゼ釣りでは太い糸を使う必要は無いから小型のもので十分。大体2000~2500番クラスのものを選べばOK。
リールの番手はメーカーが違っても大体こんな風に掛かれていることが多い。これは2000番っていう大きさになる。
糸
釣り糸にはいくつかの種類があるが、これから釣りをやってみたいという事であればナイロンライン(最も普通の釣り糸)を選ぶようにしよう!
ナイロンラインの太さは大体1.2号~2号(5~8LB)位が扱いやすく、釣りに慣れていないのであれば強度のある2号位から始めてみるのがおすすめ。長さは100m程巻いておけば十分だ。
釣り道具の扱いに慣れてきたら、扱いが少し難しくなるが細くて強度のあるPEラインにチャレンジしても良い。この場合の号数は0.6~0.8号程を選ぶのが基本で、より軽いオモリで釣りをするなら0.4号などでもOK。
PEラインって何?という事であれば、まずはナイロンラインを選んでおけば問題ないぞ。
天秤
天秤は金属製の針金を加工して作られたパーツの事で、これを使う事で仕掛けを投げたりした際の絡みを防止することが出来る。
ちょい投げ釣りでハゼを狙うのであれば必須アイテム!
釣具屋さんに行くと色んな形の天秤が売られているが、使い難いものも意外と多いから気を付けよう。天秤には腕の長さがいくつかラインナップされていることが多いが、
ハゼ釣りでは10cm前後を基準に選んでみるのがおすすめ。
サイズがいくつかあるものは、パッケージのどこかに長さが表示されている場合が殆ど。あまり短いテンビンを買ってしまうと仕掛け絡みが頻発しやすいから要注意!
こういったハゼ釣り用のかなり小型の天秤も発売されてるんだけど、実際に使ってみると
天秤が短すぎることや、ビーズなどのゴチャゴチャしたパーツの隙間に糸や針が絡むから使い難い。
まずは、シンプルで余計なパーツが付いていないものを選んだ方が絶対に扱いやすい。
わたくしまるなかのおすすめはこの天秤。安くてシンプル、それでいて使いやすい。
オモリ
天秤にオモリがくっ付いていないタイプのアイテムを使うのであれば、別にオモリは用意する必要がある。このようななす型の上部に金属製の輪が付いたものを選べば問題ない。
重さは大体4~6号位を基準に選び、上達してきたら3号などの軽い仕掛けにチャレンジするのもおすすめ。
このように天秤に接続できる形状のものを購入しないとダメ。間違ってオモリに穴の開いた中通しオモリなどを買ってしまうと天秤と接続することが出来なくなる。しっかり見て買う様に!
仕掛け
天秤と合わせて使うのが、ちょい投げ用のハゼ釣り仕掛け。
これも色んなアイテムが発売されているけど、選ぶ際のチェックポイントはこんな感じ。
- 仕掛けの全長:大体50~60cm
- 針の数:2本針
- 針の大きさ:5~7号位
仕掛けの全長は長くなると扱いが難しくなるから、見方としては針1本に付き25~30cmという長さ。だから2本針の付いた仕掛けを使うなら50~60cm位のアイテムを選ぶと良い。長めでも1m位までの仕掛けにしておこう。
※仕掛けが1mなどに長くなる場合、天秤の長さも15cmや20cmなどの少し大きめに変えた方が良くなる。
短くても問題は無いが、長くしてしまうと仕掛けが絡みやすくなるからね。
そして針の数は1本針か2本針が一般的。天秤を使って仕掛けを広範囲に投げて釣りをするなら、2つ餌が付けられる2本針の方が良いかな。1つの餌を取られてもまだチャンスが残っているから、1回の仕掛け投入でハゼが釣れるチャンスは高まるぞ。
2本針を使うと、こんな風にダブルヒットすることもある。普段私がちょい投げ釣りをする際も、2本針の仕掛けで釣りをしている。
そして最後に重要なのが針の大きさ!
釣具店に行くと、7号や8号などの大き目の針を使った仕掛けを売られているが、大きい針を使うと
アタリはあるけど全然掛からなくね?
っていう状況に陥ることがある。だからおすすめは5号や6号などの少し小さめの仕掛けを選ぶこと!
小さめの針を使っておけば、アタリはあるけど釣れないという状況には陥りにくくなるからね。私の場合は4号か5号で釣りをすることが殆ど。
これは全長60cmのハゼ釣り仕掛け。ちょい投げ釣りでは扱いやすい!
なお、予備の仕掛けは必ず用意すること。この仕掛けは1パックで3セット入っているけど状況次第では足りないことも良くある。もう1パック位は最低でも持って行った方が良い。フグがいたりすると、あっという間に針を取られるから気を付けよう。
なお、ハゼ釣り仕掛けは自作することもできて、この場合は針だけを脱着可能にしたタイプもできる。(市販の仕掛けは針を取られたら仕掛け全体を変えるものが殆ど)
これならフグに針を取られたとしても、針の部分だけを簡単に交換できるメリットがある。作り方は別に詳しく解説してあるから、よろしければ参考にしてみてね。
餌
ハゼを釣るなら、基本の餌は赤イソメ(石ゴカイ)。
1匹丸ごと付けてもいいが、若干大き目になるので3~5cm程にカットして通し刺しにして使うのが基本スタイル。
より詳しい餌の選び方や使い方は別に記事があるので、そちらを参考にしてほしい。
ハゼのちょい投げ釣りの手順!
河川の下流部など、ハゼが潜んでいそうなポイントを見つけたらどうやって釣りをするのか?
その基本的な流れをここではここでは紹介していくことにする。
- 天秤にオモリと仕掛けを接続し、リールから出ている道糸に天秤を結ぶ
- 餌を付け、仕掛けをキャスト!
- 誘いを掛ける
- アタリが出たら合わせを入れる
- ハゼをキャッチ
超ザックリ解説するとこんな感じになるぞ。
仕掛けを準備する
天秤の種類によって多少変わってくるが、今回紹介した天秤にはオモリを取付ける場所に小さなバネ状のバーツが付いている。
これを上に持ち上がると、オモリを取り付けることが出来る仕組みだ。
こんな風にオモリを取り付けたら、糸を結ぶ場所が2か所ある。オモリの上側に位置するのがリールから出た道糸を結ぶ場所、右上に位置しているのが仕掛けを結ぶ場所になる。
時々これを逆に結ぶ方がいるので間違えないように気を付けよう。間違えて結んでしまうと、仕掛けが絡んだりする原因になるぞ。
市販の仕掛けを使う場合、仕掛けの先端部はスナップという金属製のパーツになっていることが多い。その場合はスナップの爪を開け、ワンタッチで天秤との接続が出来るぞ。
これなら仕掛けを交換する際にもいちいち糸を結ぶ必要は無く、交換作業がスムーズにできる。
なお、リールから出た糸と結び方だが、私の場合はダブルクリンチノットという結び方で結束している。コマ結びなどでは簡単に切れてしまうから、釣り糸の結び方は1種類で良いので覚えておくように!
餌を付け、仕掛けをキャスト
イソメを針に付けたら、いよいよ釣り開始!
仕掛けを投入するわけだが、ハゼは基本的に底付近に潜んでいる。だからオモリが着底するまで待つようにする。
仕掛けが底に着くと、竿先に掛かっていたテンションがフッと抜けて軽くなったような感じになるぞ。
ハゼは水深が変化する場所に潜んでいたり、その時によって釣れる水深が決まっていたりする。仕掛けが着水してから着底するまでの秒数なども覚えておくと役立つ。
誘いを掛ける
ハゼは動くものに強い興味を示す習性があるから、仕掛けを投げてほったらかしにしていても沢山釣れることは殆どない。
だから仕掛けをキャストしたら竿は手に持ち、底をズルズルと引きずるようにして誘いを掛けよう!これはかなり重要で、誘いを掛けるかどうかで釣果が大きく変わってくる。
ハゼを沢山釣るテクニックで最も重要なのが誘い!めんどくさがらずに誘いを掛けることが釣果アップへのカギになる。
誘いの種類はいくつかあるが、基本的なパターンはこんな感じ。
- 1~2m位、人間が歩く速度の半分~歩く速度位でズルズルと仕掛けを引っ張り誘いを掛ける
- 誘いを掛けたら5秒~10秒くらい待つ
- 再び仕掛けを引っ張り、誘いを掛ける
最も簡単な誘いはこんな感じかな!その時のハゼの機嫌によって、効果的な誘いの速度や待つ時間が変わってくる。
場合によってはもっとゆっくり動かしたり長い時間待った方が良いこともあるし、逆に早く動かした方がよく釣れる事もある。ハゼが釣れた時は、その時にどんな風に仕掛けを動かしていたのかを覚えておくと良いね!
アタリが出たら合わせる!
ハゼは小さな魚だけどアタリは結構明確に来るのが特徴。
ゴッゴッと岩に仕掛けが当たったような感じのアタリが出ることもあるし、ブルブル~っという感触が手元に伝わってくるパターンもある。この時、アタリが有っても何もしないとハゼは針に掛かりにくい。
アタリが出た際は手首を素早く返して竿を煽り、合わせを入れることが大切。この時、糸がたるんでいると合わせが効かないから気を付けよう。
ロッドを煽るのと当時にリールをグルグルっと巻き取ってあげると、しっかりと合わせが完了しやすいぞ。
ハゼが釣れた際、口先にガッチリと針が刺さっていればOK。不用意に強くロッドを煽る必要は無く、最低限の力で素早く合わせをいれるのがキモ。
ハゼをキャッチする
ハゼは小さくても瞬発力は意外とあり、鋭い引きを見せるから面白い。ハゼが掛かった際は一定速度でリールをゆっくり巻き取ればOK。
余り雑にやり取りすると、水中でハゼがグルグルと回ってしまったりして糸がヨレヨレになったりするから気を付けよう。
ハぜ釣りは活性が高い時にどれだけ効率よく釣るかが大切。慣れてきたら餌を付けたり魚を針から外す動作を素早くできるようにすると、短時間に沢山のハゼが釣れるようになる。
針を飲まれた際などに備え、小型の針外しは持っておいた方が良いかな!外道でフグなどが釣れた際にも針外しがあると役に立つ。
天秤仕掛けを使ったハゼ釣りまとめ・関連記事!
今回はハゼのちょい投げ釣り、天秤を使った釣り方の基本を紹介してきたけど、知識の面ではこの位覚えておけばOK。
リールを使った釣りの入門にも最適だし、お手軽に遊べてかなり面白いから是非やってみて欲しい。
まるなか大衆鮮魚では、他にもハゼ釣りに関するコンテンツは多数用意してある。基本的なものから釣果アップのための応用テクニックまで、全て実釣に基づいたものになるから良かったら参考にしてみてくれ。
それでは、今回はこの辺で。
また明日会いましょう!